複雑・ファジー小説
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- 記憶を失くした戦士
- 日時: 2011/08/03 13:58
- 名前: 明亜未 (ID: 83NN6gU4)
題名そのまんまです。
よくよく考えたら複雑・ファジー?と思ったので、こちらでやりたいと思います。
アドバイス求む、です。
設定
ミラ
主人公。
昴
未羅の相方。
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- 記憶を失くした戦士pro. ( No.1 )
- 日時: 2011/07/27 20:37
- 名前: 明亜未 (ID: 83NN6gU4)
「ダメ、未羅!」
その声が聞こえていても、未羅は相手の条件をのまざるを得なかった。
「……ルーク、この悪魔は後で倒すチャンスがある。でも、あなたは一度いなくなったら戻ってこられない。」
本当は未羅もこんな悪魔なんかの条件など、受け入れたくない。でも、ルークは人質、未羅も深手を負っていれば、抵抗などできるはずもなかった。
「ルークを放してくれるならいい。先にルークを返して」
条件をのみつつも、ルークの命を最優先した提案をする。
しかし、狡猾な悪魔は未羅の考えを待っていたかのように口元を緩めた。
「ほんっとに、お前ら人間の生ぬるい絆とやらはおめでたいなァ。逃げてさえいればてめえだけでも助かったのによォ」
そういって、悪魔が生み出した衝撃波は隙を衝いて逃げ出したルークと未羅に襲い掛かった。
こんなもの、見たことないし、止められるはずもない。
『死』を覚悟した未羅の前に立ち塞がったのはルークだ。
そのまま衝撃波はルーク一点に集まり、高温の波によってたちまちルークは骨になった。
余波を受けて気を失った未羅に、悪魔はささやいた。
「俺は生きて返すとはいってなかったんだぜ。おっと、これはいただいてくぜ」
そういって未羅の首からペンダントをはずした。
狡猾な悪魔は立ち去り、戦場となった砂漠にはルークの骨と意識のない未羅だけが取り残された。
今は誰もこのことが世界の命運を握るとは知る由がなかった。
- 第1章:ジア国・アイズ村 第1話:満身創痍の少女 ( No.2 )
- 日時: 2011/07/28 14:51
- 名前: 明亜未 (ID: 83NN6gU4)
ここは夢界。一言で言えば、夢の中の世界。
この世界にも、人間たちの普段の世界である外界と同じように、いくつもの国に分かれている。
しかし、外界と違い、それぞれの国が対立しあっていたりすることはない。協力せざるを得ないからだ。
その数多くの国の一つ、ジア国・アイズ村の診療所に全身に火傷を負った少女が担ぎこまれた。
「この子をたすけてくれ!」
すぐに治療が始められた。
ただ、ここでできることは少ない。ここで言う治療は外界のように不調の原因を直接取り除くのではなく、取り除こうとする力を助けたり、引き出したりすることだからだ。
治療にあたった村一番の医者も、「後はこの子のチカラを信じるしかない」といって、包帯を替えたりするぐらいしかできなかった。
こんなことを毎日繰り返しているうちに、1年程が過ぎ、冬だった季節はまた冬を越すための準備で忙しい季節になった。
その夜……診療所となっている塔から歌声が聞こえてきた。この美しい月夜に似合わぬハスキーボイス。
最上階の窓に座り、悲しげな表情で歌うのは、あの、傷だらけの少女だった。
昴はしばらくその歌に聞きいっていた。
かすれ声だけど、それを思わせぬ旋律と、有無を言わせぬ憂愁が歌われていたから。
昴は驚いた。
不意に歌が止まり、塔の上の少女を見ると、意識を失い、落下していくところだった。まだ体力が回復していなかったのだろう。
昴は走り出した。少女を救うために。
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