複雑・ファジー小説
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- 新選組立志伝。
- 日時: 2011/11/04 20:53
- 名前: 紅城 ◆eZsQmZilro (ID: w0.JbTZT)
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————————————注意事項————————————
@新選組とか歴史とか嫌いなんですけどー
@新選組をあんたみたいなのが汚すなんて許せないっ
@タイムスリップ物嫌ーい
@荒らし、中傷に来ましたあ
@カキコ内の規約なんて守りたくなーい
以上の人はさようなら。許せる人はこんにちは。
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● 「はじめに」
はろーはろー。
知ってる人も知らない人もこんにちは、紅城でございます。
今回は幕末を舞台に話を進めたいと思います。
ストーリーはありきたり。
タイムスリップした主人公が新選組の誰かと恋をしちゃう、そんな感じです。
新選組が大好きでこの話で汚されたくない(?)みたいな人は「戻る」を押されたほうが良いと思います。
● 「登場人物」
望月 茜(もちづき せん)
天真爛漫な性格で鈍感天然KY
恋愛に対しては一途な性格である
けれどそのほかの事では熱しやすく飽き易い性格
身長体重ともに小柄で顔は中より上。
つまり美少女ではあるということ。
橘 千鶴(たちばな ちづる)
姉御肌で行動力は抜群。
座右の銘は「思い立てば直ぐ行動」と言うほど。
熱血な性格をしていて頼りになる。
京都の茶屋で働いている。
身長は高くすらりと伸びた脚が自慢。
すごく美人である。
●最終更新……11月4日
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- Re: 新選組立志伝。 ( No.1 )
- 日時: 2011/10/30 20:56
- 名前: 紅城 ◆eZsQmZilro (ID: w0.JbTZT)
- 参照: 明日から宿泊学習である。面倒である。
.第0章 白銀は鋭し恐れるな乙女
かちゃり、
渇いた音が嫌に耳に響く。
首には冷たい感触があり、それが何であるかは容易に分かった。
何故ならそれは鋭く銀色に光っていたからだ。
現代——私達が居た世界では有り得ないものなのだが、此の状況ではそんな事も言ってはいられない。
「な、なにこれェェ!」
周りは木造の建物ばかり。
歩く人は上品な着物をさも当たり前のように着ている。
そして気づいた。
私の頭の中は真っ白だが、誰でもわかることがある。
——此処は私が居た場所ではない。
だって私の居た所に少なくとも——
「貴方は誰です」
——日本刀を人に突きつける様な輩はいない、筈だ。
「返事をしなさい、女」
「うわっ!?せ、急かさないでくださいっ」
「早く言わなければ貴方の首を此の刀が貫くことになりますよ」
「もっ、望月です!望月、茜!」
目の前に居た男は刀をすっと鞘に戻した。
男は青色と白のダンダラ模様の入った着物を着ている。
——正直言ったら、ださい。
けれどそんなことを言えば間違いなく殺されるだろう。
「変な格好をしていますね。貴方は何処から来たんです?」
「えっ…と、京都ですけど……」
「それじゃあ此処ですね。貴方の家は何処ですか?」
実際家は此処、だ。
家でTVを見ながら居た時に急に此処に来たのだから当たり前だ。
だけど今いるのは橋の上であったりする。
どう考えても家は此の世界……否、時代には無いと考えていいだろう。
「な、無い……」
「……えっ?」
「無いです、家は」
「そ、そうなんですか?すみません。」
何で此の人が誤るのだろう。此の人は案外優しいのかも。
でも、そういう家が‘ない’という意味では無いのだが。
「で、貴方は攘夷の者なんですか?」
「じょうい?」
「……まあ、どっちにしろ怪しいことには変わりありませんから、屯所に来ていただきますよ」
男は私の手を握り、ひょいと持ち上げて私を立たせた。
そしてそのまま歩いていった。
——第0章「白銀は鋭し恐れるな乙女」<終>
- 第1章「朧に浮かぶは怪しき笑み」 ( No.2 )
- 日時: 2011/11/07 20:15
- 名前: 紅城 ◆eZsQmZilro (ID: w0.JbTZT)
- 参照: 宿泊学習から帰ってきた。案外楽しかったと言う←
第1章「朧に浮かぶは怪しき笑み」
つん、と畳の匂いがする。
襖と畳がある何とも和風な部屋に連れてこられた。
何でも此処はあの男が言っていた屯所らしい。
表には何とか寺と書かれていたが、よく覚えていない。
「あ、あのー……」
「何ですか?」
「如何して私は此処に連れて来られたのでしょうか……?」
男は微笑みながら首を傾げた。
よく見ると此の男、とっても美形である。
目は綺麗にぱっちり二重。少し垂れているので愛嬌がある。
鼻はすっと筋が通っていて、整った唇は仄かに紅い。
「私達の仕事は倒幕を考える志士達を捕まえることです。ですから怪しい者がいたら連行するのは当たり前の事でしょう?」
「そうですけど……、私は怪しい者ではありません!」
そう抗議すると、男は怪しい程に綺麗に妖艶に笑った。
「それを決めるのは貴方ではありません。それを決めるのは近藤さんと土方さんですよ」
「……!」
ぞくり、と背筋が凍る。怖いと素直に思った。
逃げだしくて仕方が無くて、冷や汗がだらだらと額を、頬を伝う。
男は無表情に戻ると襖を開けて誰かの名を呼んだ。
男は、私が怪しい者か定かは近藤さんと土方さんが決めると言った。
男は、そう言ったのだ。
「土方さん」
男は確かにその名を呼んだ。
「総司。望月と名乗る女はどうなった?何か吐いたのか?」
「いえ何も。ただ、私は怪しい者ではない、としか。」
「クク、急に橋の上に現れた奴がよくいうモンだ。どう考えても」
襖の奥から漆黒が覗いた。
鋭い目付きと、整った顔。彼は土方と呼ばれた。
汗はとうとう畳を濡らした。
恐い、その感情しか湧いてこなかった。
「怪しい者にしか見えねえじゃねえか」
低く唸る様な声が私の耳を支配する。
土方は狼の様な男だ。
「じゃあちっと拷問時間に入らせてもらうぜ」
「……えっ!?ちょっ……!やめっ、」
土方は私の手を強く掴むとそのまま引っ張った。
正座をしていたせいで足がじんじんと痛い。
土方はニヒルな笑みを浮かべて私を別の部屋に連れ込もうとする。
「痛い……っ!やめてよ!痛いっ、痛いって……」
「うるせーぞ女。てめえが早く吐けば良いことだろーが」
「何にも知らないってば!善良な女子よ私は!」
「じゃあ橋の上に急に現れた事はどう説明するつもりだ」
痛い所を突かれた。
どうせ言っても信じてくれないに決まっている。
ただ押し黙るしか方法は残されていないが、それでは怪しい者と肯定している様なものだ。
どうする私……!
空は私を嘲笑うかのように青かった。
——第1章「朧に浮かぶは怪しき笑み」<終>
- Re: 新選組立志伝。 ( No.3 )
- 日時: 2011/11/04 23:00
- 名前: 勾菜 (ID: gpPx10DG)
なぬっ…なんだ!?
この幕末愛してます人間の私にはドンピシャ作品!
↑新選組が一番好き//
うわぁっ!面白いです!ものすごく!!
更新楽しみにしてます!
- Re: 新選組立志伝。 ( No.4 )
- 日時: 2011/11/05 21:49
- 名前: 紅城 ◆eZsQmZilro (ID: w0.JbTZT)
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——→ 勾菜sama
はろーはろー、
コメ来たァァって発狂してた紅城です←
幕末良いですよね、私も愛してます、てか結婚したい(^q^)
新選組とかもうヤバイです
何がヤバイかというともう何だか分らないけどヤb(ry
面白いとか嬉しすぎて鼻血吹いた←
有難う御座いました!!
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- Re: 新選組立志伝。 ( No.5 )
- 日時: 2011/11/20 17:14
- 名前: 紅城 ◆eZsQmZilro (ID: w0.JbTZT)
- 参照: ば、馬鹿な……。更新が遅い、だと!?
第2章「祈りを捧ぐは己の為ならず」
「まあまあ、待てよ歳(とし)。」
恐怖に支配されつつある私の耳元に、ふと優しい声が入ってきた。
ふんわりとした、でも力強い。そんな、声。
土方は目を大きく開かせてその声の主を見つめた。
きりりとした眉に、通った鼻筋。そして何よりも意志のこもった力強い目。
決して絶世の美青年というわけではないが、とてもカッコよく見えた。
——矛盾しているのはわかっている。
「そんなに女子(おなご)を睨むんじゃないぞ。茜ちゃんといったね?座りなさい、其処へ」
「近藤さん……!?」
——成程。此の男性が近藤、か。
とても威風堂堂としている。全てに、威厳がある。
近藤に促され、私は向かい側に躊躇いつつも正座した。
土方は不満そうな顔で近藤を見ている。
「歳がすまないことをしたな。……恐かっただろう?只でさえ女子だというのに……。こら歳。謝らないといかんぞ。ほら、総司も」
「……ちっ、すまねェな」
「すみませんでした。」
「えっ……、別にいいです、よ」
急に謝罪されて吃驚する。
土方も近藤には頭が上がらないらしい。総司と呼ばれた男もだが。
「本当に、大丈夫か?」
近藤は優しい声で私に手を伸ばし、私の頭を優しくなでる。
その瞬間、何か熱い物が押し寄せてきて涙腺が崩壊した。
「、わわッ、大丈夫か茜ちゃん!?」
「……っす、みません……」
涙が止まらない。視界が滲んで、わからない。
急に泣いたせいで近藤も、あろうことか土方も戸惑っている。
——皆が困っているじゃないか。泣き止め、茜!
そう思って歯を食い縛るけれど、何の役にも立たない。
「わ、たし。じょういろうし、なんかじゃありませんっ…ッ
何ですかそれぇっ……ひっく。」
「、ごめんよ茜ちゃん……っ!……歳、総司この娘は……」
「ああ。攘夷浪士なんかじゃねェな。ましてや攘夷浪士さえも知らねェなんざ、論外だぜ。」
「そうですね……。すみません茜さん」
第2章「祈りを捧ぐは己の為ならず」<終>
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