複雑・ファジー小説
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- 妖忌憚〜狐、実力主義系高校へ行く(押し出される)編〜
- 日時: 2015/09/18 15:44
- 名前: 多分茄子の人 (ID: 1N.hNLVr)
初投稿です。よろしくどうぞ。
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時は近未来。
妖が世にあふれ出る西暦2150年。日本人口の約八割が妖怪や人外、よくわからないものになったこの時代。
それでいてなぜか秩序は取れ、妖怪の人権(?)が確立されたのは聞くに新しくはなくなった。
そんな中。
冬になったばかりのアパートの一軒家には、濡黒の髪をぼっさぼさにした残念妖怪が住み着いていた。
遺伝的には結構いいとこの坊ちゃんのはずなのになぜこんな風に
アパートでぬくぬくしているのかは後々語るとして、
一応主人公の彼のことを少し詳しく紹介してみよう。
彼の名は狐塚鳴孤。れっきとした妖狐である。種別で言うと黒狐。
年は御年14歳。あまりのやる気の無さに実力主義の親が憤慨し、押し出されるように遠くのアパートへと引越しさせられているどっちかというと不憫な少年である。
そして今現在彼は超ブルー。理由は三つ。
一つは、いつの間にか実力主義系高校へと受験させられ、受かってしまっていたこと。
もう一つは、それが親の陰謀で、そこに通わないと家賃が払ってもらえないこと。
そして、明日が入学式だということ…。
「クッソ…あんのばばぁ…ざけんじゃねぇぞ。何が悲しくて親の好きな高校通わにゃならんのだ、マジでふざけんじゃねぇ…」
ごろん、とこたつの中で寝返りを打ってぼやく。
しかし、そこへいかないとこの炬燵が使えなくなってしまうのだ。
袋から出しもしない制服を見る。
白い生地に赤の刺繍。ボトムスはベージュ。
顔面偏差値の高い奴らが着たら女子は黄色い歓声をあげるんだろうが、鳴孤にはなにがいいんだか全く分からなかった。
今派手で動きにくそうなものより今着ている着流しで俺は十分、ぐらいにしか思っていなかった。