複雑・ファジー小説
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- 頭の隅の記憶・本当の力
- 日時： 2016/01/25 19:11
- 名前： 白狐 （ID: dRebDXey）
白狐（しろぎつね）と申します。こちらの小説はオリジナルで初投稿のものです。誤字等あるかもしれませんが、まぁ、苦笑いで見逃して下さい！宜しくお願い致します。
〜人物設定〜
主人公
曉 嗣杷(あかつき つぐは)
霊を祓うことができる
記憶が混合している
無気力
前世は……
曉 珎杷(あかつき うずは)
嗣杷の兄
霊を祓う、陰陽師の力があるとかないとか
明るい
曉 砕杷(あかつき さいは)
曉神社当主
陰陽師の子孫
曉 希京(あかつき ききょう)
曉神社当主の妻
霊を祓うことが出来る
霊に憑かれやすい
天然
今のところはこのぐらいで
では、本編に
？「嗚呼、やっと出逢えたな……我が＿＿よ…。ソナタに逢えるのをずっと…待っておったぞ？」
？「何事じゃ？」
？「おぉ。＿＿か、我が＿＿が逢いに来てくれたのだ。」
？「これは、＿＿よ。久しゅうございますな。かれこれ、＿＿年ぶりですからな。」
貴方達は確か………
カーテンの隙間から入る程よい光に目を覚ました。
「また……か…」
最近は同じ夢を何度も見る。しかし、始まる場面も終わる場面も全て一緒。僕に真実を知られないようにしているみたいだ。自分の記憶の中に夢のような場面は一切ない。だが、何故か見覚えがある。
「一体、だ「起きろーー！」
？「朝からグダグダしててもしょうがないだろ？さぁ、起きろ、嗣杷」
嗣「…………起きてるよ、珎杷兄さん…」
珎「全く、こんな時間まで寝て〜、そんなんだから憑かれやすいだよ」
嗣「僕は母さんの血が濃いんだから、仕方ないだろ…」
珎「今日は父さんと修行の日だぞ、嗣杷」
嗣「分かってるよ、兄さん。着替えたら行く」
珎「あぁ、さっさとこいよ？」
きっと普通の人なら『修行』っていつの話だ？と思うだろう。だが僕は曉神社の息子であり、霊を祓う力を持つ人間だ。僕の父、砕杷は昔で言う陰陽師のような力を持っている。母、季京は霊を祓う事が出来る、が、母は霊に憑かれやすい。それに、よく霊と会話をしている。端から見れば危ない人だろう。僕の兄、珎杷は母と父、二人の力を持っている。でも僕は母の力しか持っていない。それにとても力が弱い。霊を祓ったとしても、その後、2日は寝込む。そのため、父や兄から毎日稽古をつけてもらっている。しかし、力が強くなる傾向は見えない。頑張るだけ無駄なのだろうか？
父「来たか、嗣杷」
嗣「遅れてごめん、父さん」
父「いや、構わん。しかし遅れた分頑張って貰おう」
〜修行後〜
嗣「ねえ、父さん人が同じ夢を続けて見るのは、何かの暗示？」
父「夢は自分の記憶の一部とか、同じ夢を続けて見るのは、大事な記憶と云うのを父上から聞いたぞ？何かあったのか？」
嗣「いや別に……。ありがとう、それじゃ」
嗣「はぁ、記憶の一部…か………んん〜〜……わかんないよ！」
夢の出来事に真か否か…
後にこの真実を知るのは2人ほど……
夢の彼らは何者か…人か妖…
鍵を握る人物を自分だというのを嗣杷は知らない…
〜続く
- Re: 頭の隅の記憶・本当の力 ( No.8 )
- 日時： 2016/01/26 19:27
- 名前： 白狐 （ID: wW0E9trr）
暗闇の中で木刀を振るう。今は朝４時。誰も起きていない。それに太陽だって出ていない。春先だがやはり暗い時間は寒い。しかし、僕にとってそんなことはどうでもよかった。ただただ、木刀を振るう事だけを考えた。
嗣「もっと、強くならなくちゃ………
!」
この世界は弱肉強食。弱者は尻に敷かれる。しかし、這い上がり強者になるものもいる。僕はもう、二度とあのトキの様なことは起こさせない。もっと強ければ……きっと………………………………………………………………。あれ？
嗣「あのトキって？」
僕は何を言っているのだろうか。あのトキとはどの時？いつの話？知らないよ、僕は。……………………これは誰かの記憶？夢の【アイツ】が色々な者の記憶が混じっていると言ってたっけ？それにしても、何故アイツらがそんなことを知ってるんだ。
嗣「アイツらは何者？」
「アイツらって？」
嗣「!!!!!!誰だ！…………珎杷兄さんか……」
珎「俺じゃ悪いかよ？」
嗣「何？兄さん」
珎「いや、特に。只、目が覚めただけだ。にしても、こんな朝早くから稽古とは感心、感心。父さんも喜ぶな？しかし、何でこんな早くに？」
兄さんは僕をじっと見つめる。
嗣「強くなるため………」
僕はさっきまで思っていた事を言った。でも兄さんはじっと、狐のような目で僕を睨む。なんだか、全て見透かされそうな気がした。
珎「そうか！！！！！」
嗣「 ビクッ! 」
急に大声を出した。何事かと僕は思った。
珎「お前、当主決めの為にしてるんだな？」
嗣「いや、ちが「やっぱりな！熱心だな♪」
違うのに。どうして人の話を聞かないんだ、この馬鹿は。昔から兄さんはこうだ。早とちりし過ぎ。落ち着けよ!心の中でそっとツッコミをいれる。
はぁ、疲れた……
嗣「寝よ」
珎「ちょっ、何処行くんだ？」
嗣「湯浴びして、寝る」
珎「おう！風邪引くなよ」
嗣「はぁ、ほんっと疲れる。兄さんは一体何を言い出すか分からないし、馬鹿だし、アホだし、煩いし、今日に限って何でこんな早くに！」
心に秘めていたことを全てぶちまける。少しはスッキリした気がする。
嗣「ふわぁ、寝るか…」
スースー
規則正しい寝息が部屋にこだまする。もう少しで夢に入りかけた時、大変な事が起こった。体が動かなくなり、声が出ない。これだけならまだ良かった。呼吸もすることが出来ない。金縛りだ。このままだと死んでしまうのでは、と思うくらい。目を開け辺りを見る。しかし何もいない。次の瞬間金縛りが解けた。と同時に夢の中に吸い込まれていった。
〜続く〜
- Re: 頭の隅の記憶・本当の力 ( No.9 )
- 日時： 2016/02/20 10:29
- 名前： 白狐 （ID: wW0E9trr）
「嗣乃覇様、お目覚めになられたのですね。今日も良い日和で御座いますね。そろそろ、桜も綻ぶ季節で御座います。お花見等のご用意も始めなくては行けませんね。………………気が早すぎると？確かにそうかもしれませんが、私は貴方様と共に桜を見物したいのです!…………私はやらなければならない事があるので失礼致します。」
今のは誰？
嗣乃覇って？
目覚めた？
なんの事？
これも夢？
僕の記憶？
いつの僕？
この時代は？
一体何？
教えてよ!誰か…
あぁ、頭が痛い、吐き気がする、眼も見えない、息が出来ない、口が乾く、震えが止まらない、全て、全てが痛い、痛イ、いタい、イタィ、居たい、イたイ、！
僕は誰何だろう
そもそも、生きる価値があるのだろうか
最期は皆同じ
生きてても仕方ない
嗚呼、苦しい、寂しい、哀しい、愛しい、愉しい、可笑しい、虚しい、愉しい、愉しいな!!
アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
主はオマエじゃない、ボクになるんだ。そうしなきゃ、護れない、コロされる、恐れられる、僕が護るんだ。
- Re: 頭の隅の記憶・本当の力 ( No.10 )
- 日時： 2016/03/08 18:21
- 名前： 白狐 （ID: wW0E9trr）
珎杷 視点
どーも！嗣杷の兄、珎杷でーす。とまぁ、ふざけるのは止めて、最近、嗣杷の様子がどうもおかしいんだ。前は凄ーく、だらだら過ごしていたのに、今は、色々と一生懸命なんだ。兄として弟の成長は嬉しい。だが、少し不自然な動きを時々する。急に寝たり、何かぶつぶつと言っていたりと、凄く心配なんだ。
この前、早く起きた時アイツは稽古をしていた。その時も何かぶつぶつ言っていた。まぁ、俺は声をかけたんだが、その時の驚きっぷりたら、すげぇ面白かったぜ!話が逸れたな。
色々俺は質問したんだが、ピンッとくる返答が返ってこなくてな…。そのあと、アイツは風呂に行ったけどな。
俺は深く考えていたんだ。前に父さんが
「曉の者の記憶は色々な方の記憶が混じっている子が産まれる事がまれにある。その者には前世の記憶も残っている。そして、その記憶を夢にみる。」
そう言っていた。俺はそんな記憶の一部だと思う夢を見たことはない。だが、もし嗣杷がその【子供】だとしたらきっと凄い事になるだろう。それに、当主決めで俺の勝ち目がなくなる可能性もある。だからと言って特に何ともないんだが、ただ、俺が思っているのアイツが心配という事だけだ。
- Re: 頭の隅の記憶・本当の力 ( No.11 )
- 日時： 2016/03/09 22:36
- 名前： 白狐 （ID: wW0E9trr）
嗣杷視点
今日も深い夜が明けた。中学校の春休みも今日で最後だ。明日は友達に会える。でも、少し憂鬱だ。家でぐだぐだしていたい。でも、義務教育はそうはいかない。僕は学校が嫌いというわけではない。ただ、何かとあの場所はいつも多いんだ。僕の嫌いなものが…。明日には３年生。なにかと行事などを引っ張らなくては…。
冬のような銀景色とは違い、春はすべてが美しく生まれ変わる。
嗣「やっぱり、春はいいな」
母「そうねぇ〜」
………………………………………………………………………………
嗣「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！母さん！いつからそこに？」
母「やだわ〜、嗣杷ったら。私はさっきから此処にいたわよ？」
嗣「それなら声をかけてよ。もぅ……………」
母「そんなに驚くとは思はなくてね。」
全く、この母親は何を考えているんだか……。
母「悩み事があるんじゃない？」
嗣「……別に」
母「そう………。知りたいことがあるなら調べなさい。探したい物があるなら探しなさい。聞きたいことがあるなら聞きなさい。自分の思うように、人生突き進んで行くのです。もし、自分の道を見失ったとしても、その道は再び現れる。自分の未来を決めるのは自分自身よ、嗣杷。」
嗣「うん、そうだね。母さん。自分の道を探してみるよ。」
母「それでこそ、曉家の息子です」
…………………………………………とは言ったものの、知りたいこと・探したい物・聞きたいこと……………か。いまは良く分からないや。僕の…僕自身の道ってどんな道なんだろうか。いつか分かるのかな。
うつらうつらと春の暖かい風のせいで、僕はねむってしまった。夢を、あの者たちのことを知りたいと思いながら。
嗣「………………………………………………ん。眠っちゃってたや。はぁ、あの者たちのこと知りたいのに、なんで出てこないんだろう。」
そのようなことを思いながら廊下を歩く。庭では枝垂れ桜が華やかに立っている。その隣には梅ノ木が。鶯も鳴いていて風流である。この景色が夏にはどう生まれ変わるのか。早くそれを見たい。しかし、ゆったりと季節が変わっていくのを眺めるのも僕は好きだ。この日の本に生まれて本当の良かったと思う。例えそれが普通でなかったとしても、誰かが僕のことを嫌っていようが好きでいようが、この場所にいる事ができる、ただ、それがうれしいのだ。
明日の学校の準備をしよう。１番に学校につくように。仲のいい友達と早く会えるように。明日が凄く待ちどおしくなってきた。長く深い夜が早く明けてしまえばいいのに。
- Re: 頭の隅の記憶・本当の力 ( No.12 )
- 日時： 2016/03/09 22:32
- 名前： 白狐 （ID: wW0E9trr）
仄かに香る桜の匂い
僅かに揺れる人々の心
鳥たちも陽気に唄いながら
この季節の訪れを祝っている
暖かい匂い・新しい出逢い
何が僕を待ち受けているのか……
嗣「……………ヤバイ!!新学期早々寝坊した!!」
昨日は早く寝たというのに何故起きれないんだ。僕のアホ、馬鹿、ノロマァ!ていうか、そんなことよりいち早く学校に行かなきゃ。
珎「寝坊か？」
母「御飯は食べていかないの？」
父「朝から頭が冴えなくなるぞ？」
嗣「要らない！とにかく、いってきます！」
僕は走って学校へ向かおうとする。しかしその僕に、神社の２００段もある階段がたち憚る。何 故 こ ん な 多 く。今だけ、御先祖様を恨みます。
ギリギリ遅刻せずに間に合った。もう僕のＨＰは残り僅かだよ……。何故こんな……。
？「新学期早々遅刻かぁ？嗣杷」
嗣「煩い、笑いたきゃ笑えばいいだろ周」
周「ハハッ、冗談だって。朝からお疲れさん。」
コイツは周。僕の昔からの友達、幼馴染みである。
嗣「にしてもまた一緒なんだね、クラス」
周「まぁ、いーじゃん!楽しいしな？」
？「おはよう、二人とも、また一緒だね？」
周「おぉ、来たか!癒斗」
コイツは癒斗。同じく幼馴染みだ。
嗣「3年でも宜しくね？癒斗」
癒「うん！宜しく」
新学期の始業式で一番大変なのは先生の話を聞くことだ。どうでもいい話を2~30分も本当に長い。他のことを考えて気をそらしているとやっと話が終わった。一旦教室で10分の休憩だ。僕らは他愛のない話をして楽しんでいた。
周「なぁなぁ、お前らは休み中何処か行ったか？」
癒「僕は特に何処にも行ってないよ？ずっと本をよんでたよ」
嗣「僕は稽古やら色々と大変だったから……そういう周は何処か行った？」
周「いーや、何処にも」
どうでもいいことでも楽しくてつい時間を忘れてしまう。休憩時間が終わり自分の席に着く。学級会だ。委員長等を決めようと準備をしている。
先生「誰か、してくれる人はいないか？」
生憎このクラスにはそういう感じの人がいない。無駄な時間が過ぎていき、最終的に推薦で決める事になった。そこに僕の名前があるのは気のせいだと思いたい。
先生「じゃあ、評を取るぞ。手をあげろよ。1、嗣杷………………2、モブa………3、モブb…………よしっと。嗣杷に決定だな。頼むぞ、嗣杷」
何 故 こ の 僕 が。はぁ、ついてないなぁ。 隣で周はニヤニヤ笑ってるし、癒斗は相変わらずだけどね。