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複雑・ファジー小説
- Re: スターワグナリー冒険記 ~ドレトンの宝玉編 ( No.6 )
- 日時: 2023/10/28 23:19
- 名前: 〆切 逃 (ID: T3oqfZAk)
その争いはあまりにも呆気なく終わりを告げることになりそうだ。
僕は慌ただしく木刀の柄を握り締めようと手を振るも、思わず手汗により滑ってしまい、その隙にと言わんばかりに刃を突き立て突撃してくる彼に向けて僕は精一杯の抵抗にと拳を振るう。
「遅ェな。」
僕の拳が宙を突く。軽やかに彼はその一撃を受け流しながら僕へ向けて振り上げられた刃から恐ろしい程のスピードで太刀が繰り出される。思わず僕は利き手ではない左手でガード。生身ということもあってかその一瞬、彼が振り下ろす太刀の速度が微妙に落ちたのだ。よく見れば彼も「マジかコイツ…」みたいな表情で僕を見つめていた。肉にめり込んだ刃から強引に刃を突き放し、思わず痛みに負けそうになりながらも僕は彼へ向けて再び拳を振り下ろした。
「ーッ!!!」
また受け流そうと彼は後ろへ仰け反った…のだが、それよりも拳の到達の方が早かった。
鈍いであろう一撃が彼の臍めがけて直撃する。
「効くな…っ!!!」
仰け反りながらも彼は笑みを浮かべている。痛みに圧されながらも僕も負けじと彼を煽ろうと口を開ける。
が、それよりも早く彼が踏み込んだ。
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