複雑・ファジー小説
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- Aerial skydive【早速ですがキャラ募集!】
- 日時: 2014/05/17 22:37
- 名前: 芳美 ◆CZ87qverVo (ID: gOBbXtG8)
- 参照: トリップ作成しました!
またお前かよ!
……と、思う方もいらっしゃることでしょう。芳美です(笑
此度は私の第一作品である[Aerial girl]をリメイクすることにしました。
リメイクとは言っておりますが、恐らく前作とは内容が変わってきます。
そのままなのは大凡設定だけで、他は……微妙です(笑
お知らせがあります。
まず、私は家の事情で平日の更新が出来ません。更新は一ヶ月に数回という亀速度ですのでご了承を。
あと、前作よりのキャラ引継ぎは行いません。改めてオリキャラを募集します(下記にてテンプレートあり)
以上を持ちましてご挨拶とさせていただきます。
あ、ハンパな小説はなるべく書きたくないので、ご指摘などあれば遠慮なくお願いします。
◇ ◇ ◇
オリキャラ応募用テンプレート(下記の注意事項に目を通してください)
名前:
性別:
年齢:
容姿:
性格:
武器:
魔法タイプ:
覚醒能力:
主人公との関係:
備考など:
SV:
注意事項
・名前は和名不可です
・世界観がちゃんとしたファンタジーではないので、武器はなるべく現実的なものでお願いします。
(刀などなら許容範囲)
・魔法タイプは、攻撃、補助、回復、妨害の四つから選んでください。
・覚醒能力とは、この小説に出てくるキャラが使える十人十色な能力です。
覚醒した際に発揮する能力を、お好きなように書いてください(チートと判断した場合は不採用となります)
例えば、主人公は覚醒すると空中を自由自在に移動できるようになります。こんな感じのノリで。
・主人公との関係は基本的に自由です。血の繋がりだけは勘弁してください。
・SVはなるべく、一人称や口癖などが分かるようにお願いします。
◇ ◇ ◇
キャラ紹介(オリキャラ含む)
※物語の進行度にあわせて徐々に増えていきます。
エアリィ・フェザード ♀ 15歳
本作の主人公。穏和で優しく、人当たりがいい。
武器:弓
覚醒能力:空中浮遊
魔法タイプ:???
オリキャラ一覧
コッコさん>>1 >>10 雷羅さん>>2 通俺さん>>3 再英78さん>>4 モンブラン博士さん>>5
パーセンターさん>>11 琴吹さん>>18
◇ ◇ ◇
目次
—序章—
一話 〜ある日の事〜 >>8
- Re: Aerial skydive【早速ですがキャラ募集!】 ( No.23 )
- 日時: 2014/05/18 17:27
- 名前: 芳美 ◆CZ87qverVo (ID: gOBbXtG8)
エアリィは弓を持って外に出てみたが、生憎ここは裏路地。人など全くいない。
だが別段、見せびらかしたいわけではなかった。彼女は気を取り直して柄を手に握り、クルクルと回して遊び始めた。
何かトリックが出来るような、マジシャンのような雰囲気を漂わせながら。
「きゃっ」
そうして裏路地を少し歩いたその時、何か空気を切り裂くような音が至近距離で聞こえた。
振り向くとそこには、何故か黒い鎧を着た男が剣を持って立っていた。
眩しいほどの金髪に黒い眼がよく映えており、その眼はエアリィに本能的な恐怖感を与えている。
「だ、誰……」
身体が震えるのが分かる。恐らくは、殺人鬼と言ってもいいオーラを醸し出している。
「死ね」
すると男は、正に問答無用といった風にいきなり斬りかかってきた。
いきなりすぎてエアリィは戸惑いかけたが、自分の持っている弓に気付いて反撃を始めることに。
大きく後ろへ飛び退き、その最中に弓を構える。引き分けの動作をした頃には、やはり光の矢が現れた。
すると男は現れた矢を見て、驚いたような表情を浮かべて一瞬だけ動きを止めた。
止めた時間は瞬き程度。それでも十分だ。エアリィは慣れたような手つきで番えた光の矢を、男の腹部へと放つ。
すると矢は、光速と言っても過言ではないスピードで飛んでいき、男が動きを止めている間にその鎧を粉微塵に粉砕した。
やったか。そう思ったエアリィだが、どうやら甘かったらしい。
所詮は鎧が砕けただけで、男は傷一つ負っていないのが現実。
鎧が砕けた衝撃で仰け反りつつも、男は殺気をむき出しにしてエアリィに斬りかかる。
恐らく、先ほどと同じパターンは通用しないだろう。
エアリィは弓の柄を真ん中で切り離し、二本の短剣を作り出す。同時に弓が輝きを増した。
気の抜けない接近戦で、エアリィは右袈裟に斬りかかってくる男の剣を受け止めようとした。
が、力の差で受けきれずに押し退けられ、尻餅をついてしまった。これは絶体絶命である。
案の定、男は無言のまま振り下ろした剣で、エアリィを切り裂かんといわんばかりに切り上げ攻撃を繰り出す。
瞬間、エアリィは腹部から胸部にかけて激痛が走るのが分かった。どうやら剣で切り裂かれたらしい。
エアリィは滴る血さえも無視し、無理矢理に立ち上がると男に立ち向かっていく。
◇ ◇ ◇
その後はとても善戦したとは言えず、エアリィは身体中が傷だらけになって動けなくなった。
男は息を切らせながら、切っ先をエアリィに向ける。
自分はこのまま死ぬのか。そう思ったらしいエアリィは、痛みで意識が朦朧とする中で目を閉じた。
が、衝撃は何時までも来なかった。
代わりに、何か金属同士がぶつかる嫌な音が聞こえた。
恐る恐る目を開けると目の前で、やたら厚着の男がゼルフの剣を凌いでいるのが見えた。
エアリィは、その人物をよく知っている。
「クレセント?」
「ヒヒヒッ、どうしたエアリィ? 随分と派手にやられてるじゃん」
クレセントと呼ばれた厚着の男は、男の攻撃を受け流しながらエアリィをちらちらと見ている。
「おっとぉ、やるじゃんゼルフちゃんよぉ」
「貴様……」
ゼルフと呼ばれたその男は、クレセントの撹乱するような戦法に苦戦していた。
やがて、エアリィを背後に控えたクレセントとゼルフの距離が開いた頃。
クレセントは右手を刀から放し、放した右手から、彼の身体から絶えず溢れる冷気を集め始めた。
「さぁーて鎧野郎、どこから氷漬けになろうか? えぇ? ヒャハハハ!!」
「ちっ……」
両者の睨み合いが続く。
◇ ◇ ◇
「エアリィ!」
しばらくして、彼女の名を呼ぶ声が響いた。
振り向く元気も無いらしいエアリィは、ただその場に倒れこむ。
やってきたのは彼女の友達である〈シルフ・コルネリウス〉とリノンだった。
「やぁっ」
小さな気合と共に、背後からやたらと速いスピードでリノンが飛び出してくる。
彼女の手には、透き通るような青色をした刀が握られている。それを振りかざし、彼女はゼルフの残った鎧を切り裂いた。
対応しきれなかったらしいゼルフの肩鎧が砕けるように地に落ちる。
その隙にクレセントは、ゼルフの足を一瞬で氷漬けにした。
「エアリィ、大丈夫!?」
「シルフ……」
やってきた少女シルフは、エアリィの身体に触れた。
「すぐに治してあげるからね!」
すると、温かな白い光がエアリィを包み始めた。
シルフが使ったその特殊な魔法で、エアリィの傷は徐々に治癒されていく。が、彼女からの出血量はかなりのものだった。
大量出血で死ぬ可能性だってある。
「ニャハニャハ! それまでですよー下衆の凡人ども!」
そうしてシルフがエアリィの治療を試みていたとき、どこからともなく不思議な笑い声が聞こえた。
かと思えば、エアリィの隣に居たシルフは、突然の衝撃と共に吹き飛ばされた。
悲痛な彼女の悲鳴が響く。そのまま彼女はクレセントの方へと飛んでいき、彼と衝突。倒れこんでしまう。
「シルフ……うぅ、誰……」
見れば、化粧でもしたかのような白い顔に口紅を塗った男が、シルフを殴り飛ばした後かのような態勢で近くにいた。
「さて、ゼルフさんが劣勢なようですね……」
突然現れたその男に、一同はその見た目に一瞬判断力を失った。
そんなことは気にしていないらしい男は〈トミーブレッド〉と名乗った後、足元で傷を抑えて呻くエアリィを見下す。
「エアリィさん、でしたか。私は貴方に恨みなどありませんが、ゼルフさんの野望のために死んでもらいますよ」
「いきなり、何、よ……」
トミーブレッドが足を振り上げる。どうやらこのまま蹴り飛ばすつもりらしい。
再び眼を瞑る。
その時エアリィは、誰かの声を聞いた気がした。
聞き覚えのある声だった。それも聞いたのはつい最近。昨夜、コッチダヨと呟いていた女性のような声だ。
心なしか、その声は自分の声と似ている。
(思い出すのよ。貴方が幼い頃、叶えたいと望んでやまなかった夢を……)
脳裏に直接響くような声は、そう言っていた。
- Re: Aerial skydive ( No.24 )
- 日時: 2014/05/18 17:44
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
芳美さんへ
おお!トミーが戦っていまね。これからどうなるのか楽しみです!
- Re: Aerial skydive【早速ですがキャラ募集!】 ( No.25 )
- 日時: 2014/05/18 18:22
- 名前: はにわ ◆wrfkg3Dbu. (ID: AwgGnLCM)
さっそくシルフが活躍していて嬉しいです。
芳美さんの様々な描写がすごいと思いました。
日常から戦闘まで……!!
更新楽しみにしていますね。
- Re: Aerial skydive【早速ですがキャラ募集!】 ( No.26 )
- 日時: 2014/05/24 21:50
- 名前: 芳美 ◆CZ87qverVo (ID: gOBbXtG8)
モンブラン博士さん
トミーはかなりの強敵だと、私は思いました。
きっとこれから、出番はいくらか多めにあるかもしれませんね(笑
はにわさん
この戦闘場面でどうしても回復役が必要だったので、貴方のキャラは助かりました!
褒めたって、こんな私なんかからは何も出ませんよ(笑
のんびり更新していきますね。
- Re: Aerial skydive【早速ですがキャラ募集!】 ( No.27 )
- 日時: 2014/05/24 22:24
- 名前: 芳美 ◆CZ87qverVo (ID: gOBbXtG8)
幼い頃の記憶が甦る。
エアリィは当時、いつもペンギンのように空を見上げていた。
空を飛べたら、きっと心地いいだろうな。私も鳥みたいに空を飛びたいな、と、切なる夢を胸に抱きながら。
(そうよ。私が今も望んでやまないこと……それは……)
自由に空中を翔けたい。鳥の気分を味わってみたい。
エアリィは心の中で、何かと何かが繋がった気がした。
あの女性の声が聞こえるようになってから、まるで自分の心と絶縁するかのように引っ掛かっていた何かが。
目を見開いたエアリィ。その瞳は、真っ赤に染まっていた。
トミーはそれを見て、思わず彼女を蹴り飛ばそうと構えていた足の態勢を崩す。
エアリィは怪我の痛みさえも忘れ、弓を元の形に戻して後方にジャンプしながら弓を引いた。
光の矢が形成される。狙いはトミーの心臓。
たちまち矢は放れ、放たれた矢は複数に分かれ、光速でトミーへと襲い掛かった。
トミーは飛んできたそれらを、殆ど拳だけで防いで見せた。一部は急所をはずれ、命中する。
が、彼にとってこの程度の怪我は怪我のうちに入らない。
そのようなこと以前に、トミーはエアリィを見て驚愕の表情を浮かべていた。
エアリィが、空中に浮いているのだ。
これはエアリィ自身も驚くはずだが、何故か彼女は、この空中浮遊が出来て当たり前だと思えていた。
自分はただ、空中を移動したり浮いたりできる。それだけだ。まるで呼吸をするように。宛ら歩くように。
彼女は更に上空へと上がると、これでもかという量の光を凝縮した矢を天に向けて放つ。
それは空中を上がっていく時点でまた複数に分かれ、そして流星の如き矢の雨をトミーとゼルフにお見舞いした。
落下速度も目に見えて上昇している。二人は受けきれず、圧倒的な矢の雨を前にして膝をつかされた。
◇ ◇ ◇
一方その頃————
「ん?」
サロペットスカートの肩紐を外しているという独特な容姿の配達人少女〈ユーリ〉
愛用のスケートボード〈アスカ〉で配達に回っている最中、彼女は何か空中に浮かぶ人物を見つけた。
加速機能がついたそのボードを止め、視線を空へと向ける。
(あの子って……)
下着の露出で向けられている視線も気にせず、ユーリは目を凝らして見た。
すると、いつも配達先にお邪魔している民家に住む少女〈エアリィ〉であることが分かった。
(あーもう、あたしも負けてらんないっ!)
途端に謎の対抗心を燃やし、彼女は先ほどよりもハイテンションで配達業に戻った。
◇ ◇ ◇
トミーとゼルフが戦闘不能になったのを確認したエアリィは、ゆっくりと舞い降りて地へ足をつける。
が、何故飛んでいるのかという仲間達の疑問を解消する前に、彼女はまたその場に倒れこんでしまった。
そのまま意識は、闇へと落ちていった。