複雑・ファジー小説
- Re: もちもちつよつよ旅日記 ( No.8 )
- 日時: 2023/02/23 17:48
- 名前: sumo (ID: 2cE7k4GX)
episode 8
「さあ、今日も頑張るぞー!」服をまくりあげて、デッキブラシを握りしめる。
おー!と親友が応えてくれたのでいっそう腕に力が入る。
わたしたちが目を覚まして寝袋から出たときには、
もうユージは小屋の外で、羊に草を食べさせていた。
「早起きだねえ」とわたしが言うと「これくらい当たり前」
とフイっと返事をして、仕事を再開してしまった。
ユージに負けないように、今日も任された昨日と同じ作業を、親友と共に始める。
汚れるから、とユージが貸してくれた予備用の長靴を履いて、床をきれいにゴシゴシ磨く。
親友はというと、遊び半分で水をぱしゅぱしゅ出してきゃっきゃしている。
(まあ、いっか。)
今日は雇い主がよその町へ出掛けるので、小屋にいるのはわたしと、親友だけだ。
「そこに、トースト2枚焼けてるから食べとけ」
ユージが外から教えてくれたので、わたしたちは机に置いてあったトーストにかじりついた。
「おいひい。」(おいしい)
「やひたてだぁ」(焼きたてだぁ)
焼きたてのトーストをささっと食べ終わると、わたしたちはまた、床を洗い始めた。
ユージの方は、ちょっと遠くの方まで羊を野放しにして、羊たちを遊ばせている。
そんなこんなでお昼が過ぎて、昨日よりもう少し早く仕事が終わった。
「やっぱり、二人でやると早く済むな。」ユージが嬉しそうに呟いた。
しばらくして、雇い主が帰ってきた。
美味しいものをたくさん食べ、買い物がたくさんできたようで、ご機嫌だ。
「まだお前ら、いたのか。ぉ、床がピカピカじゃないか。偉いぞ、今日はだいぶ早く終わったみたいだな」
と二人と一匹(?)を褒めた。
少女とスライムは少し嬉しそうにしたが、すぐ目を反らした。
「んじゃ、明日もよろしく頼むぞ」そういうと、雇い主はそそくさと出ていってしまった。
机の上には、雇い主が置いていった謎のチラシが数枚置いてあった。
[パン大セール!!]
「さ、晩飯食べよーぜ。今日はちょっと豪華だ。」
ユージが指差した先には、中くらいのフランスパンと、シチューが置いてあった。