複雑・ファジー小説
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- モンスターの国のアリス〜Ⅲ章突入〜
- 日時: 2011/09/03 20:34
- 名前: 七瀬 ◆50da5jMTv2 (ID: ADlKld9P)
- 参照: http://www.kakiko.cc/bbs2/index.cgi?mode=view&no=5654
↑で表紙絵、挿絵、キャラ絵を募集中です。
—PROLOGUE—
あなたには、
”許せないもの”ってありますか?
また、それを——。
”許す” ことができますか?
私は——。
—STORY—
主人公リズは本が大好きな女の子。
しかしリズにはどうしても納得できない結末の本があった。
その結末とは登場人物の”誰か”が”誰か”に殺されてしまうのだ。
「私がこの本の世界に行けたら……」
そんなリズが迷い込んだ本の中の物語。
—CHARACTERー
・リズ
【主人公。本が大好きな16歳の女の子。両親がいなく、孤児院で本ばかり読んで生活してきた。明るい性格だが傷つきやすい。実はオカルトマニアだったりする。容姿は紫のカールがかったツーサイドアップで赤茶色のエプロンドレスを着ている。瞳の色は緑色。】
・ミイラ男
【リズが読んだ物語の登場人物。昼寝が好きな青年。人間不信。クールな性格であまり口を開かないが、実はシャイなだけ。包帯で敵を縛ったりする。容姿は銀髪碧眼で、身体のところどころに包帯が巻かれている(身体の骨を隠すため)。片目が包帯で隠れている。黒いズボンをはいている。】
・吸血鬼
【リズが読んだ物語の登場人物。血を好むヴァンパイア。美青年で性格は紳士的だが女好き。容姿は夜はどこかの伯爵を思わせる服装。昼は日よけのため黒いフードを着ている。髪は金髪のロングで後ろで結っている。瞳の色は赤。】
・狼男
【リズが読んだ物語の登場人物。いつもは犬のような姿、戦闘時は狼、満月の夜にだけ人間の青年になれる。やんちゃな性格。この世のものはなんでも食べれると思っていて、すぐに口に入れる。人間時の容姿は茶髪で狼の耳と尻尾が生えていて、民族衣装のような服を着ている。瞳の色は金。】
・フランケンシュタイン
【リズが読んだ物語の登場人物。人造人間の少年。正確にはフランケンシュタインは彼の名前ではない。他のモンスターに虐められてきたので気が弱いが、優しい。いつも友達を欲しがっている。背が小さく華奢だが怪力。容姿は、ダーク・シー・グリーンの髪で身体や顔に縫い目がある。瞳の色は灰。】
・透明人間
【なぜか自分たちの世界は物語だと知っている、青年。姿が見えない。物語の世界についてリズに教える。丁寧な口調で話すが腹黒い。彼が心を開いた人間にだけ姿がうっすらと見えるらしい。】
・主人公
【リズが読んだ物語の主人公。魔女。】
—CONTENTSー
第Ⅰ章 不思議な世界へ
>>1-11 >>14-18 >>21-24 >>26-31
第Ⅱ章 本当の始まり
>>34-40 >>42 >>44-55 >>57-60 >>63-67
第Ⅲ章 過去の扉
>>68
登場人物パートⅡ
>>69
ーーーーーー—ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆文章力がなく、亀更新になりますがよろしくお願いします!
- Re: モンスターの国のアリス ( No.14 )
- 日時: 2011/09/05 22:18
- 名前: 七瀬 ◆50da5jMTv2 (ID: ADlKld9P)
あっという間にもう夜だ。
「……」
「……」
どんどん森を進んでいるのだけど、なんというか今、すごく気まずい……。
「夜の森って暗いねっ」
「……ああ」
とまあこんな感じだから。
透明人間〜! こんな奴と2人きりにしないでよ〜。
カァーカァー
「きゃあ!!!」
「落ち着け、ただのカラスだ」
び、びっくりしたぁ……。
「お化けかと思った」
「……」
お化けと一緒にいるんだった。
「霧が出てきたな……今日はここで寝るか」
こんな森の中で!?
「嫌だー! こんなところで野宿とか絶対嫌!」
「ん? おかしいな……」
「おかしくない!」
「いや、そうじゃなくてあれ……」
ミイラ男が指差した方向を見ると、大きな洋館があった。洋館って言うよりお城?
「ラッキーだわ! あの屋敷に泊めてもらいましょうよ!」
「お前馬鹿か? よく考えてみろ。こんなところに屋敷があるのはおかしくないか?」
たしかにおかしいけど。
「吸血鬼か何かいるかもしれないぞ」
吸血鬼!
「それならなおさら行くわ」
「……本気か?」
「もちろん本気よ。ちゃんと防犯グッズも持ってるし」
私のポケットの中には十字架、木の杭、聖水が入っている。対策はできている。ニンニクは臭くなるからやめておいたけど。
「聖水はオレも苦手だ……」
聖水はミイラ男にも効くことを私は知っていた。これで私はどんなモンスターにも襲われない……はず。
「じゃあ行きましょうか」
- Re: モンスターの国のアリス ( No.15 )
- 日時: 2011/09/05 22:21
- 名前: 七瀬 ◆50da5jMTv2 (ID: ADlKld9P)
「ごめんくださーい。泊めて欲しいんですけどー」
建物の中もお城みたいだ。
メイドさんが階段から降りてきた。
「お呼びでしょうか、お客様」
「一晩泊めて欲しいんです」
メイドさんはもう一度私を見て言った。
「もちろん大歓迎ですよ。お疲れでしょう」
「ありがとうございます!」
「あら、お客様。肩に糸くずが……」
メイドさんが私に近づく。今だ。
「見てください、この十字架のペンダント。すごく綺麗でしょう?」
「きゃあぁッ!!! 十字架!!!」
このメイドさんは吸血鬼だ。今も私の血を吸おうとした。間違いない。ここが吸血鬼屋敷だ。
私は十字架をポケットに入れる。
「ここの主さんとお話がしたいので案内してくれませんか?」
「はっ、はいぃ〜」
メイドさんはすっかり私を恐れてしまっている。
……悪いことしちゃったかな。
「お前怖いな……」
ミイラ男にまで言われてしまった。
「仕方ないじゃない。正当防衛よ」
メイドさんがノックをする。
「旦那様。お客様がいらしております」
- Re: モンスターの国のアリス ( No.16 )
- 日時: 2011/09/05 22:22
- 名前: 七瀬 ◆50da5jMTv2 (ID: ADlKld9P)
誰もいない?
「やあ、こんばんは。こんな遅くにどうしたんだい?」
「!? きゃぁぁあああぁぁ!」
男は天井に逆さになって浮いていた。しゅっと男は床に立った。
「あはは。驚かせてしまったね。」
美しい青年だった。後ろに結ってある長い金の髪。
どこかの伯爵……または王子のような服装だ。妖しげな赤い瞳に思わずうっとりしてしまった。
「あなたも吸血鬼なの?」
「そう。僕は吸血鬼。君は人間だね。なぜ人間の君がここにいるんだい?」
「それは……」
わけを説明した。
「ふうん。願いを叶える、お宝か。……もう夜も遅い。明日の朝答えを出すよ」
- Re: モンスターの国のアリス ( No.17 )
- 日時: 2011/09/05 22:23
- 名前: 七瀬 ◆50da5jMTv2 (ID: ADlKld9P)
—朝—
もう朝か……。
「遅かったな。この世界で夜に睡眠をとるのは人間くらいだ」
ミイラ男が無愛想に言った。
「じゃあ、あなたたちモンスターは夜に寝ないの?」
「オレたちモンスターは夜に動くんだ。だから朝は苦手だ……ふぁあ」
「お客様、朝食の準備が出来ています」
メイドさんが私たちを呼ぶ。
「わぁあ〜!」
美味しそうな料理が並んでいる。そういえばこの世界に来てから何も食べていなかった。
「いただきまーす」
料理を口に運ぶ。すごく美味しい。
「もぐもぐ……。ミイラ男は食べないの?」
「いや、オレは……」
「あー。骨だったね」
いまさらだけど気づいた。肝心の吸血鬼がいない。
「メイドさん、吸血鬼は?」
「もうすぐ来ると思うのですが……」
「おはよう」
吸血鬼が眠そうに階段を降りてきた。吸血鬼って朝に弱そうだもんな。
- Re: モンスターの国のアリス ( No.18 )
- 日時: 2011/09/05 22:25
- 名前: 七瀬 ◆50da5jMTv2 (ID: ADlKld9P)
「血をくれ……」
そう言って吸血鬼は眠そうな顔をして襲いかかってきた。血をあげるとかそれだけは無理!
「えっ…えっとぉ、ミイラ男の血を吸えばいいんじゃないかなぁ」
視線をミイラ男に移す。ミイラ男は首を必死に振っている。
「メイドさん助けてー!」
同じ吸血鬼だが一度脅しているメイドさんに助けを求める。
「だ、旦那様! 血ならここに、昨日仕入れた人魚の血がありますよ!」
とりあえず人魚の血を飲むことで一件落着。
「さっきはとり乱してしまってすまなかった」
吸血鬼が私に謝る。
「いや、そんな謝らなくても。吸血鬼なら普通だよ!」
「そして昨日の件について色々考えたんだけど、僕もついて行っていいかい?」
「もちろん!」
「ありがとう、お姫様」
そう行って吸血鬼は私の手の甲にキスをした。
「!?」
……なんて恥ずかしいことを。
まあとりあえず仲間が増えたからいっか。
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