複雑・ファジー小説

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その壁を壊す者【オリキャラ募集中】
日時: 2015/11/28 10:56
名前: ヌイミ (ID: 3h.gdFM2)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode=view&no=113



上半身は人間、下半身は魚という不思議な身体を持つ生き物______人魚。
彼女らは、その美貌で陸上に生きるものを惑わせ、海の底へと誘い、そして喰らう。

ではもし、そんな生き物が代償もなしに陸上へ上がる事が出来るとしたら、我々人類はどうなってしまうのだろう?



どうも、ヌイミと申します。
上の参照を押せばオリキャラ投稿が出来ます。個性溢れるオリキャラをお待ちしています!!
何か疑問があれば、ご遠慮なく質問してください。(ネタバレの質問は無し)
    

【8/18(火) 全話削除しました。理由はリク依頼・相談掲示板に書いてあります。
新しい気持ちで本作を読んで頂けると嬉しいです】

Re: その壁を壊す者【オリキャラ特別枠募集中】 ( No.20 )
日時: 2015/11/21 23:14
名前: 正義 (ID: VBgkspJi)

期待してます

Re: その壁を壊す者【オリキャラ特別枠募集中】 ( No.21 )
日時: 2015/11/22 13:49
名前: ヌイミ (ID: 3h.gdFM2)

正義様、ありがとうございます!!
貴方のオリキャラを使わさせて頂きましたが、いかがでしょうか?

喋り方や性格など、大丈夫でしょうか...?

Re: 海の底で ( No.22 )
日時: 2015/12/07 20:13
名前: ヌイミ (ID: 5A9iE8mS)



冷たくて暗い、光など一筋も届かない深海。
彼女らはそこで海の王国を築いていた。その広さは、陸の合計面積よりもはるかに大きい。

王国の第二王女、コーラルは沈没した金属製の大きな船の先端部分に腰かけていた。
彼女は長い睫毛を伏せていて、表情は回りの者を寄せ付けない程険しい。
そんなコーラルに、白銀の髪に赤色といった容姿の人魚では大変珍しい男性人魚が近寄った。身体には程良く引きしまった筋肉がついていて、シックスパックがくっきりと浮かび上がった腹は、剣さえもを弾き返すのでは、と思える。
コーラルは彼に視線だけ向けると、小さな声で言った。

「....コルウィンド、今日の死者数は」
「はい、おそらくここに居ない者も含めて10万を越すかと」
「...そう、ですか」

彼女はコルウィンドという従者から視線を反らし、俯いた。
また、人間か。
瞳が、怒りでゆらゆらと揺れ動いている。

「人間は、この事を知っているのですか?」
「いいえ。ですが、存在は既に知られています」
「....でも、眼中には無いという事ですね」

彼女は更に俯くと、「私達人魚は、このまま滅びていくかもしれないのに....何故お父様は動こうとしない」と独り言のように呟いた。
だが、人魚の中でも五感が優れているコルウィンドには丸々聞こえていた。
彼は、拳を胸の前において彼女に向き直った。

「姫様、私は王ではなく貴女に仕えるものです。...貴女のご命令全てにこのコルウィンド、命が尽きるまで従います」

意味有りげに、感情を込めて言った彼。
コーラルはその言葉を聞いて肉厚で艶やかな唇に弧を描き、その澄みきった青い瞳でコルウィンドを見つめた。
美しいとしか言い様が無い彼女の表情に、彼の頬はほんのり赤く染まる。

「ありがとう、コルウィンド......じゃあ早速聞いてくれますか?」
「はい、勿論」

______私達人魚は、陸上に上がります。

Re: 少年少女 ( No.23 )
日時: 2015/12/07 20:23
名前: ヌイミ (ID: 5A9iE8mS)



「人魚を見た、だぁ?」
「そう、本当に、本当に見たのっ!!」
「あー、テレビと漫画の見すぎね」
「違うって、本物を見たのっ!」

海を一望出来る広い遊具が充実した公園に、頭の高い位置にポニーテールをしている子供らしい言葉使いの幼い少女と、子供にしては大人びている少女と同い年くらいの少年が、何やら言い争いをしていた。
二人とも背中をはみ出す程の新しいランドセルを背負っているということは、小学校低学年なのだろう。
夕日が水平線に沈みゆくほど、とっくに下校時間は過ぎている。
それでも帰る様子を見せない彼らの言い争いは、周りから見れば微笑ましい図に過ぎなかった。

「じゃあその人魚ってやつの姿どんなだった?」
「え?んーと、その人魚さん、服着てたから全部は分からないけどね、足が人間みたいに2つに別れてるんだけど、お魚さんみたいな赤い鱗がびっしり張り付いてたの。でも、顔はモデルさんみたいに綺麗だったよ?」
「...お前な、海の生き物が人間の服なんて着てる訳ねぇじゃん。それに何で人間みたいに足が2つに別れてんだ」
「...そ、そんなの知らないもん!でも見たのは本当なの!」

顔を真っ赤にして大声で叫ぶ少女に、少年は「うるさい」と一括した。
彼女はそう言われて何かを言いたげな顔をしたのだが、今度もまた「うるさい」と言われるんだろうなと思い、黙った。

「面白くないっ」と心の中で叫び、彼の顔からプイッと目を反らしたその時、少女の目は遠くにある一点だけに集中された。
その一点とは、モデル並みにスタイル抜群の女性。
足の大部分がズボンで隠れているが、少し動く度にチラッと足首が見える。
その足首には少女が言っていた、赤色の鱗。
自分の友達が言ってたのと、全く同じ特徴。

そんな女性の隣には、至って普通の平凡な男性がいた。
彼の目線は彼女の大きな胸と綺麗な顔だけに注がれていて、足首の鱗には気づいていない。

少女は、くいくいと少年の服の裾を黙って引っ張った。
「なんだよ」と言って振り向いた彼だが、少女の目線を追っていくと、少年の身体は固まった。恐らく、足首の赤い鱗を見たからであろう。

幼い二人の視線に気づいていない女性と男性は、突然歩き出したかと思うと、近くの細い路地へ入って行った。
少年少女は、そこへと引き寄せられるように無意識に歩き出す。
路地では、女性が積極的に身体を男性に密着させていた。

「...ねぇ、良太さん。実は私、貴方に秘密にしていた事があって...お願い...引かないでね?実は私...」

息を荒くして興奮している男性の耳に女性が柔らかそうな唇も持っていくと、先ほどの艶やかな声は無かったように、殺気が籠った低い声で囁いた。

「人間、超嫌いなんだよね」

___ドスッ。

肉を貫く鈍い音が、狭い路地に響く。
「え...?」と状況を理解していない男性の腹を、女性の腕が貫通していたのだ。
男性が白眼を向いたまま力なく地面に倒れると、女性の腕は自然に抜けた。
彼の腹には拳1つ分くらいの穴が空いおり、血がドクドクと溢れ出している。
そんなグロテスクな光景は、少年少女の身体を震えあがらせた。
この場から逃げ出したくても、身体が動かない。男性の真っ赤な血で染められた手を舐める女性の姿から、目を離せられない。

「.....は、不味」

彼女はそう言いながら血塗れとなった手を振ると、突然少年少女の方へ振り向いた。
最初から二人がいると気づいていたようで、何も驚きはしなかった。

「あら...お嬢ちゃん達、どうしたの?殺されにきたの?」
「あ...あ」
「フフ、怖いの?」

妖艶な笑みを浮かべた女性はその真っ赤な手を少年の頬に添えた。

「大丈夫、直ぐ楽にしてあげるから」

彼女は、恐怖で固まったまま動かない彼の頬から手を離すと、振り上げた。
そして______

Re: 庇った幼馴染み ( No.24 )
日時: 2015/12/07 18:26
名前: ヌイミ (ID: 5A9iE8mS)

「ダメっ...」

聞き覚えのあるソプラノの声が聞こえたのと同時に、肩を思いきり押された。
支えも何も無かったので、地面にそのまま倒れこむ。

その瞬間、肉が割けるような音がした。
そして、血飛沫が路地の壁や少年の服や頬にかかる。
まさかと思いながら、叫び声が聞こえた方へと恐る恐る振り向いた。

そこには、肩を割かれ大量に血を流している少女が立っていた。
「あっ...」と声をあげたかと思うと、男性と同じように力なく地面に倒れた。
顔は真っ青で、呼吸をしている様子がない。

「あらら、健気ねぇ人間ってのは」

女性はそう吐き捨てると、動かない少女をずっと見つめている少年に歩み寄った。
彼は暫く動かない少女を目を見開いて見つめていたが、女性の足音が耳に入ると、子供とは思えない憎悪で満ちた目付きで彼女を睨んだ。
女性はそんな彼の喉を掴み、持ち上げた。

「良いわねぇその憎しみに満ちた目。凄く、凄く苛つくよ。...でも、ここで壊すのはちょっと勿体ないかな」

彼女は少年を投げ捨てると、首に一筋の深い切れ込みを入れた。
少女程ではないが、血が大量に溢れ出す。
少年は怒りと憎しみで、その程度の痛みなど全く感じていないようであったが。

「私はカルラ。坊や、あんたがイイ男になったらきっとまた姿を現すよ」

女性、カルラはどんどん体温が下がって冷たくなってしまった少女を抱えると、路地の奥へと消えて行った。
少年は少女を取り返そうと身体を動かしたが、予想外に血が出てしまったためか、視界がぼやけ意識を失った。


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