複雑・ファジー小説

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英雄の詩 Page4 『堕天使、ルシファー。』 
日時: 2012/11/22 20:51
名前: アンノウン (ID: j553wc0m)

  クリックどうもありがとうございます。


 おはようございます、こんにちは、そしてこんばんわ。

 どうも初めまして。私の名前はアンノウンと申します。

 英語で書けば『UNKNOWN』ですね。いや、そんなことはどうでもいいのですが・・・

 以後、どうぞよろしくお願いいたします。







  ”自己紹介が終わったところで、この小説の注意点です。”


   1、荒らしの方々は回れ右して去ってください。

   2、読んでいただけるとすごくありがたいです。

   3、コメントをもらうと、作者は歓喜に満ち溢れます。




  ”では次に、この小説はどんなものなのかを紹介いたします。”
    

  1、この小説は、基本的に一話完結の短編小説集です。

  2、この小説は、この世界で名を残す英雄達のエピソードを、作者の想像で書き記したものです。

  3、この小説に主人公という存在はおらず、強いて言うのであれば、英雄達が皆主人公です。

  4、この小説はフィクションです。

  5、出来れば最低一日一回、皆様にこの英雄達のエピソードを提供していきたいと思っております。
   (つまり、更新スピードは一日一回という事ですね。)

  6、基本、自由である。 ←これ重要です。いらないとか言わないで。




  -----------と言った感じでございます。



 では早速書いていきたいと思います。

 楽しんでいただけると幸いです。



   英雄の詩 『目次』


 Page1 『最初に・・・。』 ・・・>>1

 Page2 『天空神ゼウス。』 ・・・>>2

 Page3 『孤独の王、アーサー王。』 ・・・>>3

 Page4 『堕天使、ルシファー。』 ・・・>>4


Re: 英雄の詩 ( No.1 )
日時: 2012/11/20 16:25
名前: アンノウン (ID: j553wc0m)




      ----------- 『最初に・・・。』 -----------



   私がこれから記すことになるであろうこの本は、未来にとって重宝するものとなるだろう。

  過去にいたという『英雄』。その存在が真実なのか、否かは誰も分からない。

  だからこそ、誰かが残す必要がある。英雄達の『物語』を。
  英雄達の歩んだ道のエピソードを・・・ここに。

  なお、私の命はさほど長くはないだろう。もって一・二か月といったところか。
  つまり、その期間の間に、私は出来る限りの英雄達の物語を残す必要がある。


   それが一体どこまでもつのやら、それは私にも分からない。


  もしも仮に、この物語が終わりをつげ、本が完成したのであれば・・・・



   ---------私はきっと、その数日後にはこの世にはいないだろう・・・。





                   著者、『H・D・N』

                   [Page 1]


Re: 英雄の詩 Page1 『最初に・・・。』  ( No.2 )
日時: 2012/11/20 19:32
名前: アンノウン (ID: j553wc0m)



       ---------- 『天空神ゼウス』 -----------





     ----------始まりはここからだった。


   かの有名な『ギリシア神話』の中でも、神々の頂点に君臨し、その名を全天界に轟かせた。

  その名は天空神、『ゼウス』。彼という存在が生まれた瞬間、この世界は戦争の始まりを告げたのだった・・・。

  彼は常に、強者を求めていた。自らが全知全能だからゆえ、
  それを超える、もしくは同等の存在を強く求めた。

  彼がその気であるならば、なんだってできる。
  世界を作りかえる事、宇宙そのものを作りかえる事など動作もない。
  だからこそ、唯一欲していたものこそが、自分と互角に渡り合える強者だったのだ。


   そんな彼の唯一の楽しみは、戦いという『遊び』。


  自身の武器で、相棒である『雷霆 (ケラウノス)』を片手に全天界中を飛び回り、彼はひたすらに戦い続けた。

  戦い、戦い、戦い、戦う。ただただ強者を求めた。


   ---------そう、彼は孤独であった。


  唯一の欲求である『強者』という存在はなかなか見当たらず、退屈な時を過ごしていた。
  そんなある日であった。彼はついに出会った。自分と互角に渡り合える『強者』に。


   一人は、『ポセイドーン』。

  ゼウスを「天空神」と呼ぶのなら、彼は「海界神」。


  大海と大陸の支配力に関してなら、その力はゼウスを遥かに超える。
  ゼウスとは兄弟関係にあるのだが、神々の闘争に兄弟は関係ない。

  当時は狂乱と言われるほどの戦争が勃発する時代。
  各々が世界の頂点に立つために戦争を繰り返すのだ。



   彼はゼウスと互角に渡り合って見せた。


  ゼウスが天空を支配するならばと、
  ポセイドーンは大海を操り、大地そのものを支配してみせたのだ。




   そしてもう一人は『ハーデース』。



  彼は世界とは一味違った『冥界』を支配して見せた。
  死んだ魂さえも操り、悪魔と呼ばれる存在でさえ、彼の名を聞いて恐れぬ者はいなかった。

  これを目の前にし、ゼウスは喜びに打ちひしがれた。
  自らの力と互角、それ以上の力を持つ『強者』との出会い。
  これを幸福と言わずなんというのか、と。


   ゼウスは強大すぎる力故に、孤独であった。

  だからこの時、彼は初めて、自分の存在価値を見出したのだ。



   --------後、この三人は終わらぬ闘争を繰り返す。


  全ては世界を自分のものにするため。だがそれ以上に、彼らは楽しんでいた。
  天涯孤独と思われたこの人生において、自分と同等の価値を持つ『強者』という『友』を得られたのだから・・・。




    ある時ゼウスは、この世界についてこう語ったという・・・。



  “彼らに出会うまで、世界はなんて小さいのだろうと常々思っていた。退屈すぎたのだ。

   だが、結果を言えば、私はこの世界に存在出来てよかったと思っている。
   そうでなければ、彼らのような『友』と出会うことなどなかったのだから・・・。”




    一心に『強者』を求め続け、戦闘に生きがいを求め続けた天空神。

    彼もまた、世界に名を轟かせる英雄であることは間違いないだろう・・・。





                   著者、『H・D・N』

                   [Page 2]

Re: 英雄の詩 Page2 『天空神ゼウス。』  ( No.3 )
日時: 2012/11/21 20:39
名前: アンノウン (ID: j553wc0m)





      ---------- 『孤独の王、アーサー王。』 -----------






    -----------友よ、教えてくれ。


   私の歩んだ道は、私が目指した理想は、全て幻想に過ぎなかったのか・・・? 




   我が国ブリテンは、戦争が絶えぬ場所であった。

  日々他国の軍勢とぶつかり、血を流しあう。
  私は子供のころからそんな光景を日常のように見てきた。

  子供の頃から剣を握り、将来のために腕を磨き続けた。
  そして10歳に満たぬうちから、私は戦争に狩り出る。
  剣を振り、血を馴染ませ、只々敵をうち滅ぼす。


  そんな日々を過ごすうちに、私は平和という言葉と、届かぬ幻想に憧れた。
  自分が世界を変える、平和を作り出す、そんな正義に満ち溢れた夢を持った。



    そして、私は決心した。

  このブリテンの王になり、自らの力を持って世界を平和に導こう、と。


  その道のりは過酷なものであった。過酷な訓練を強い、自分を磨き続けた。

   そして、私は代々伝わる王の剣を授かった。
   勝利を約束された王の剣、『エクスカリバー』。

  神々しい光を放ち、その刀身に宿る聖なる光は、まるで魔術が宿るかのごとく。
  闇を切り裂き、悪を光に導くと伝えられている。
  この剣を使い、私はこの戦乱の闇を切り払い、光で照らすと心に決めた。


    だが、現実はそこまで甘くなかった・・・。闇が深く、多すぎたのだ。


  結局私は、世界の平和のためと言っておきながら、剣を振り回す殺戮者と変わらなかった。


   だが、私は諦めたりしない。

  どれだけの犠牲を、死人をだそうとも、私はこれが世界が流す最後の流血にしようと決めたのだから。
  もう繰り返したりしない。これから生きる者達に、誰も武器を持たせたりしない。
  流血とは無縁の世界を作ってみせる、と。



     --------そう、なるはずだった。だが、私は思い知らされる。

   いつだって国が本当の意味で倒れる時は・・・、身内による『内乱』が原因なのだと。


  反乱を起こしたのは、最も信頼し、最強の騎士と誰もが評した『ラーンスロット』。
  私の身内の一人である、『モルドレッド』がその現場を抑えた。
  王妃との禁断の恋に踏み込んでしまった現場を・・・。


   私は『ラーンスロット』を敵に回さざるを得なかった。

  王として、半端な覚悟は許されない。たとえ信頼している友とも言えど、悪を正さねばならない。
  だからこそ、私は剣を手に取り、友と戦わなければならない。



   そしてある日、私は彼と一騎打ちを行った。


  お互いに剣を持ちえ、奮闘する。悲しく響き渡る金属音、火花を散らす互いの剣。
  あの時の戦い程、悲しい戦いはない。


   結果、私と彼の戦いの決着はつかなかった。

  実力は互角。だが三日三晩のひたすらの戦いに、さすがの二人も体力が尽きた。
  地に倒れこみ、二人はお互いに大雨に打たれ、気を失った・・・。



    その数日後、私は城で目を覚ました。


  ラーンスロットは行方不明。生きているのか、はたまた死んでしまったかは分からなかった。

  そして、私はラーンスロットとの傷が癒えぬまま、そのまま戦場へと駆け抜けた。
  ひと時の休憩すらなく、次々と行われる戦争。休む余裕などなかった。



   そんな疲労と傷が癒えぬ状況で、私は狙われた。


  私を死の寸前まで追い詰めたのは・・・ラーンスロットの反乱を私に知らせた『モルドレッド』。

  否、ラーンスロットに反乱を起こさせるように『誘導』し、私と彼を敵対させた、『反乱の権化』だ。
  彼こそが、この反乱を裏で支配し、自らの地位を確立するために仕込んだ計画。


   私を殺し、王位をはく奪するために・・・。


  私は奴に後れを取った。今のままでは十分な力も出すことが出来ず、私は負けた。
  血を流し、もう長くはない命を振り絞り、私は奴から逃げた。


   そして、誰もいないところで静かに座り込んだ。

  耳がうまく働いていないせいか、周りが静かに感じる。
  戦争ばかりで慌ただしいはずなのに、なぜこうも静かなのだろうかと疑問に思った。

  だが、考える余裕もない。私の終わりは近い。
  相棒エクスカリバーは、相も変わらず神々しい輝きを放ち、私を照らす。




   “・・・・友よ。お前も気づいていたのだろう・・・? 


   私達は正義の名のもとに、ただ闇をうち滅ぼしてきた。
   だが、私達は結局悪に滅ぼされた。


     ・・・悲しいものだ。


   分かっていても、私は王として、お前を裁く立場に立たざるを得なかった。
   本当はあの時、私は王という身分を捨て、友を守るために、奴をうち滅ぼすべきだったのかもしれない。



    ----------なぁ、ラーンスロット。教えてくれ。


   私の歩んだ道は、私が目指した理想は、全て幻想に過ぎなかったのか・・・? 



         私は・・・・私は・・・・----------。”





   地に落ちる一筋の涙。王が流すものとして許されぬもの。
   だけど、もう、いい。私は帰るのだから。


   だけど・・・一言だけ、




   “・・・・・・・・・すまなかった・・・。
            ラーン・・・スロット・・・・。”







                   著者、『H・D・N』

                   [Page 3]



Re: 英雄の詩 Page3 『孤独の王、アーサー王。』  ( No.4 )
日時: 2012/11/22 20:44
名前: アンノウン (ID: j553wc0m)






      ---------- 『堕天使、ルシファー。』 -----------






    -----------かの英雄は落ちた。


   本来であるならば、英雄と唄われる存在であるはずだった英雄。
   英雄の概念を覆し、悪魔とさえ呼ばれるようになった者が、ここには確かに存在した。



        『堕天使、ルシファー』。


   自らの正義の実現のために、彼は英雄という肩書さえも投げ捨てた・・・。


     当時、彼はこんなことを心に秘めていた。

    “『神』は甘い。反吐が出るほど甘すぎる。”


   正義に反する『悪』を裁くのが『神』であるはずだ。

   我々は『神』であろうと『人』であろうと、
   正義に反する俗物には『死』と同価値の罰を与えるべきだ。


    なのに・・・なぜだ。なぜ『導こう』とする? 


   なぜ正しい道に修正しようとするだけなのだ。そんなのは無駄だ。
   一度悪に染まってしまえば、変わることなどありえない。
   そんな淡い希望を持つぐらいなら、手っ取り早く排除したほうがマシだ。


    だから私は、『悪』に徹底した罰を与え続けた。

   『神』も『人』も、悪に染まるものは平等に排除してきた。
   そんな奴らを『死』という罰を用いて裁いてきた。

     殺し、殺し、殺す。


   導くくらいなら、排除する。だが、それは天界のルールに反していた。
   天界の神々は、私を『反逆者』と呼んだ。


   “・・・自らの力を使い、正義の名のもとに『悪』を裁いてきた私が反逆者だと? 

    そうか、『神』も『人』も落ちたものだ。
    貴様らは甘くなった。以前なら、『神』は『悪』に容赦なかった。
    悪に手を差し伸べるなど、以前では考えられない。”


    皆が私を見下ろす。反逆者だと罵る。そしてあざ笑う。




    ・・・ああ、そうか。私は気が付いた。


   正義を貫き通す上で、『偽善』や『平和』はありえない。
   正義を貫き通すことには、それなりの覚悟が必要なのだと。


     誰かが、『悪』そのものになるという覚悟が・・・。


     そしてある日、ルシファーは天界に反逆した・・・。


   天界をそのものを『悪』と判断し、裁くために。
   だが結果、彼は敗れ、天界から落ち果てる。
   『神』としての地位を失い、『神』とは程遠い、地獄にまで落ちた。
  

     ルシファーの終わり、誰もがそう思った・・・。


   ---------だが彼は、正義に対する尋常じゃないほどの執着心で、再び立ち上がる。


      “なんのために? ただ正義のために。”


   だから私は、『悪』になる。

   本当の正義にたどり着くためには、誰かが『悪』になり、
   他の『悪』を全てうち滅ぼさなければならない。


   ならば、私がなろう。それで『悪』がなくなるのならば、
   私はいくらでも『悪』になり、『悪』を滅ぼしてみせよう。


   そしていつか、天界の『神』という強大な『悪』さえも、私が排除してくれよう・・・!! 



   こうしていつしか、彼は『堕天使』と呼ばれ、地獄を統べる王に君臨していた。
   全ては、同胞と共に『悪』を滅ぼすために・・・。



    ---------ルシファーはある日、このような言葉を残している。



   “誰が私を『悪』と言おうが、『悪魔』と言おうが関係ない。

   私はただ、この世から『悪』を滅ぼそうとしているだけだ。
   正義の名のもとに、偽善を語る『神』や『人』は全て私が裁く。

       奴らは『死』をもって、罪を償うべきだ。”




    『悪』を滅ぼすために、彼は今宵も地獄を『悪』で満たし尽くす・・・。






                   著者、『H・D・N』

                   [Page 4]



Re: 英雄の詩 Page4 『堕天使、ルシファー。』  ( No.5 )
日時: 2012/11/26 18:13
名前: 香里ー奈 (ID: 5mOY6DaX)

私こういう神話とか神とか好きなんです!!

更新応援してます!
がんばってください!!


Page:1 2



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