複雑・ファジー小説
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- 悪魔な私と天使な君
- 日時: 2012/10/09 09:59
- 名前: 燐 蜷 白亜 (ID: ccgWKEA2)
ー第1話ー 痢唖螺ver
「何してるのよ?」
少しクールに見せかけた口調。
これが私 悪魔の痢唖螺(りあら)で、
「だって痢唖螺が買い物しまくるから…」
こっちが天使の絽羽真(ろうま)で、絽羽真は私の荷物持ちとして働き中。
理由は、学校のテストで私がまた絽羽真に勝ってしまったから。
休日に買い物に来た私たち。
かつての天使界と悪魔界は争っていたけど、今は同盟国の協力国なのよね。 まあ、そのおかげで絽羽真と出会えたんだけど…。
絽羽真と初めて会ったのは、入学式。
初めての道で、悪魔な癖に方向音痴な私は迷ってしまった。
通勤ラッシュもあったみたいで、人混みに紛れて動けなかった私を助けてくれた。
制服が悪魔と天使で異なるけど、学校の校章が入った名札は一緒だった
最初は背も高いし、先輩かと思った。
だけど、クラスに入って隣が絽羽真だった。
色々な授業で隣だから、パートナーを組むことが多かった。
そして、私の家は学校から遠いので…1人暮らしをするため引っ越した。
ご近所さんに挨拶に行こうと思って、挨拶しに行った隣の家は…
絽羽真の家だった。
両国は、同盟国として認められているけど…
悪魔と天使の恋愛なんて誰も認めてはくれないわよね?
それに…絽羽真に、負担を負わせなくなかった。
だから、ずっとこの想いを封印してきた。
そんな中、ある試験が行われることになった。
『人間界への実習』
これを合格したら、卒業できる。
最後の試練なのだ。
だけど———……卒業すれば、絽羽真とはあえなくなる可能性が高い。
そうだった、私は悪魔…。
ドウシテ、アクマトシテウマレテキタノ————————?
私は叫びそうなくらいの想いを必死に胸へ押し込めた。
先生がパートナーは自由に組んで良い。と告げた。
すると、突然絽羽真が私を選び、先生に許可をもらいに行った。
2人きりで歩く廊下、最後かもしれないと思うと…
長い廊下も短く感じた—————————…。
そして、家へ帰り…身支度。
しばらくこの家に戻って来れない。
そして、嬉しくて疲れが溜まっていた私は、そのまま寝てしまった。
朝 起きると目覚まし時計が5時を指していた。
急いで用意をして、絽羽真と待ち合わせの駅へ行く。
時間がないので 飛ぶことにした。
いつもは、私が絽羽真をからかうのに
今日は立場が一変したように思えた。
これから、人間界に行って、2人で協力。
どうなるのだろう?と、不安と期待に胸を膨らませて
私たちは列車へ乗った————————………。
- Re: 悪魔な私と天使な君 ( No.1 )
- 日時: 2011/10/26 15:20
- 名前: 燐 蜷 白亜 (ID: HK6OImIM)
ー第2話ー 絽羽真ver
僕は、痢唖螺と一緒に試験を合格したかった。
合格して卒業したら、叶わないこの想いを彼女に告げるつもりだった。
悪魔の彼女はいつだって、冷静で…。
いや、冷静に見せかけているようだ。
初めての出会いが忘れられない。
彼女が人混みに紛れていて、学校へ行こうとしてるみたいだったけど
反対方向に進んでいた。
で、助けてたら悪魔とは思えないほどの律儀で清楚で……
天使の女子には持ってない華やかさもあり、
天使のような雰囲気だった。
僕はこのとき彼女に一目惚れしたと言える。
よく、話すようになったし、彼女が1人暮らしで僕の家の隣へ来た時は
凄く嬉しかった。
僕のお母さんも、痢唖螺に感心していた。
料理も全て彼女がしている。
どれだけ大変なのだろう…。
夕飯は、彼女が学校で勉強しているからよく食事を抜くらしい。
時々、それで倒れたりすることもあり、
夕飯は僕の家で食べることになっている。
僕も彼女と長くいられて嬉しい。
だけど、この想いは通じない。叶わない。
辛い現実…。だけど、僕はそれでも想い続ける。
さて、人間界に行く列車を待つ時間。
彼女は目を閉じて、心を閉ざしているようだ。
僕らはなぜか、人の心がわかる。
痢唖螺の心もわかるんだけど、心を閉ざしていると…わからない。
しかも、今回は厳重に何重も扉を閉めているようだ。
仕方ないから、僕も人間界のことが書かれた本を読む。
10分くらいの時間が、何時間のように思えた。
列車が来て、痢唖螺と向かい合って座る。
痢唖螺は、家を確保してきたみたいで、
家のことを説明してくれていた。
正直言って、どうでも良かった。
痢唖螺さえいれば、痢唖螺と一緒なら————………。
「ちょっと?聞いてるの?!」
痢唖螺の声で我に返る。
近くに痢唖螺の顔があり、驚いた。
呼びかけても無反応だったから寝てるんじゃないかと心配したらしい。
僕は、どんな印象で痢唖螺の頭の中にインプットされているんだろう?
そんなことを考えながら、人間界で言う1日が終わった。
1日半かけて、人間界に到着した。
「ここは 空気が悪いな…。 気分が悪くなりそうだ。」
僕は痢唖螺の反応をうかがってみる。
元はと言えば、僕が勝手に痢唖螺をパートナーに選んだ。
痢唖螺は不満なのかもしれない。
そう思うと申し訳なかった。
「ねぇ?これ何かしら? これが授業で言ってた…植物?」
痢唖螺は興味津々になって聞いてきた。
「そうみたいだね。 天界にないものがたくさんあるみたいだ。」と、
僕が悪戯っぽく言うと、痢唖螺は冷静に
「1回 荷物を置いて…その後観光しましょうよ?」と、言った。
家は広く、痢唖螺も嬉しそうだ。
「リビングもゆったりしてるし、キッチンが広くて良いわ!」と、
感激しているくらいだ。
僕も、この家が気に入った。
この家で、これから生活するんだな…。
ん?待てよ??
これ…同居ってことじゃないか!!
僕は、1人悩んでいることも知らずに、痢唖螺は色々見ていた。
我に振り返り、「ねぇ 部屋はどうする?」と聞いてきた。
僕は、「痢唖螺の好きなように決めてくれれば良いよ」と、言った。
彼女は、早速自分の部屋に植物を、物珍しいそうに飾っていた。
そして、レポートを書いていた。
僕も余計なことを考えてないで、努力しようと思い、
自分の部屋に戻って、レポートを書いた。
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