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複雑・ファジー小説
- Re: もちもちつよつよ旅日記 ( No.33 )
- 日時: 2023/12/09 21:19
- 名前: sumo (ID: 8kWkLzD1)
episode33
朝になっても、マキコさんの姿は見えなかった。
まだ部屋に閉じこもっているのだろうか。
「まだ寝てるのかな」
マキコさんの寝室の部屋からは音ひとつしないので、きっとまだ寝てるのだろう。
僕はこのちきゅうにもうけっこう長く住んでいるはずなのに、僕にはさっぱり分からない。
にんげんのきもちってどうしたら分かるのかな?
だって、昨日まで何もなかったのに。喧嘩もしてない...。
どうして急に何も言わずに何処かへ行ってしまうの?
そっけない返事をするの?
マキコさんも、少女だって。
"にんげんのきもち"って難しいな。
(マキコさんがお部屋から出てきたら何があったのか聞いてみようかな)
朝起きてから4時間経った。
リビングに掛けてある時計の短い針は、もう11を指していた。
「..もう11時だ」
マキコさんは出てこない。部屋からはやはり音ひとつ聞こえないのだ。
「まだ寝てるのかな?」
昨日、やっぱり何かあって、それで..疲れちゃったのかな。
疲れちゃったときは、ずーっと寝ていられるらしい。
少女と旅していたときのことをふと思い出した。
深くて暗い森を一日かけて抜けて、宿についた日の次の日は、少女はなかなか起きなくて、
「もうちょっとだけぇ...」と言いながら、夕方になるまで寝ていた。
きっと、マキコさんもそういう状態なんだ。
(きっと、そうなんだ!)
僕は名探偵のような気分になった。
でも困ったなぁ。
朝から何も食べていないから、お腹がぺこぺこ..。
勝手に食べ物を食べるのは良くないから、
マキコさんが起きるまで待っていなくちゃいけない。
あーあ。
お腹好いたなぁ
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