複雑・ファジー小説

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最後の審判 キャラクター募集中!
日時: 2011/06/21 18:26
名前: ショウタロー  ◆mOYvzARW6k (ID: IPhHYvUG)

こういう場所で小説を書くのは初めてなので、恥ずかしい部分があるかもしれませんが、どうぞよろしくおねがいします!

目次

登場人物 >>1

序 >>2

第一話 >>3-6
第二話 >>13-14
第三話 >>
第四話 >>
第五話 >>


キャラクターを募集中です!
お願いとしては、かなり個性的で強烈なキャラクターを望んでいます!

オリジナルキャラクター募集

キャラ名「」
性別「」
年齢「」
性格「」
外見(これはなくても大丈夫です)「」
設定「」
備考「」

Re: 最後の審判 キャラクター募集中! ( No.3 )
日時: 2011/06/07 19:55
名前: ショウタロー  ◆mOYvzARW6k (ID: d.8YONjT)

第一話

 森の中を伊原は無我夢中に、がむしゃらに走る。後ろにはイヌのマスクを被った男が伊原を追いかけている。

「なんで、なんで……なんでこんな事に……」

 僕が一体何をしたっていうんだ。伊原はこの状況に苛立ちを覚えた。自分をこんな目に合わせた人間が目の前にいるならば、躊躇なく殺せるのではないか。すでに限界を超えている身体に鞭を打ち、伊原は走り続けた。
 イヌマスクの男は疲れていないのだろうか、執拗に伊原を追いかけ続けていた。
 呼吸は乱れている、足は震え、意識は朦朧とし始めていた。伊原にはあまり体力が無かった。

「!?」

 地面に突き出ていた木の根に足をとられ、伊原は転び、地面に叩きつけられた。疲れと身体の痛みで、立ち上がる事ができなかった。
 イヌマスクの男は倒れた伊原の背中を踏みつけ、手に持っていたチェンソーのエンジンを点けた。伊原の耳元でチェンソーの電動音がなる。抵抗する間もない。もうだめだ。尿をちびらせながら伊原は、目をギュッと瞑り、地面に生えている草を掴んで、覚悟をした。
 イヌマスクの男がチャンソーを振り下ろす。伊原は唇を噛み締めた。頬には涙が流れていた。下半身は尿で大洪水だった。
 なかなか男は伊原を殺そうとしなかった。……。伊原は背中が踏まれている感覚が無い事に気付く。そういえばチャンソーの電動音もしていない。
 恐る恐る体を起こし、後ろを見てみると、そこには倒れ込んでいるイヌマスクの男と、それを踏みつける少女が居た。混乱気味に伊原は少女を見つめた。少女はショートカットで、背が低かった。

「……」

 視線に気付いたのか、少女は真ん丸な瞳で伊原を見つめる。リスみたいな顔だった。リス顔の少女は急に目を三日月の形にして、くすくすと笑い始めた。

「漏らしたんだね」

 いや、哂った。
 伊原は顔を真っ赤にした。

「これ、着ときなよ」

 少女はハーフコートを伊原に渡した。

「いいの?」
「着ときなよ、それじゃあ恥ずかしいでしょ?」

 伊原はありがとうと呟いて、ハーフコートを着てズボンの染みを隠した。ハーフコートのサイズは少し大きめだった。少女の物にしては大きすぎだった。

「君の?」
「いや、コイツのだよ」
「えぇっ!?」

 少女は地面に転がっているイヌマスクの男を爪先で突付いた。男は既に息絶えていた。伊原は死体と、死体の衣服を身につけている事に吐き気を催し、すぐにハーフコートを脱いだ。

「あ、脱いじゃうんだね」
「こんなの着れるか!」

 伊原はハーフコートを死体に被せ、そして少女を化物を見るかのような目で見た。少女はおかしい。何故、簡単に人を殺せて、そして平然としていられるのか。罪悪感とか、感情はないのか。
 そんな伊原の考えを読み取ったかのように、少女は呟いた。

「言っとくけど、感謝されこそすれ、怖がられる筋合いなんてないからね。アナタはマミに助けてくださいって頼んだわけじゃないけど、死にたくないとは思ってたでしょ?それをマミがどんな形であれ叶えたんだから、怖がらないで欲しいな」
 
 少女は死体のそばに落ちていたチャンソーを拾った。

「それに、アナタとマミが同罪って考え方も出来るんだからね」

 少女の真ん丸な瞳と、伊原の垂れ目な瞳が見詰め合った。

「アナタが襲われてなかったら、マミはコイツを殺してなかった」

 少女はニッコリと笑って、チェンソーを伊原に無理やり持たせた。

「と、いうわけで、マミの名前は堺真美子。気軽にマミって呼んでね。アナタの命はマミが助けたんだから、マミの物。一緒に行動してよね」

 マミは親指を立て、ウィンクをした。

「……え?」

 状況についていけず、伊原は素っ頓狂な声を上げた。

「ほら、君の名前!マミが教えたんだから、君も教えてよ!」
「え、あ、伊原……清彦」
「よろしく伊原!」

 冗談じゃないと伊原が言う前に、マミは伊原の腕を引いて、走り出した。

「それじゃあ、狩りに行こうか!」
「ええぇぇぇええ……」

 マミの力は強く、伊原は抵抗することができなかった。

Re: 最後の審判 キャラクター募集中! ( No.4 )
日時: 2011/06/07 20:48
名前: ショウタロー  ◆mOYvzARW6k (ID: d.8YONjT)

 森の中、伊原とマミは川辺に座り込み、体を休めていた。
 マミは図太い少女だった。この状況で怖がる素振りを見せず、笑顔でずっと喋り続けている。そして強い。伊原はマミが仕留めてみせたイノシシを見つめた。

「えへへ、鍛えておいてよかったー。今日、始めて役に立った感じだよ」

 ナイフでイノシシの下処理をしながら、マミは呟いた。ナイフはついさっき、オオカミマスクの女を殺して奪い取った物だった。
 焚き火の傍で、川の水で洗ったズボンとトランクスを乾かしながら、下半身裸の伊原は、非難の目でマミを見つめた。この殺人鬼。そう心の中で呟いた。相手が悪だからといって、躊躇なく殺していいものなのだろうか。躊躇なく殺せる……一度は伊原はそう思っていたが、それは相手に何かしらの恨みが合った場合だった。マミの場合、恨みも何もない相手を、だ。
 
「伊原ー、食べないのー?」

 マミが野草を伊原に差し出す。

「い、要りません!」

 今、何かを食べたらきっと吐き出してしまう。伊原は口元を押さえた。ついさっき、マミがオオカミマスクの女を殺した時、伊原は一回ゲロを吐いていた。それからずっと体調が悪く、お腹がスプーンでかき回されたかのように痛かった。

「ノビル美味しいのにー」
「あの、マミさんは……そういう……罪悪感とかないんですか?」

 恐る恐る伊原が聞くと、マミはパッと花が咲いたかのように満面の笑みになり「ないよ」と答えた。即答だった。

「マミは悪者達を倒す正義だから」

 不純物の一切ない、屈託のないマミの笑顔に、伊原はつられて笑ってしまった。もっとも、無理矢理口元が吊り上がっただけの強張った笑顔だったが。

「ねえ伊原、」
「な、なんですか?」
「木の枝無くなっちゃったから、集めてきてよ」

 島はまさに暗闇。とくに森の中は月の光すら遮られ、辺りは黒いペンキをぶちまけたかのように暗い。街灯も建物もないから当たり前なのだけれど、灯りのお陰で夜でも明るいのが普通な環境で育った人間には不便極まりない。光が無ければ周りや手元が見えない、暖もとれない。ましてや自分を殺そうとしている奴等が居る島。そして何よりも、伊原は暗い場所が怖かった。
 暗いのだけは嫌だ。伊原は生乾きのトランクスとズボンを穿くと立ち上がり、チェンソーを片手に、携帯電話の光を頼りにほぼ手探りで木の枝を集め始めた。携帯電話は圏外だった。
 突然。足音が聞こえた。誰かが走っている。
 伊原は木の枝を拾う手を止め、チャンソーを構えた。奴等か?ドッと体中に冷や汗が湧いた。気配を殺し。どんどん近づいてくる足音に耳をすました。心臓の鼓動が激しくなるのを感じた。呼吸が荒くなる。

「いやあぁー!!」

 女の叫び声だった。伊原は思わず叫び声の方へ駆け出した。
 案の定、伊原と同じ年位の少女が居た。少女は地面に押さえつけられ、キツネマスクの女に首を絞められ、苦しそうに、必死にもがいていた。

「や、やめろォーっ!!」

 伊原はキツネマスクの女に向かって怒鳴った。頭で考えるよりも先に、体が行動をしていた。チェンソーのエンジンを点け、甲高いエンジン音が鳴ると、キツネマスクの女は怯んだ様子で、少女から手を離し、あっさりと逃げ出した。

「ちょっと、うわ、ああ!」

 チェンソーの反動で伊原はよろけた。急いでチェンソーの電源を切り、少女を見た。少女は苦しそうに咳き込んでいた。

「あの、大丈夫……?」

 少女の顔はよく見えなかったが、顔を真っ赤にして涙ぐんでいるのが分かった。

「ありがとう、ございます……」

 弱々しい声で、少女は言った。

「えっと、その、」

 伊原は何を言ったら良いか分からず、どもり始めた。少ししてから、遠慮がちに言った。

「ここじゃ真っ暗だから……よかったら火のある場所へ来る?そこに僕と一緒に行動してる人が居るんだ」

Re: 最後の審判 キャラクター募集中! ( No.5 )
日時: 2011/06/11 10:59
名前: ショウタロー  ◆mOYvzARW6k (ID: d.8YONjT)

 少女は少し間を置いてから、遠慮がちにゆっくりと頷いた。
 伊原が少女を連れてマミの元へ戻ると、マミは自分で集めた木の枝をくべながら、頬を膨らませてむくれていた。

「伊原おっそいよ!木の枝は?」
「それどころじゃなかったんだよ……」

 伊原は事のあらましをマミに話した。話を聞き終えるとマミは、納得した顔で少女を見た。

「災難だったのね、アナタ、名前はなんていうの?」

 にっこりと笑いながらマミが聞くと、少女は一瞬困ったような顔をした。暗くて今まで気付かなかったが、少女は綺麗な顔立ちをしていて、肌は雪のように白く、髪は長く黒髪で、体のどの部分も手入れが行き届いていた。育ちの良さが覗える少女だ。

「……天草美……鶴です」
「よろしく美鶴ちゃん、マミは堺真美子って言うんだ。マミって呼んでね」

 美鶴はマミのやはり屈託のない笑顔に戸惑いの表情を浮かべた。

「伊原やるじゃん」

 マミが伊原を小突く。

「いやぁー……僕自身もまさかああ上手く行くとは思ってなくて……」

 褒められて伊原が少し誇らしげな顔になる。

「で?」

 花が咲いたかのような笑顔のままマミは、一文字。

「え?」

 つられて伊原も一文字。

「マミの疑問なんだけど、なんで連れて来たの?」

 マミの言葉で、美鶴が居心地が悪そうな顔になって俯き、逃げ出したそうにそわそわし始めた。うっすらと目に涙が浮かんでいた。

「もしかして、都合よくマミがあの子をパーティーにでも加えると思ってるの?そんなRPGじゃないんだからね」
「ちょっとマミ……」
「マミはまだ最強ではないから、伊原一人を守るのに精一杯だもん」

 勝手なことを言いやがって……。伊原は奥歯を噛み締めた。別にこちらが護ってくれと頼んでいるわけではなく、勝手にマミがやっているというのに、何故、あたかもマミが頼まれたかのような言い方をするのか。マミは確かに強い、それに人を殺す事に抵抗がない。しかもなぜか伊原を護ってくれる都合の良い存在。多分このままマミと行動を共にすれば、伊原が死ぬ事はないだろう。しかし、マミの言い方だけでこんなに苛立たなければいけないのなら、護ってもらわなくても良い。
 もう、うんざりだ。そう言おうとしたとき、伊原は背後から、首に何かを当てられた。バチンッと甲高い音がして、青白い閃光が走った。そのまま伊原は倒れた。威力はそこまで強くないのか気絶はしておらず、ただ体が痺れて動かせない様子だった。伊原の後ろにはスタンガンを持った、先ほどのキツネマスクの女。キツネマスクの女の後ろには、同じくキツネマスクを被った男一人。

Re: 最後の審判 キャラクター募集中! ( No.6 )
日時: 2011/06/11 19:05
名前: ショウタロー  ◆mOYvzARW6k (ID: d.8YONjT)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode

「……っ!?」

 美鶴は声にならない叫びを上げ、まさに絶望の淵といった表情になり、一歩後退ろうとして、滑稽に転んだ。体が震えて、瞳孔を真ん丸に開かせていた。
 マミはいたって冷静に、落ち着いた表情でキツネマスクの二人を見やった。
 キツネマスクの女は手にスタンガンを持ち、男の方は野球バッドを持っていた。それ以外に何か隠し持っている様子はなかった。

「美鶴ちゃん、邪魔だからそこから一歩も動かないで」

 言われなくても美鶴は、恐怖で足がすくみ、その場から一歩も動く事ができなかった。

「こんな奴等、マミが……」

 片手で終わらせる。と、言いかけたマミを、キツネマスクの二人は邪険そうに押し退け、美鶴を捕まえようとする。美鶴にしか興味がない様子だった。

「ひっ……」

 美鶴が後退る。
 マミは押し退けられたのが気に入らず、据わった目でキツネマスクの二人を背後から睨みつけ、走り出した。

「死んじゃえよっ!!」

 キツネマスクの男の後頭部を、マミは下から突き上げるようにして力いっぱいに殴った。アッパーカットだ。殆どの場合、このアッパーカットは相手の顎を狙う事が多い。顎にこのパンチを受けると、脳震盪が起こり、体が動かなくなり倒れてしまう。それを後頭部にやられたら、尚更大変な事になるだろう。
 案の定、キツネマスクの男は地面に倒れた。
 キツネマスクの女は状況がすぐに理解できず、呆然と立ち尽くしていた。マスクで表情は分からないが、驚いているのは確かだった。
 マミは、素早い動作で地面に落ちた野球バッドを拾うと、キツネマスクの女ににじり寄った。
 キツネマスクの女はスタンガンをマミに向けて、見せ付けるように電流を流した。バチバチと恐怖心を煽るような音が辺りに響き渡るが、マミが怯む様子はなかった。
 一瞬の、時間が止まったかのような沈黙が流れる。
 倒れている伊原は、その様子を見つめていた。少しだけだが体が動くようになっていた。伊原は近くに落ちていた小石を握り、必死の力を振り絞って、キツネマスクの女にぶつけた。
 小石はキツネマスクの女の足首にちょんっと当たっただけの、非常に情けない物だったが、隙を作るのには十分な物だった。
 一瞬、キツネマスクの女は足首の痒さで、気を散らされた。
 その隙をマミが見逃すはずもなく、マミはキツネマスクの女の脳天を、野球バッドで叩き潰した。マスクに覆われた頭は豆腐のようにひしゃげ、これまた豆腐のような脳味噌がマスクの下からこぼれでる。辺りに飛び散る血、脳漿、脳味噌。

「ああぁぁああぁぁああぁあぁああああああぁぁぁぁぁああああっ!!」

 叫び声を上げたのは美鶴だった。
 マミは野球バッドを捨て、溜息を吐いた。
 そして次の瞬間には、パッと満開の花のように笑っていた。

Re: 最後の審判 キャラクター募集中! ( No.7 )
日時: 2011/06/11 20:50
名前: 緑月華 ◆em16.cyoPM (ID: aza868x/)


あ,ショウタローさんの作品だ^^
こんにちは・・・こんばんは?

キャラ設定やりたかった;


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