複雑・ファジー小説

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生死彷徨う精神性【コメント大歓迎】
日時: 2012/08/08 15:27
名前: magenta⇔path ◆7UgIeewWy6 (ID: EByIShHF)

この名前では初めまして。
以前何作品か此処で投稿させて頂きましたが、完結作品は未だ無い駄作者です。

前回の名前は申し上げられませんが、これからこの名前で活動していきたいと思ったおります。
よろしくお願いします。

この小説を読むにあたってのお願い。
1、作者が嫌いな方は推奨できません。
2、今作品が嫌いな方は推奨できません。
3、悪口などの中傷はお止め下さい。
4、今作品で何か至らない点がありましたら、アドバイスをください。
5、コメントは大歓迎いたしますが悪口等はお止め下さい。
6、亀ペースでの更新になりますが苛々しないで下さい。
7、是非読者になって頂きたいです。
以上。

では、今作品をお楽しみくださいませ。


小説投稿日 H24 7/15 
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<序章> >>1>>2

【過去】
<事故後1日目> >>4>>5>>9



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<登場人物>
>>3



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<ご来客様>
>>6揶揄菟唖 様



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<挿絵>
>>8愛内/浅丘



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Re: 生死彷徨う精神性 ( No.1 )
日時: 2012/07/15 21:31
名前: magenta⇔path ◆7UgIeewWy6 (ID: Ej01LbUa)

<序章>

今、あなたが私を睨み、裏切った。

もともとさ……、赤い糸なんて無かったんだよね。

嗚呼……毒林檎って何であんなに美味しいんだろうね。

ほら、もう私は生死を彷徨った。

Re: 生死彷徨う精神性 ( No.2 )
日時: 2012/08/12 15:39
名前: magenta⇔path ◆7UgIeewWy6 (ID: My8p4XqK)

—————半年前—————

「あ、雛ちゃん? 今ね壮真先輩にクッキー作ったから、これから壮真先輩の家行くんだ。渡すだけだけどね。」

「おー、そっかそっか。良かったね。で、あたしのクッキーは?」

「勿論あるよ。壮真先輩に渡した後に雛ちゃん家寄るから、待っててね」

「あ、冗談のつもりだったけど……まぁいいや。気を付けるんだよ」

「うん。じゃあね」

私は電話を切る。雛ちゃんにとって私が発した「じゃあね」の一言が私の正常時の最後の言葉となるなんて、誰も予想など出来なかった。事故に起こしてしまった人も事故に遭った私も誰も皆。



壮真先輩と雛ちゃんのクッキーを鞄に詰めて家を出る。雛ちゃん家は私の家の右隣ですごく近い為、いつも重要なこと以外は後回し。とりあえず遠い人から進めている。
そして壮真先輩の家は徒歩で15分。文化部の私にとっては15分歩いただけでもかなりの重労働。だけど、壮真先輩の笑顔を想像するだけでそんなことなど忘れてしまっていた。
そう、壮真先輩の家まであと5分と言うところだったのに……。
ふと横を見たと同時に大型トラックの壮大なブレーキ音とクラクションの音が耳にべったりとこびりついた。

私が気づいた時に視界に入ったのは赤い液体がべったりとついた腕。騒ぐ人の声、病院に連絡する人の声、私を轢いた人の声、みんなの声。その中で意識は段々と遠のいていった。



目の前が暗闇から解放されたのは随分経った頃じゃないかと思う。
目を開けると眩しい照明に家族、雛ちゃん、医者、看護師。人がいてすごく安心した。
体中に擦り傷があるものの幸いにも大きな怪我と言えば、ぱっくりと切れてしまった腕くらいだった。
手術も終わったようで翌日から学校には行けるらしい。
だけど胸の内にぽっかりと穴が開いてどこか寂しいのは、目の前の人の中に壮真先輩がいないからなのだろうか。
壮真先輩は私には興味が無いのだろうか。私の心配などしてくれないのだろうか。

私は行き成り大声を上げる。奇声を上げる。
もう……自分が分からない……。



それから私は、私ではなくなった。


<序章 完>

Re: 生死彷徨う精神性 ( No.3 )
日時: 2012/07/16 06:22
名前: magenta⇔path ◆7UgIeewWy6 (ID: RJ0P0aGF)

<登場人物>

愛内 千帆 [アイウチ チホ]
主人公。高校2年生、B組。元は平凡な学校で普通の高校生活を送っていた。お人好しで一途で優しくて、好きな人にはとことん尽くす、とてもいい子だった…のだが、半年前に事故に遭ってしまった。幸い身体にも脳にも影響は無く、周りは一安心した…のだが、彼女自身精神的に不安定な状態が続き、現実を受け止められなくなり、引きこもり、登校拒否、やがて正常だった脳にも異常が生じる。何事にも否定的になり「良い事」という意識を無くし、全てを悪い方向へと持っていくことが普通だと認知してしまう。彼女に幸せなど来るのだろうか。


梁居 和泉 [ハリイ イズミ]
主人公の隣の席の男子。高校2年生、B組。友情や恋愛などには1%も興味が無い秀才。休み時間は読書か勉強が常識だと勘違いしてる、少し残念な男子。愛内が事故に遭ってから、何かと愛内を不安気に気になり始める。愛内が事故に遭ってから登校していた数日はさり気なく気遣いをしていた。不器用さん。登校拒否してからも、心配に思ったのか何度か愛内の家を訪れる。愛内の精神面も考えて、愛内自身に会うことはせず、家族と話すように心がけている。


白石 壮真 [シライシ ソウマ]
主人公の彼氏。高校3年生、A組。周りは女の子ばっかり。女ったらしで会うたび会うたび、別の女の子と歩いていることが多い。「彼女」という肩書上は愛内ということになっているが、実際あまり興味が無く、ただ遊び相手を増やしたくて告白しただけという最低な男。一方(事故に遭う前の)愛内が自分に一途で一生でも尽くそうと心がけていたことには気が付いていない様子。だが最近、少しずつ愛内との距離を縮めていく梁居に嫉妬心を抱いているのは確か。


浅丘 雛子 [アサオカ ヒナコ]
主人公の親友。高校2年生、C組。サバサバしてて、其処ら辺の男子よりは十分に強い。愛内が事故に遭って精神が酷くなってしまった後に友達はみんな愛内から離れてしまっていたが、幼いころから仲の良かった彼女だけは毎日愛内に会いに行って、愛内に罵声を浴びせられても怯まず、寧ろ罵声を浴びせている。愛内思いで親友として愛内が好きだから、自分が癒してあげたいという思いが強い。愛内の彼氏である女ったらしの白石を毛嫌いしている(女ったらしで愛内が事故に遭ったのは白石の所為だと思っているから)。

Re: 生死彷徨う精神性【コメント大歓迎】 ( No.4 )
日時: 2012/08/12 15:31
名前: magenta⇔path ◆7UgIeewWy6 (ID: My8p4XqK)

<事故後1日目>

[ピンポーン……]

「はぁーい、あら雛子ちゃん。ちょっと待ってねー。千帆、千帆! 雛子ちゃんよ!!」

「あ、おばさん。そういえば、千帆って今日から行けるんですか?」

「うん。ちょっと精神的に参っちゃってるんだけど、千帆がどうしても行きたいっていうから」

「あ……そうですか」

「ごめん、雛ちゃん」

「おはよう、千帆。大丈夫?」

「うん、平気だよ。じゃお母さん、いってきます」

「いってらっしゃい」

きっと雛ちゃんにはばれているだろう。平気だなんてそんなわけないって。
あぁ……また雛ちゃんに迷惑かけちゃったな……ごめんね、雛ちゃん。

「……帆……千帆!! 聞いてる?」

「え…? あ、ごめん。聞いてなかった…」

「やっぱり、今日は休んだほうが良いんじゃないの? 事故った翌日に登校するなんて普通じゃないよ」

「私は普通じゃないっていうの?」

「あはは、そんなこと言ってないし。……壮真先輩の家行けなくて残念だったね」

「いや……行けなくてよかったの」

「え?」

「私事故に会った時にね薄眼でちらっと先輩の家の方見たの。家は見えないけどね。そしたら曲がり角から壮真先輩と多分3年生の綺麗な女の子と歩いてた。壮真先輩、少しだけこっち見たけど不快そうな目して睨んだんだ、こっちを」

「はぁ? いや、確かに遠目から見たら誰だかわからないけどさ……。やっぱりあんな女ったらしの彼女になんかならなきゃよかったんだよ。そしたらこんな事故も……」

「雛ちゃん。それでも私、先輩のこと好きだから。そんなこと承知で彼女になったの。先輩から告白されたとき、嬉しかった。あの事故が無かったら女連れの先輩と鉢合わせして恥ずかしい思いしなきゃいけなかったもの。神様のちょっとした悪戯が重なっただけだよ」

「……千帆。あんたなんでこんなときだけそんなにポジティブ思考できるの? でも千帆がそれでいいなら、あたしは応援するし、どんなことだってするから。何でも言ってね、躊躇とか遠慮とかいらないから」

「うん、ありがとう、雛ちゃん」

会話はそこで途切れた。駅までの道のり。駅から電車で15分。その間も私と雛ちゃんの沈黙は続く。お互いに気を遣っているのだろう。
午前中二人きりで喋ったのは教室に入る時、別のクラスだから「じゃあね」って手を振ったその時だけ。
クラスが違うと話さない、というより話せない状況の方が多いから、今の私たちにはよかったのかもしれない。
けれど、私は1人ぼっちな気がしてならなかった。
席について「はぁ……」なんて溜息を出したら、隣の席から声が聞こえた。いつもは話さない、秀才君の声。

「昨日、大丈夫だったか」


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