複雑・ファジー小説

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ギミック
日時: 2013/10/12 13:45
名前: 417 (ID: ptyyzlV5)

「生きるって、決めたんだ」

無垢な彼はいなくなり、そこにいるのは血で手を染めた罪深き少年だけ。
さぁ、【ギミック】の開始だ。

はじめまして。417(シイナ)といいます。楽しんでいただければ幸いです。


※注意事項
その1:ものすごく残酷で、グロい表現もあります。そういったものが駄目な方は気をつけてください。

その2:初心者が書いています。更新はかなり遅いですが、首をながーくして待っていただけると嬉しいです。

その3:感想が大好物です。餌付けしてください。


《目次》
【零】>>1

ステージ1 「私立麗美高等学校」

【登場人物】>>8

【一】>>2 【二】>>3 【三】>>4 【四】>>5 【五】>>6

【六】>>7

零 ( No.1 )
日時: 2013/10/08 19:41
名前: 417 (ID: ptyyzlV5)


————————————————————
20xx/x/xx 0:00
————————————————————
From|ギミック運営本部
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To |xxxx様
————————————————————
SUB |ギミック参加資格
————————————————————
おめでとうございます!!あなたはギミックの参加資格を手にいれました!!

これよりあなたをギミック会場へと強制転移させていただきます。なお、ゲーム終了後、もとの場所へと再び転移させていただきますのでご安心ください。

ギミック会場へは、携帯電話と現在身に付けている衣服以外の持ち込みを一切禁止させていただきます。携帯電話による外部への連絡及びネットワークへの接続はゲーム中禁止させていただきますのでご注意ください。

ゲームクリア報酬は以下のようになっております。

・賞金百万円

・特殊能力のランダム追加及びステータス引き継ぎ

・次回ギミックへの参加資格


それでは、後武運をお祈りしております。



















運営本部はゲーム中の怪我及び死亡に関して一切の責任をおいません。ご注意ください。

ステージ1 「私立麗美高等学校」 ( No.2 )
日時: 2013/10/08 20:00
名前: 417 (ID: ptyyzlV5)

【一】


『おめでとうございます!!あなたはギミックへの参加資格を手にいれました!!』

たったらーん、という愉快なBGMと共に、その声はあのメールの最初の文を言った。

『それでは、これよりいくつかの説明をしますね!!』

ぴろぴろりんっ!!という音がして俺の前に青い半透明のパネルが現れる。その内容を俺は冷静に読み『声』を待った。

『今回のギミック会場は私立麗美高等学校になります!!会場は外部と空間を仕切らせていただきましたので、存分にゲームをお楽しみ頂けます!!構内地図はご覧のものを後程携帯電話へと送信させていただきます!!』

ぽーん、と音がしてパネルの内容が切り替わる。それとほぼ同時に同じようなパネルが更に三枚現れた。

『今回の参加者は7名となっております!!各参加者の名前、性別、年齢及び顔写真のみ公開しますので、その他の詳しい内容はゲーム中に自ら手にいれてください!!』

言い終わるとパネルは最初の一枚を残して全て消える。

『鹿波 翔貴(かなみ しょうき)様は4回目の挑戦ですね!!現在のステータスはこのようになっております!!』

【名前:鹿波 翔貴】
【クラス:学生・学者】
【レベル:32 (After:39,617)】
【付属能力: 鑑定(Lv11)
  精神統一(Lv6)
  祈り(Lv1)】
【所持金:2,765,430】

『それではこれよりあなたをギミック会場へと強制転移します!!後武運をお祈りしております!!』

もう4度目にもなる不思議な浮遊感。それを感じると同時に俺の視界は黒く染まった。

ステージ1 「私立麗美高等学校」 ( No.3 )
日時: 2013/10/08 22:24
名前: 417 (ID: ptyyzlV5)

【二】


視界はすぐに開けた。

あの慣れない浮遊感も消えて、同時に慣れてしまった“ひゅぃんっ”という音が聞こえる。それはこのゲームの開始を合図する音だった。

『サバイバルアクションゲーム《ギミック》へようこそ!!私はナビゲーターを務めます、トイズです!!ゲーム開始前に簡単な説明をお送りします!!』

音の招待は目の前に現れた光の球である。こぶしほどの大きさのそれは、続けて言葉を発した。

『このゲームはリアル脱出系RPGです!!《ステータス》に基づき、皆さまの強さが変化します!!ステータスは携帯のメニューからいつでもご覧になれます!!』

4回目の俺はこの先のセリフを知っている。ナビゲーターは、明るい声で残酷な内容を俺たちに突きつけるのだ。

『ゲームクリア条件は至って簡単です!!この学校のどこかにある出口から、鍵を使って脱出してください!!鍵は参加者の《命》です!!他プレイヤーを死亡させると自動的に鍵が手に入ります!!なお、脱出可能なのは1名のみです!!鍵は、全て手に入れないと脱出できません!!』

そう、このゲームは人殺しのゲームだ。誰かを殺さないと自分も死んでしまう。いわば、バトルロワイヤル。

『詳しい内容はヘルプをご覧になってください!!それでは皆さまの後武運をお祈りしております!!』

言い終わると、光の球は消えた。改めて辺りを見回してから、携帯を開き位置情報を確認する。

「第三校舎二階か…とりあえず、屋上にいくか」

どうやら今いる位置は歴史教室なる場所らしい。携帯を開いたついでに一通り他の参加者も確認して、それから携帯をしまう。

さらに教室から出る前に、掃除用具入れとごみ箱を確認していく。ごみ箱から収穫は得られなかったが、用具入れからは小さな鉄の塊を発見したのでポケットへと入れた。

教室の扉を静かに開けてそこから出る。周囲に気を配りながら、なるべく気配を消して息を殺し、屋上へと急ぐ。

三階まで上がり、四階へと行こうとしたところで俺は急いで階段を駆け下りる。二階まで来たところで渡り廊下をダッシュして第二校舎へ移動、そのまま適当な教室に入って内側から鍵をかけた。

腰を下ろして窓から姿を見えないようにするのと、足音がするのはほぼ同時だった。コツン、コツンと音がして、それは、教室の前を横切っていく。

音が完全に聞こえなくなると、俺は一つため息をついた。

「初めから【ギミック】に当たるとか……ついてねぇ……」

【ギミック】。それはこのゲームの名前であり、このゲームの醍醐味であった。

このゲームでは幾つものトラップが仕掛けてある。それらの総称が【ギミック】。これを利用し、戦う力を持たないものは鍵を手に入れるのだ。

先程俺が当たったのはモンスター系ギミックである。RPGで言えばフィールドに出てくる敵であるが、その強さはとてつもない。今の俺のレベルでは到底敵わないし、いったいどのレベルになれば敵うのかもわからない。

つまり、ソイツを見つけたら逃げる、というのが正解の選択である。ただし場合によってはスピードが車並みのヤツもいるので、要注意なのだが。

ともかく。幾つものルールによって縛られたこのゲームはクリア困難なものである。それでも俺は、目的があるのだから、死ぬわけにはいかない。

「……よし、やるか」

誰に言うでもなく呟き、俺は瞬きを一つして立ち上がった。


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