複雑・ファジー小説

Re: もちもちつよつよ旅日記 ( No.6 )
日時: 2023/02/23 10:45
名前: sumo (ID: 2cE7k4GX)

episode 6

「ただいまぁ」とベロンベロンの雇い主が小屋に帰ってきて、
ほらよ、と俺におにぎりを4つ、ぽいっと投げた。

「サービスだかんな、ありがたく食べろや」と言って自分はごちそうをもって、自宅へ戻っていってしまった。

お前がそんなに金を使うから、その分俺が働かなくちゃいけなくなるんだよ!と心の中で思ったが、
本人に言ってもおにぎりを取り上げられるだけだから、何も言わずに受け取った。

とたんに俺と少女のお腹がぐうぅと鳴った。

2つずつおにぎりを分けて食べた。
少女の方はちゃんとスライムと1つずつ分けていた。

無心になってむしゃむしゃとかぶりつくと、おにぎりはすぐ無くなってしまった。
少女のとなりで、スライムは幸せそうに、ちびちびお米を食べている。

「せっかくのあなたの分、分けてもらっちゃってごめんね」と食べながら少女が気まずそうに言うので、
「アンタのおかげで仕事が終わったんだし、それに4つも食べられないから、いいよ」とおにぎりを押し付けた。

少女は「そっか」と嬉しそうにして、おにぎりを食べ続けた。

「..明日も、一緒に仕事してくれる?」また口から余計な言葉が出てきてしまって、
ハッとしたが少女はにっこりして、「いいよ」と告げた。

少女が「いいよね?」と隣に座るスライムにたずねると、
スライムは「君が望むなら、別に構わないよ~」と弾力のある体をゆさゆささせた。

少女は「おにぎり、また明日も食べたい」とニヤっと笑みを浮かべてこちらを向いた。

ああ、天使だ。
素直で優しい、純粋な彼女てんしは俺に癒しをくれる。

顔がヘニャっとしたのに気がついて、恥ずかしくなって、
すぐに「食べれるといいな、」と笑って返事をして、俺は立ち上がった。

「それじゃ、明日も仕事頑張ろうな」と言って、俺は小屋の2階に上がって、寝る準備をした。