複雑・ファジー小説
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- 目指すモノ
- 日時: 2012/07/03 17:09
- 名前: 言乃葉 ◆AFfp2ZibnM (ID: U7zErvcm)
- 参照: http://maruta.be/seven19241fuwari02
人は誰しも目指す物があります____
こんにちは、言乃葉です。
前回のスレは期限切れとなってしまい、過去ログへ。
機会があれば、またうpし直します。まぁ、読みたい人もいないと思うけど(自己嫌悪
今回は小忠実に頑張ります、たぶん。
参照は呟きに近い状態になってしまったものです。よかったらお越し下さい。
《目次》
・目指すモノ Ⅰ章>>1-
《お客様》
・霜月様>>5
《履歴》
・2012/4/8スレ立てる。
・2012/4/21お客様現る。
- 目指すモノ Ⅰ章 ( No.1 )
- 日時: 2012/04/08 17:35
- 名前: 言乃葉 ◆AFfp2ZibnM (ID: TQfzOaw7)
- 参照: http://maruta.be/seven19241fuwari02
* 始まり *
アレは確か、去年の六月の事だった。
うちの学校は他校と比べ珍しく、六月が一学期の行事の山場となる。
頭ではバレーボール大会。そして末には文化祭。
そこそこ進学校なこの学校になんとか受験合格、入学したばかりだった私には、地獄をみるようなものである。
運動なんてそこそこで、大して頭が良いわけでもなく。人としてもそこそこで、まぁあいえば普通の女子高生だろう。
部活はかろうじて運動部。中学から続けてきたソフトテニス部だ。かといって上手いわけではなく中の中といった具合。
普通の女子高生だったからそれなりの悩みもあるし、けれども毎日を過ごしていた。
“学校生活を楽しく過ごす”というのは前提で、クラスでは五月蠅いとばかりに騒いでいたりもした。おかげできっと、私には“騒がしくて明るい子”というレッテルが貼られたことだろう。
何だかんだといって実のところ私は、そんな人間ではないのだ。
自分に言い聞かせて“学校での私”がいる。
楽しいのは事実であるから、苦ではない。
けれども、何か思うものがあるのも事実だった。
球技は得意な方ではなく、バレーボール大会は二勝三敗に終わった。
出会いは、文化祭に向けての準備で休日登校していたときのことだった____
- 目指すモノ Ⅰ章 ( No.2 )
- 日時: 2012/04/28 11:24
- 名前: 言乃葉 ◆AFfp2ZibnM (ID: ZVrdWBTO)
- 参照: http://maruta.be/seven19241fuwari02
入学して間もないにも関わらず、文化祭。
そう、文化祭なのである。
他校ではどうなのか、それは知らないのではあるけれど、うちの学校では全クラスが舞台発表をすることになっている。
舞台発表とはつまり、演劇である。
中高一貫校であるうちの学校では中学生は合唱なども選択肢もあるらしいが、如何せん私は高校生なのだ。
誰がシナリオを書くのか、まずそこから行き詰まった。
やっとみんな学校に慣れてきたかというときに、いきなり席の隣人に向かって「シナリオを書いて下さい」だなんて言えるはずがない。
いくら中学校が同じだったという人が数人いたとしても、無理な話である。
とりあえず学級委員がどんな内容の演劇にするかの意見を集め有志でシナリオを書くという塩梅となった。
なったのだが。
やっぱり高校生というのは忙しいもので、自ら進んでやっかいなものに手を出そうとする人はなかなかいない。
このままではシナリオの提出日に間に合わなくなるし、仕方なく私もその中へと混じることにした。
幸い、筋は佐々木君が書いていてくれていたので、私は不得手ながらも、ト書きに直す作業が振り当てられただけだった。
とはいえ、随分な量である。
台詞だけならそれほどまでではないものの、十五分のシナリオはワープロ打ちで軽く五枚を超える。
『ここはどこだ?』
『あなたはだれ?』
『なら一緒に探しに行こう』
『物知りの爺さんがいるんだ。訊きに行こう』
よくあるRPG系の読み切り少年漫画のような展開と結末。
笑いよりも感動を誘うストーリーだ。
よし。
私は予定よりも二日早く仕上げて、難なく提出した。
これからやらなければならないことはたくさんある。
役を決めなければならないし、小道具・大道具だってそうだ。
シナリオを書いた人達で指示をしていかなければならないから、これで終わったわけではないのだ、むしろ始まりと言うべきか。
HRでなんとかスムーズといえる範囲で各仕事や役割を決め、作業に取りかかっていく。
人員が足りないということで、おばあさんの役をすることになってしまった。
役をするので台詞を覚えなければならないが、何しろシナリオを清書したので台詞は自分の所だけでなく、大体は覚えている。
そんなこんなで高みの見物というわけにも行かないしで、小道具・大道具の制作に加わることになった。
シナリオ係なので、指示をすればいいのだが、見ているだけというわけにも行かないし、工作は好きな方なので、やらない理由がなかったのだった。
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