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複雑・ファジー小説
- Re: もちもちつよつよ旅日記 ( No.7 )
- 日時: 2023/02/23 16:15
- 名前: sumo (ID: 2cE7k4GX)
episode 7
少年ユージが2階へ上がってしまった後、
少女とスライムは、黙々と残りのおにぎりを頬張っていた。
「親友の言う通り、あの人..いい人だった..」食べながら少女が言うと、
「ボクの読み通りだった!!」スライムが得意気にフフンと笑う。
「あしたも、わたしたち、ここで働いていいって..」「頑張らなきゃね!」
一人と一匹は小さな小屋でやる気を灯すのだった。
ようやくおにぎりを完食すると、少女がスライムを誘った。
「..ちょっと外に出てみない?」
「いーね」賛成と言ってスライムは扉の近くまで行く。
外は肌寒かったけれど、上を見上げると、
深い青色の夜空に星がキラキラと輝いて、綺麗だった。
「きれーだね」
「うん」
旅を続けてきて、楽しいことはこういう景色を親友と一緒に見れること。
そして、初めましてのいろんな人と会えること。
旅に目的地はないけれど、また歩き出す。
いつか、名前を思い出せるように。
いつか、お母さんとお父さんに巡り会えるように。
煌めく夜空の中に、流れ星があったような気がして、少女は小さな手を合わせてお願いした。
鼻水が出てきたので慌てて小屋の中に戻って、寝袋を敷いた。
昼間、自分達で床をピカピカにしたので、気持ちがよい。
そのまま毛布にくるまって、少女もスライムも小さな寝息を立てて眠った。
少年の方も、2階でなぜかいつもより心地よく、眠りにつくのだった。
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