複雑・ファジー小説
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- 非現実を、どうぞ
- 日時: 2014/02/19 19:02
- 名前: 希捺 (ID: NhgkHXib)
初めまして。希捺という無名者です。
宜しくお願いします。
温かい目で見守って頂ければありがたいです。
■ご注意です。
∟荒らし等のコメントはご遠慮下さい。
∟誤字、脱字が入っていると思います。
∟話のバランスが悪くなっているかもしれません。
温かい目で閲覧お願いします。
∟コメント等(温かい)を頂けたら作者はとても喜びます。
では以上を踏まえたてんで、よろしければお読み下さい!
※全て短編集でつながっています。
しかし、短編といっても長編とほぼ変わらないので、そこの所ご了承のうえ閲覧をお願いします。
- Re: 非現実を、どうぞ ( No.1 )
- 日時: 2014/02/01 11:18
- 名前: 希捺 (ID: NhgkHXib)
【説明人】
ん。君は誰かな?あ、もしかして!君。アイツの文字見たでしょ?
ったくアイツは。ん?あ、俺?誰かって?俺は、あれだよ!あれ!ナツ、ナツってんだ。よろしくな。
俺はお尋ね者のお前なんかを話しかけんのが仕事なんだ。
あ、勘違いすんなよ?俺は女だからな?性別上!
にしてもお前、よくここまで来たな。っはは、そんな顔すんなよ。ちゃんと褒めてやってんだから。え?しつこい?それは失礼。
俺はお前の名前は聞かない。これはこっちのマナーだからな。聞いたらマナーに反する。
それで、だ。ここがどこか聞きたいんだろ?ここはな、言わば『中間』だ。『中間』。もうそのまんま、物と物、点と点とかの間の『中間』。そん中だ。多分。
う、うるさいな!多分の何が悪いんだよ。失礼だな。
コホン…。で、お前はその『中間』にいるだ。分かったか?
だから俺がここにいるんだ。来た奴がさ迷わないで良いようにな。良かったな、早くて。
話を戻すぜ。
ここ『中間』は複雑な次元なんだ。そんな訳かこりゃまたおもしろい仕組みになってんだ。うん。
え?どんな仕組みだって?そりゃあ、悪いが教えられねぇ。悪いな。けど、お前が思っている以上に悪いことじゃねぇぞ?
おし、俺が話すのはここまでだ。え、何うろたえてんだ?これからだろ?
と、その前に。お前には今から『傍観者』となってもらうぜ。勝手にここから違う次元に行ったらここの『中間』が崩れちまう。そんな訳だ。な?簡単だろ。良いか?だから『中間』世界から絶対に出るなよ?
え?じゃあどうすれば良いんだって?そりゃあ、ただただここから真っ直ぐ下に進めば良い。進めば分かるさ。
早くてもゆっくりでも全然変わんねぇしな!
そんでお前はこれから、皆に出会うんだ!…出会う?違うな、ただ見てるだけだし。けど、出会うのと同じか。
それじゃまるでどくし…違えよっ!!お前!良いな!?出・会・う・ん・だっ!
ったく、失礼な奴だぜ。
にしても…お前、面白いな。
けど、こっちも、おもしろいぜ?…だって、
———『非現実』極まりないんだから!
- Re: 非現実を、どうぞ ( No.2 )
- 日時: 2014/02/22 19:20
- 名前: 希捺 (ID: NhgkHXib)
【ヒーローなフリーター】
——01
そいつに出会ったのは随分前だったと思う。はっきりしない。
けど、そいつは出会いがしらに確かにこう言ったんだ。
「俺はヒーローやってんだ。お前もやるか?」
——幼い頃の俺は『ヒーロー』という単語に一種の憧れを持っていた。自分もいつかは絶対になれると思っていた。
将来の夢は決まって『ヒーロー』という言葉を口に出していたと思う。とにかく自分は悪のなんちゃらを倒して、胸をはれる奴になれる、と。
戦隊モノを見れば決まってそのキャラのまねをしてみたり。玩具を買ってもらいなりきったり。いろんな事をして『ヒーロー』になろうとしていた。
けど、それは時が経てばいつかは馬鹿馬鹿しくなり、放り投げてしまう。
現に自分がそうだったんだ。
小学校上級生になると、取りあえずは人の見方に気にして。サンタはいないだの、アニメなんてただの妄想だの。わざとらしく今時の世間話をしたり。
そして、俺もその時。もう知ってたかのように言ったんだ。まるで、過去の憧れを、夢を、すべてを否定するように。
「『ヒーロー』なんてこの世には存在しなんだよ」
この時の俺は、『見え』でしか行動していなかったんだ。
今時戦隊モノなんて、誰も信じない。まだ見てんのかって笑われる。からかわれる。馬鹿にされる。自分だって出来る奴だって思われたい。少しでも格好付けたい。
そんな欲望だけで、俺の今までの憧れは全て音も立てずに消え去った。
家に帰れば、部屋の隅には昔だだをこねてまでして買ってもらった自称『宝物』がそこに転がっている。
これは宝物にするんだ、と両親に真剣に話していた自分を思い出す。今思えば、すっごく恥ずかしい。けど、それと同時にうらやましくも思えた。
あの時は、真剣に自分の思いを伝えれば、それが悪だろうと善だろうと周りからはちゃんと受け取ってくれたんだ。
けど、今はどうだろう?
『ヒーロー』になりたいなんて真剣に言ったら、周りはちゃんと受け取ってくれるのだろうか?きっと笑われるだろうか、飽きられるだろうか、手遅れな奴だな、としか受け取ってくれないのだろうか。
誰が決めたのだろう。夢を制限する事を。
誰が決めたのだろう。夢を否定する事を。
誰が決めたのだろう。夢を、夢を捨てなければならない理由を作った事を。
何故?何故何故何故何故何故何故何故何故何故・・・。俺は夢を、憧れをこんな事で否定して、捨てて、消したのだろう。
現実ではありえないから?いいや違う。戦隊モノだって現実に人間の体でやってるじゃないか。
じゃあそんな事が、飛んだり、戦ったり、アクロバティックな事が現実では出来ないから?悪の組織なんてこの世には存在しないから?
いいや違う!!そんなの人間だったらちょっとでも練習すれば出来るじゃないか。アクロバティックなんてオリンピック選手だって同じようなことしてるじゃないか。
悪の組織なんて作らなくても、この世界には何千と超える悪者たちがいっぱいいるじゃないか。
そう。俺は、
ただ、ただただ、勇気が無いだけなんだ。
しようとしてないんだけなんだ。
一歩飛び出すのを恐れているんだ。
——ただそれだけだったんだ。
これじゃあ、幼い時の俺が聞いて呆れるな。
ただの『見え』で、夢を消した俺は一体どんな罪がくるのだろうか?しかしそれは、来るものなのだろうか?俺のは分からない。だがしかし確実に分かっていることは。
『後悔した』という事だけだ。これは絶対に否定なんて出来ない。
はたから見ればものすっごく小さく、だからこそ大きい失望感。
この時僅か中学に上がる前に、俺に降りかかったんだ。じわじわと。復讐するかのように。
- Re: 非現実を、どうぞ ( No.3 )
- 日時: 2014/01/24 21:28
- 名前: 希捺 (ID: NhgkHXib)
かれこれ高校に上がると、俺は勉強に追われ考える時間さえ進路についてのことを入れ込む始末だった。
大学を卒業し、やっと一人暮らしを始められた俺はまだ無職、いわゆるフリーターだった。そんな俺は唯一つ得意だった人見知りの無さを有効活用し接客業のアルバイトでやり繰りしていた。
店の評判も案外上々で何事にもあんまり不便な事もなく、今までも、そしてこれからも続いていくと確信していた。
だが、俺の人生はそんなに味気ないものでも無かったらしい。
「え?俺に、仕事のオファーっすか?」
それは突然舞い降りてきた。
店長が言うには大手企業会社が俺の接客を評価してくれたらしく、来月からこっちで働かないか、という話だった。
俺は思わず耳を疑った。自分を誰かが評価してくれた事など、しかも赤の他人の人からされたことなど今までの経験上まったく無く、俺は反応にちょっとばかり遅れてしまう。
「マジっすか?」
「おう、マジのマジの大マジだ!すごいぞ、ここの会社。年間約50人程度しか雇わない超超超スーパーエリート会社だよ!年間の売り上げは2億なんて軽いらしいぞ!良かったな!」
だんだん、少しずつでも確かに、興奮していた。今までに無い幸運のチャンスがめぐって来たのだ。誰が興奮しない?
最初の間抜けな面からだんだん興奮が脇立ち、手や足が軽く震えだしてきた。心臓なんてさっきの倍の速さで波打っている。
やった、やった!やったやったやったやった!!よっしゃああっ!
心の中に響き渡る大喝采。今まで感じることのなかった喜びが体から、脳から響き渡る。
こんな事、今まで一度も無かった。ただ平凡に、仕事をこなし、食事して、寝て、起きて、仕事をこなして——……。
今、やっと俺は報われるのだ。これからは頑張って来た分が一気に帰ってくるのだ。
金持ちになって、家族が出来て、生涯を楽に暮らして行けるのだ!…おっと、これはまだ早すぎるか、なんてことを思いながら俺は店長の言葉に耳を傾けた。
「君がいなくなることは我が社としても痛いところだけど、君は行く気満々だし書類を渡しておこうかね」
どうやらそのまま顔に出ていたらしい。店長は苦笑いしながら店内の奥の自室に向かって行った。
しかし今は、俺は思った以上に舞い上がっており、全く持って店長の話に耳を傾けるどころか聞いてさえいなかった。
ただただ、自分はこれから大手企業の某社で働き、そしてその先の明るい未来を軽く妄想しきっていた。
- Re: 非現実を、どうぞ ( No.4 )
- 日時: 2014/01/24 21:37
- 名前: 希捺 (ID: NhgkHXib)
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わたし、は。にんげんが。きらい、なん。です、
いえ、ちがい。ますねはい、『かんじょう』が。きらい、なんです。はい。
なぜ、にんげんには『かんじょう』が。あるのですか、?。
『かんじょう』なんて。きえれば!いいの。に
わたし、は。まいにち、おもうの、です、!。
にんげんに。『かんじょう』が、ねくなれば。どれだけのことが、ね。すっきりね、するか。
わたし、は。かんがえた、のです、
そして。ついに。ですね?。わかった、のです。
この、よ、から。
「人間を、動物を、植物を、エネルギーを、自然を…全てを!『消せ』ば良いんだって…!!!!!!
ねぇ?そうでしょう?わたし、は。——そう。思うの、」
だから———。わたし、は。
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