複雑・ファジー小説

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将軍様直属★半天半魔殿【完結】
日時: 2011/08/01 10:23
名前: 王翔 (ID: LJMHYFdO)

はい、王翔です。
この話が浮かんだので、東星桜を一旦ロックしてこちらを書きます。
小学生の頃に描いた漫画が原作(?)です。
和風ファンタジー(?)だと思います。



キャラ紹介

杯座 菊一(はいざ きくいち)

人間と天使と悪魔、三種族の血を引く青年。
寝る、気まぐれ、強いの三つの単語で構成される。
なぜか将軍に頼りにされている。


展角 里同(てんかく りどう)

聖武と呼ばれる侍。将軍に忠誠を誓い、立派な
志を持った相当男勝りな女の子。
忠誠心が強く、将軍のことで文句は絶対言わない。


花崎 秋鈴(はなさき あきすず)

菊一に仕える猫人族の少女。
いろいろオーバーな子。


天蔵 里宇(てんくら りう)

将軍の娘で、優しくおしとやかな少女。
あることがきっかけで菊一を慕うようになる。


舞地 佐々影(まいち さざかげ)

聖武をまとめる聖武大将。
お気楽な性格だが、腕は確か。


舞地 参 (まいち さん)

佐々影の妹で聖武の一員。
ツンデレ。悩みは、フルネームで呼ばれると
名前が敬称に聞こえること。


天蔵 太
通称、電波将軍。テンションが高い。

聖武 

将軍に仕え、悪しきものを倒す侍。




第一幕 序章 >>1 第一話 >>2 第二話 >>3 第三話 >>4 第四話 >>5
第二幕 序章 >>6 第一話 >>7 第二話 >>8 第三話 >>9 第四話 >>10 
第三幕 序章 >>11 第一話 >>12 第二話 >>13 第三話 >>14 第四話 >>15
第四幕 序章>>16

Re: 将軍様直属★半天半魔殿【東星桜は一旦ロック中です】 ( No.7 )
日時: 2011/07/15 20:04
名前: 王翔 (ID: 3I1qtzhC)

二幕 第一話


「……平和やなー」
菊一は、相変わらず部屋でゴロゴロしながら菓子を食べながら、そう呟いた。
上体を起こし、立ち上がると襖を開けた。
襖を開けると、外が見える。
部屋の中に太陽の光が差し込んだ。
菊一は、眩しくて一旦目を閉じる。
「ふう……ワシに太陽の光はちょっとばかし、辛いわー……」
再び、目を開けた時だった。
「菊一!」
「んー?」
突然、名前を呼ばれた。
菊一は、声が聞こえた方向を確認した。
視線の先に立っていたのは、里同だった。
腕には、包帯が巻かれていてその白い包帯には赤い血が滲んでいた。
「おー、どないした?そないな痛々しい格好やして」
「宇宙人とやらに、やられた」
「ふーん、そうなんや?じゃ、ワシはもう寝るわな」
菊一はにっこり微笑み、里同に背を向けた。
ドゴ
里同の回し蹴りが、菊一の背中に命中した。
菊一は、思わずバランスを崩した。
「何すんねんで!ホンマ、凶暴やな」
「仕事だバカ」
「はー……断るわ。ワシ、眠いねんで?」
やる気のなさそうな表情でそう答えたが、里同は言い放つ。
「将軍の命令だ」
「はー……まったく、しゃあないなぁ」
菊一は、心底不満そうにため息をついた。
この国でもっとも偉いのは、どんなに納得がいかなくてもあの電波将軍に違いはないのだ。
それに、逆らうことなどできない。
逆らえば、反逆罪に問われる。
「ホンマ、嫌やわー」
「文句を言うな」
里同は、菊一を睨み付ける。
ホンマ、大した忠誠心やわ。あんな電波将軍に忠誠を誓うなんて、コイツの頭の中、一回見てみたいわー……
そう思った。本気で。



将軍の部屋に行くと、偉そうに座布団に座っている電波将軍がいた。
「来たか、菊一!」
「はいはい、来ましたでー」
「では、宇宙人退治をしてもらいたい!!」
電波将軍は、真剣な表情で告げる。
「次は、食いしん坊宇宙人だ!人を丸々食べてしまうんだ!このままだと、大きな被害が出るかもしれん!」
「分かったで。倒せばええんやろ?」
「甘く見るなよ!あの里同を負傷させたほどの相手だ!なめてかかると取り返しのつかないことになる」
「ああ、わかっとる」

Re: 将軍様直属★半天半魔殿【なぜか宇宙人出るよ!】 ( No.8 )
日時: 2011/07/15 21:46
名前: 王翔 (ID: 3I1qtzhC)

二幕 第二話


「ホンマ、面倒やのー。あの電波将軍、滅びんかいな」
「黙れ、菊一。将軍のことをそのように言うのは許さない」
「はいはい、わかっとる」
菊一は、やれやれといった感じで返事をした。
「ふん……」
里同は菊一から顔を背けると、さっさと歩き出した。
現在は、人通りの多い城下町を歩いている。
空からは、明るい太陽の光が降り注いでいる。
今は夏に入ったばかりと言うことで、外を出歩くのは暑い季節だ。
菊一は、ふと足を止めた。
菊一が足を止めたのは、和菓子屋の前だった。
和菓子屋は、普通の民家より少し大きいぐらいで看板が入り口に立てかけられており、甘い匂いが漂ってきた。
「どうした?」
里同も足を止め、怪訝そうに問う。
「なあ、菓子でも食っていかへん?」
「今は仕事中だと……」
「そやけど、ちょっと休憩するぐらいは、べつにええやろ?」
笑顔でそう言った。
「……」
里同は、むすっとして、
「勝手にしろバカ」
「ほんなら、食べるとするかいなー」
「……」



「なあ、食いしん坊宇宙人ってどんなんなん?」
菊一は、和菓子を一定のスピードで口に運びながら里同に問うた。
「ああ……あれは、真っ白で人の形をしていてな……それで、口が異常に大きく、刀さえも食べてしまう」
「そりゃあ、恐ろしいなー」
「ああ……」
「お茶です」
その時、和菓子屋のおばさんがお茶を運んできた。
「なあ、旦那さんはどしたん?今日は見かけんけど?」
すると、彼女は悲しそうな表情になる。
「主人は、山登りに行っていて…宇宙人に食べられてしまったんです」
「ほー……」
「す、すまない!!」
突然、里同がおばさんに頭を下げる。
「私が…もっと、早く駆けつけていれば、何とかなったかもしれないんだ……私が…」
「いいんです。聖武さんでも、全ての人を救うことはできません。それに…主人は、私の心の中でずっと、生きていますから」
おばさんは、微笑んだ。
「しかし……」
「あー…ワシが仇討ったるわ。ここの和菓子は、よう食わせてもらっとるけんの」
菊一は、そう告げた。
あくまで、真剣に。

Re: 将軍様直属★半天半魔殿【なぜか宇宙人出るよ!】 ( No.9 )
日時: 2011/07/16 12:40
名前: 王翔 (ID: UfUkp6Ds)

二幕 第三話


「あー…ワシが仇討ったるわ。ここの和菓子は、よう食わせてもらっとるけんの」
「あ、ありがとうございます……」
おばさんは、菊一の言葉で泣き崩れた。
「……」
「じゃあ、行きますかいな」
「ああ」
菊一と里同は、和菓子屋を出た。
一定のスピードで城下町を歩きながら、里同は言った。
「……貴様は、一体、どう言う奴なんだ?イマイチ良く分からんで」
「んー…ワシはすっごいええ人やで?」
菊一は、にこっと笑う。
「…どうだか」
里同は不思議そうに再び質問する。
「お前は、何者なんだ?なぜ、あれほど将軍に信頼されて……」
「なになに?ワシが将軍に信頼されてんのが羨ましいん?」
にやにやしながら聞いてみた。
「違う!そうじゃない…単に、気になっただけで……」
「ワシはなぁ、半天半魔っちゅう人間と天使と悪魔……三種類の血を引く種族なんやで。前は、半天半魔もぎょうさんおったんやけど……何の仕業かは知らんけど、村が襲われてなぁ。今はもう、数えるほどしかおらんよ」
「すまない……そんなことがあったとは…」
「べつにええよ?それは、ワシが赤ん坊の頃やし、なーんも覚えとらんけんの」
菊一は、そう言って苦笑いをした。
そして、心配そうな表情をしている里同の肩を叩いた。
「ま、この話はまた今度にして、今は宇宙人退治やで」
「あ、ああ……」
二人は、山道を登り始めた。
山道には、木々や草、花が生い茂り、太陽の光を妨げていた。
「うわああああああああああ!!!」
「!」
悲鳴が聞こえ、菊一と里同は走った。


駆けつけた先には、食いしん坊宇宙人とその前で腰を抜かしている子供の姿があった。
菊一が、杖で食いしん坊宇宙人を抑える。
その隙に、里同は子供の元に駆け寄り、立ち上がらせた。
「今すぐ山を降りて、城下町に戻れ」
「は、はい……」
子供は、涙目のまま返事をするとすぐに去った。
「さて、やりますかいな」
菊一は、一旦食いしん坊宇宙人から距離を置いた。

Re: 将軍様直属★半天半魔殿【なぜか宇宙人出るよ!】 ( No.10 )
日時: 2011/07/16 18:54
名前: 王翔 (ID: JnkKI7QF)

二幕 第四話

「さて、やりますかいな」
菊一が杖を天にかざすと、杖は白い光と黒い光を纏う。
聖の力と魔の力─────
「グアア……」
食いしん坊宇宙人は、バキバキと木々を倒しながらこちらに向かってくる。
菊一が攻撃を受け止めようと杖を横にして構える。
ガッ!!
食いしん坊宇宙人は大きな口を開け、鋭い歯で杖に噛み付いた。
しかし、杖は折れることもなかった。
「な……」
里同も驚いていた。
食いしん坊宇宙人は、刀すらも食べてしまうようなとんでもない生き物なのに、なぜ菊一の杖を食べることはできないのか……
菊一は、食いしん坊宇宙人を振り払う。
「ほいさっ」
「私も…」
里同も鞘から、刀を抜く。
刀を食べると言っても、要は口の近くに持っていかなければいいのだ。
「はっ」
里同が刀を振るう。
刀は、すっぱりと食いしん坊宇宙人の右腕を斬り捨てた。
「ガアア!!」
食いしん坊宇宙人は、大きな咆哮を上げ、残った左腕を里同に振り下ろす。
里同は、腕でそれを受け止める。
「……っ!」
ちょうど怪我をしていた方で受けてしまい、痛みが走る。
「阿呆!はよ下がれ!!」
「くっ……」
食いしん坊宇宙人が大きな口を開ける。
間一髪、菊一が里同の身体を引っ張り、食べられるのを回避する。
「……礼を言う」
「うんうん、感謝せいよ。さて……」
菊一は、口を開けて向かって来る食いしん坊宇宙人に対して、杖から、白い光を放ち、木を倒して盾にした。
食いしん坊宇宙人は、勢いを止められず、木にかじりついてしまう。
その隙を見逃さず菊一は、その木の上に飛び乗ると杖を食いしん坊宇宙人に向かって振り下ろす。
「終わりや」
ドオオオオオオオオオオン!!
真っ黒な雷が食いしん坊宇宙人に落ち、食いしん坊宇宙人は跡形もなく、消滅した。
菊一は、木から降りて、杖をしまう。
「終わったなー」
「ああ……」




太天城に戻った菊一は、里同と電波将軍に報告を終え、廊下を歩いていた。
「何と言うか……どうも、貴様の正体が分からないんだが」
複雑そうな表情の里同に対し、菊一はにっこり笑って、
「なになに?ワシのこと知りたいん?なら、もっと女の子らしく可愛くなってきいや」
「ちょっと後で心臓貸せ」
「心臓かいな!?そこは顔やない?」
「あ、あの!」
呼び止められ、振り向くと綺麗な肩ぐらいまでの長さの黒髪の少女が立っていた。
彼女は、あの電波将軍の娘だったりする。
「里宇やないか?」
「は、はい。覚えてくださったのですね、菊一様」
里宇は、まるで天使に微笑む。
「今回も活躍なさったそうで……本当に尊敬します。私も、菊一様のようになれたらと思います」
「いや…ならん方がええよ」
「だな」

Re: 将軍様直属★半天半魔殿【なぜか宇宙人出るよ!】 ( No.11 )
日時: 2011/07/17 10:21
名前: 王翔 (ID: 72/NuTit)

第三幕 序章


一人の女性が、仕事帰りなのか暗い夜道を歩いていた。
月がうっすら地上を照らすなか、畑に囲まれた道を歩いていた。
空を見上げた、その時だった。
大量の鳥が、はるか遠くを目指して空に長い列を作り、飛んでいってしまう。
女性は、違和感を感じた。
鳥が逃げるのは、良くないことが起こる、前触れだと聞いたことがあるからだ。
女性は、気味が悪いと思い、早足に歩き始めた。
カラカラカラ……
前方から、白く発光する人型の何かが百本はあろうかと思われるほどの
剣を引きずりながら歩いて来る。
「!!」
女性はなぜか、そこから動くことができなかった。
それは、女性の目の前でぴたりと止まり、


女性を百本もの剣で無惨に斬り刻んだ。






「……なんやろーな。何か、嫌な予感がするわー」
菊一は、夜空を見上げながら呟いた。


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