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複雑・ファジー小説
- Re: 僕は僕になりたいし私は私になりたい。そして飛びたい。 ( No.1 )
- 日時: 2022/08/24 17:01
- 名前: SR(スーパーレア) (ID: p/lGLuZQ)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
0.2話
ある大学生の私である僕が、望まれない性別で始まり、望んだ性別で終わる。
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僕の方が朝目覚める。今日は僕の番のようだ。カーテンを開け、朝日に挨拶をする。机の上には日記があり、当然の権利を主張してきた。
「私の体になるはずのものだ。返せ。」
そんな事言わなくても分かるのに...彼女の記憶は朝起きた瞬間に入ってくる。
起きた瞬間に、一日分の感情を、思いが、記憶が、鮮明とは言えない曖昧に入ってくる。
これは彼女が覚えていた記憶なのだろう。そして彼女が覚えた思いや感情なのだろう。
と、分かっている。
僕達は一度や二度ではない。この感覚を二ヶ月間続けている。
正確には約一ヶ月だが...。
大学へ行く準備をして女性用の服を手に取る。そして鏡の前で服を合わせ、少し憂鬱な気分になる。
服を着て、メイクをする。あえて下手に化粧をし、かろうじて男である誇りを何とか保とうとする。
でも自分の顔になるべきではない童顔のせいで化粧を始めたての女の子のような感じになる。
本来あるべき姿は違うだろ!僕が...この僕が僕になるはずだった。
そう思うとムカついてきた。僕はペンをとり次のページにこう書いた
「僕の体になるはずのものだ。返せ。」
つられて、「返せ」と書いてみたが、もう返ってきているのだ。
だって彼女は自分なのだから。
元々僕達は一人なのだ。
分かっている。だから――――――
いつの間にか視界がぼやけている。それを手で拭うと手には、濁った水滴が付着していた。
慌てて鏡を見る。
鏡を見ると、色付きの涙が自分の頬に垂れてきていた。
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