複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

戦場の小夜曲-名古屋攻略戦始動-
日時: 2012/08/18 13:02
名前: never ◆4J/i82X6vM (ID: .MCs8sIl)

いらっしゃいませ。

今から数十年、若しかしたら近い未来の話かもしれない物語。
失われていく若者達の命。
狂気染みた不条理な戦い。
生き残りを賭けた戦争が、今始まる。


注意事項
・日本を舞台にした架空戦記物です
・コメントがあると作者は凄く喜んで舞い上がります
・他の作品で私の名前を出すのは止めてください


第一章「東京防衛戦」
第一話>>3
第二話>>4
第三話>>5

第二章「名古屋攻略戦」
第一話 to be continued...

人物紹介>>1
戦曲辞典>>2
オリキャラ要項>>7

Re: 戦場の小夜曲 ( No.3 )
日時: 2012/08/18 03:08
名前: never ◆4J/i82X6vM (ID: .MCs8sIl)

第一章「東京防衛戦」

第一話


曇天の空、埃染みた空気。
数年前に建築完了した東京の象徴である、スカイツリーが燃える。
火の化身を呼び起こしそうな勢いで燃える、この世で一番の炎の柱と化している。

そして、降りやまぬ雨音と———銃声。


「り……ろ! ……ろ!」

「———しっかりしろ! 前を見て無ェとあっと言う間に死ぬぞ!」

迷彩罹った軍服を身に、背には重火器——ロケットランチャーを背負った男性が、同じ遮蔽に身を隠している右隣の青年を肩を乱暴に掴み、引き起こす。

青年は、まるで別世界に魂を置いていて、不意にこちらへ帰ってきたかのように意識を取り戻し、手に持つM16——アサルトライフルを構える。

今も鳴り止まない銃声は、彼らの居る向かいからも聞こえる。
云わば、交戦状態だ。
立ち並ぶ高いビルに挟まれた道路。
見慣れた看板は燃え、信号や電柱は大きく傾いている。
道路の所々にポッカリと空いている大穴、一面に散っている大小様々な瓦礫が、戦闘の激しさを物語っている。

男性と青年と同じ装備をした者——臨時非正規軍は、広く横に展開している。
彼らも遮蔽となるコンクリートの壁から身を出して射撃しては、直ぐにしゃがんで身を隠し、を繰り返している。
度々、断末魔と共に仰向けに倒れ行く者もいるが、周りはそれを気にすることは無い。
否、気にする余裕など無かったのだろう。

「くそッ、有り得ねェ! どんな身体してやがんだ! 直撃させたはずだぞ!?」

ある兵の撃ったライフルの弾丸は、確かに彼の者の急所を捉えたはずだった。
人間であれば、頭部、首部など、急所となる箇所を何らかの形で負傷した場合、絶命に至るのはそう遠くない。
しかし、対峙している者達は、違った。
人間の姿を盗った、別の何かなのだ。

「在って堪っかよ…こんな奴らがよォ!」

痺れを切らし、腰元に携えていた近接戦闘用装備——アサルトナイフをくるくるっと回し、逆手に持った者が駆け出す。
瓦礫まみれの地を蹴り、勇ましく突撃している。彼の者へ向けて。

Re: 戦場の小夜曲 ( No.4 )
日時: 2012/08/18 03:07
名前: never ◆4J/i82X6vM (ID: .MCs8sIl)

第一章「東京防衛戦」

第二話


青年——北原悟史(キタハラサトシ)は、焦っていた。
思えば、今手に持っているM16を初めて手にしたのは、僅か1ヶ月前の事。
成績が良いわけでも、特別スポーツが出来るわけでもない、平凡な学生として都内の高校へ通っていた。
ある日、突如、知る由も無く、彼は銃を手に持たされた。

それは悟史が例外だったわけでは無く、彼の周りの者もそうだったのだろう。
実際、悟史の両隣で同じく両手銃を構えている者の中には、彼と同年代だと思われる顔つきをしている者は少なくない。

「おい、ボサッとしてんじゃねェよ。 ……来るぞ、構えろ!」

悟史の隣の男性の一声で、陣営に居る者が一斉に射撃体勢を取る。

連続して鳴る銃声が、今も降り続く雨音に掻き消される事無く響く。
然し彼の者達は、立て続けに浴びせられる銃弾に怯む事無く、只々、ライフルを構えながら近づいて来る。
誰一人として足を止めることは無く、ゆっくりとこちらへ足を進めて来ている様子は、とても悍ましい。

数としては、こちらの陣営——人間の方が圧倒的に多い。
それもそのはず、彼の者は多く見積もっても、百単位には及ばない。

「わけわかんねェ……。 なんで効かねェんだよ!」

いつの間にか、彼の者に零距離まで接敵された男性が、泣き叫びながら我武者羅に銃弾を振り撒く。
装備は同じような防弾チョッキを着込んだ戦闘服の筈なのに、彼の者達はまるで鉄の塊かのように、金属音を立てながら銃弾を弾く。

男性の頭部が、彼の者の手によって鷲掴みにされる。
一見、人間と同じ造りだが、爪は今では流行らない一世代前のギャルのように長く、何処となく冷酷だ。
頭を掴まれた男は、「放せ! 放せ!」と泣きの混じった叫びを必死に繰り返しながら、もがき出した。

恐怖、絶望、逃げ出したい。
人間は、絶命する前に長い時間をかけて生前の記憶を巡るようだが、この男性がそうだったかは誰も知る由が無い。

グシャァ、と言う生々しい音と共に、男の頭部が破裂した。
握り潰されたわけだが、破裂と言う表現が正しいのだろう。
ドサッ、と重たい音を立てて、男の身体が地に捨てられた。
辺りにはバケツから放られたように血が撒かれ、直ぐに黒色に染まった。


その後も、続けて接敵され、次々と倒れ行く……否、消えて行く者達。
いとも簡単に消える生命。

そして、悟史とその隣の男性が身を隠していたコンクリート壁の傍からも、彼の者が現れた。


Re: 戦場の小夜曲 ( No.5 )
日時: 2012/08/18 03:11
名前: never ◆4J/i82X6vM (ID: .MCs8sIl)

第一章「東京防衛戦」

第三話


彼の者を間近で見てみると、やはり人間のような容姿をしていた。
黒い戦闘服に身を包み、右手には片手銃、左手はグローブが外れていて……ワザと着けていないとも推測出来るが、肌色をした五指を握っては開いている。
悟史にとってその様子は、獲物を抉り取ろうとしている化け物のように見えた。

人間のようで、人間ではない。
先の光景を思い返せば、とてもそうとは思えないのが常だろう。

悟史の下へやってきたのは、肩まで伸ばした銀髪に整った顔、身長も高く、平たく言えばイケメンだった。

こんなヤツがクラスに居たら、間違いなく全ての女子生徒の憧れの象徴だったのだろう、と、悟史は思ったのかもしれない。

先ず、彼の者が狙いを定めたのは、悟史の隣にいた男性。
悟史とツーマンセルを組んでいた者だ。

勿論、男性は背後へ廻り込もうと足を進め始めた彼の者に向けて発砲する。
言動からも推測出来るように、腕のある兵だ。
悟史とは違い、元々この職の人間なのだろう。
精確無比な射撃、非の打ちどころなど無い完璧な射撃によって放たれた銃弾は、全て彼の者の胴部へ命中した。

しかし、その力も簡単に無力となってしまう。
やはり銃弾は通らず、キンキンと言う金属音と共に地に落ちてしまった。

「ぐぅ……ぐがッ!」

背後を取った銀髪の者は、片手銃の銃身で男性の頭部を打ち、よろけたところを左手で男性の首を掴み、身を持ち上げる。
この剛力が一体何処から放たれているのかは、分からない。

悟史は、震えながらも銀髪の者へ向けてM16の銃口を向ける。
両手でしっかりと構え、捉えるのは頭部。
銃弾が通用しない事を理解していても、他に成す術が無い。
加えて、自身に振りかかる重圧感、殺意、絶望感。
周りの仲間達…が次々と、一瞬で消えて行く様を見て来た悟史は、最早「殺される」と言う感情に包まれていた。


「——!」

唇が紫色になり、眼光が徐々に失われている男性から、悟史は微かに視線を感じ取った。

逃げろ。

必死に訴え掛けている様子だが、それでも悟史の体は動かず、今も銀髪の殺戮者の頭部にM16の銃口を向けている。
トリガーを引きたくても、引く事すら出来ない恐怖が体を縛っている。
それが、災いしたのだ。


『銃を向けたら、撃て……』

一瞬だった。
銀髪の口元が動いたかと思うと
パァン、と言う発砲音と共に、悟史の視界がぼやけて行く。
見えたのは、灰色に染められた、曇天の空。

次にモザイク罹った視界に入ったのは、銀髪……先の殺戮者。
そして、最後に見えたものは、自分に向けられた片手銃の銃口だった。

Re: 戦場の小夜曲 ( No.6 )
日時: 2012/08/18 02:54
名前: never ◆4J/i82X6vM (ID: .MCs8sIl)

第一章 あとがき

硬めなプロローグとなりました、第一章「東京防衛戦」です。
これにより、東京と言う日本の首都が陥落した状態で物語が始まっていくわけですが、如何でしたでしょうか?

主人公ポジション(ここでは悟史)を呆気無く消す事により、人間の無力さを感じ取って頂きたかったです。

背景や世界設定について、敢えて作中では詳しく触れていません。
曖昧な世界の中での出来事を、純粋に受け止めて貰いたい……と考えていましたが、小説を書く、と言う行為自体が初の為、全然出来てないですね。ごめんなさい。
セリフが少なく、漢字を多用しているので読み辛かったかもしれませんが、最後まで読んでいただけたのなら幸いです。

Re: 戦場の小夜曲 ( No.7 )
日時: 2012/08/18 03:40
名前: never ◆4J/i82X6vM (ID: .MCs8sIl)

オリジナルキャラ募集

※注意※
・登場予定は作者の都合によるので、直ぐ登場したり、全然登場しなかったりします。
・設定上、強キャラでも絶対に死なない保証はありません。寧ろ、フラグを立てやすいです←
・何らかの都合でキャラ申請をお断りする場合も無くはありません。

以上の事を踏まえたうえで、下記のテンプレートからどうぞ。


————————————登録用紙————————————
名前:
年齢:
性別:
外面的特徴:(容姿とか服装とか)
内面的特徴:(性格とか)
主兵装:(ライフル等の火器をはじめとする、好んで使う武器)
その他:(キャラの背景や設定等)

————————————ここまで————————————


Page:1 2 3



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。