複雑・ファジー小説

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不老不死は、眠れない。
日時: 2016/08/29 20:05
名前: 波坂@携帯 (ID: ZTqYxzs4)

どうも波坂です。
気分転換として書きはじめました。



人間は、もしもあらゆる願いを叶えると言われた場合。何を思い浮かべるだろうか。
莫大な財産。超常的な力。絶世の美貌。そしてーーーー不老不死。
人間の最高にして最悪の欲望。甘く美味い毒。
そしてこれは、不老不死の人間の、長い永い物語。



この小説は基本一人称視点で書いています。


>>1「俺は不老不死」by不老不死の人/>>2「フハハ!殺れるもんなら殺ってみろ!」by不老不死の人/>>3「空から〇〇〇〇が降ってきた」by面倒嫌いの人/>>4「こんなんニーターや!」byニーターの人/>>5「私は屑だ」by三流記者の人/>>6「異形だったよ」by三流記者の人/>>9「私は生きていた」by人を踏み台にした人「元気百倍!」byアソパソマソ/>>11「こんにゃくと卵下さい」by一級死亡フラグ建築士/>>12「貴様が悪の元凶か……」by有名人(笑)/>>13「ふざけるなよ」by約2013歳/>>14「壁ドン顎クイの威力(物理)は凄かった」by現在進行形で喰われてる人/>>15「アーユーオーケー?」by通りすがりのトム・ウィルソン/>>19「や、山姥だぞ」by人喰い妖怪/>>20「……喋るの久しぶりだったし」byヤマンバちゃん/>>21「一回死になさい」byスーパー☆BBA妖怪/>>24「お前達の考え世紀末過ぎるぞ」by寂しかった人/>>25「「大の大人がすると気持ち悪いぞ(悪くてよ)」」by妖怪ダブルス/>>26「許してやれよ。王国も破綻寸前なんだよ」by妖怪の朝ごはん/>>27「俺のライフはもうゼロよ」byタ〇シード仮面/>>28「後で覚えておいてよ?」by中二病的要素の塊/>>29「黒歴史がまた一ページ追記された」by梨の妖精

Re: 不老不死は、眠れない。 ( No.1 )
日時: 2016/03/21 17:17
名前: 波坂@携帯 (ID: DJvXcT4Z)

どうも。
俺の名前は伏見茨ふしみいばら。不老不死の怪物だ。
ん?ああ、確かに急にそんなことを言われても意味不明だな。まあ、今の俺の状態を見ればわかると思うけどな。
だって俺の腹ーーーーおもいっきりかっ裂かれてるからな。




「ああもうひでぇ奴だな」

そんなことを呟きつつ俺は天を仰ぐ。降り注ぐ日の光りと俺の容姿だけはどの時代も変わりやしない。勿論服装は時代に合わせた物を着ている。
俺が今でも心底行きたいと思っている天を仰いだ理由。それは俺のダイナミックに裂かれて内蔵が心底吐き気のするチラリズムを醸し出している腹部だ。少なくともいきなり腹を刃渡り五十センチもあるやつで裂く奴なんざいつの時代にも……あー。いたわ。あいつら三倍くらいの刃渡りの刃物振り回してたわ。確か……八百年前位か?自分の歳すらうっすらとしか覚えてない俺にそこまでの記憶力を求めるのもおかしいことだな。
うわ。服が血まみれ血濡れで赤いデザインになってやがる。
別にいいけどこれ周りに見られたらまずいよな。つーか病院に行くのが一番危ない。最近の病院は俺の事分かっちまうし……。仕方ない、川に飛び込むか。



あーあ。腹は治ったけど服がもうダメだな。ダメージファッションじゃ押し通せない位に豪快に破れてやがる。
それに川の水で服が肌に吸い付いて気持ち悪い。不老不死は痛みに強いけどこういうのには弱いんだよな。なめくじとか塩かけるだけじゃ気が済まないね。
さてと……取りあえず家に帰ってきた訳だが……あ、そろそろこの時代の俺の戸籍は八十歳になるからいい加減死んだフリして戸籍消さねぇと。
取りあえずありきたりな安アパートの小部屋に帰り着いた俺は風呂に浸かる。あー。いい湯いい湯。
俺は今日傷があった部位を見るが綺麗さっぱり跡形もなく治っていた。

「今日も……死ねなかったな」

おっとついつい口癖が出てしまった。
でもな。それも仕方ない事だぞ?不老不死はつまらない。みんなもやめとけよ。魔人のランプ拾ったら不老不死じゃなくて彼女欲しいとか言った方がいいぞ。
親も兄弟も……ええと千年ちょい前に先立った。その子供も孫も既に逝ってしまったし、その子供や孫もいなくなった。
愛した女性も数百年前に逝き、子供も孫も先立ち、その子供が事故に遭い俺の子供は根絶やしになった。
その間辛いことは沢山あったし、死にたくなった事もあった。いや、今も死にたいと思っている自分がいる。
自殺なら既に試したさ。
首吊りは息苦しくなって終わったし、飛び降りは足が粉々になった。切腹は痛い割にすぐに治った。最近では睡眠薬の過剰摂取とか青酸カリ飲んだりとか王水とか飲んだが何も起こらなかったし、電車にミンチにされても一時間後位には体が全部治ったし、腕を切っても勝手にくっついた。焼身は焼ける速度を上回った再生が起こった。
全てが全て、それなりに苦しかったし辛かった。が、どれも俺を殺す事はできなかった。
俺は憎い。自分をこんなのにした過去の自分が憎い。


おっと話が暗くなったな。
通り魔については大丈夫だろう。だって俺は死なない死ねない殺されないの三拍子揃った不死身なのだから。

Re: 不老不死は、眠れない。 ( No.2 )
日時: 2016/03/25 18:26
名前: 波坂@携帯 (ID: DJvXcT4Z)

僕は殺人鬼だ。
正確に言うのなら、通り魔という部類だ。
通行人を無差別に殺す殺人鬼。それが僕だ。
僕は別に金が無いだとか恨みがあるだとかそんな理由で殺しをしない。
ではなぜするのか?答えは簡単。『楽しい』からだ。
いや、快感を覚えると言った方がより的確かもしれない。
そんな僕は今日、スキップしたいほどにいい気分だった。
なぜなら昨日殺した人間があまりに愉快だったのだ。
僕に刺された後、何を血迷ったのかそのまま橋から飛び降り川に着水したのだから。一体何を思ってそんなことをしたのかは不明だが、僕はその頭の悪さに大爆笑してしまった。
さて、今日は誰を殺そうか。そう思い周りを見渡した時だった。

「馬鹿な……」

癖のある髪に加えてボサボサの髪型が清々しく感じる程に荒れた髪型をし、そこそこ高い身長。顔立ちは二重の目に細くも太くも無い眉毛で人の良さそうな印象を受ける。
この男はまさしく昨日殺害した愉快な男だった。
僕にその時湧いた感情は何だと思う?喜び?悲しみ?違う違う。
噴火するほどの怒りだ。
僕はいままで誰一人として殺し損ねた事は無かった。しかも殺されかけても堂々と街中を歩く?ふざけているとしか思えない。

決めた。今日はアイツを徹底的に殺す。

そう決めた僕は右ポケットに折りたたみ式のナイフを忍ばせソイツに近づく。
そしてそのまま接近しーーーー思い切り開いたナイフを脇腹に刺し、そのまま数センチ程切り裂く。
この感触。この殺しの快感。これだから殺しは辞められない!
僕は興奮しつつも更にナイフを走らせ人体を布のように裂いていく。
僕はどんな表情をしているかを伺うためにその顔を覗きーーーー驚愕した。
なぜならその顔はーーーー憐れむ様な表情だったからだ。



どうやら昨日の一件はこの大人しそうな少年の仕業だった。
だけど運が悪かったな。今の俺は不老不死だ。どうやっても何をやっても俺の命の炎が消える事は無い。
俺は掌でナイフを掴み、自分の腹から抜くとそのまま片手でへし折る。不老不死は人間の枷を気にしないで肉体を破壊するレベルの力を出せる。なぜなら再生が始まるからだ。
俺の腹がゴポゴポと音をたてて沸騰するかのようにうごめく。
ぽんっ!と軽い爆発的なものが起こった後に俺の腹は治っていた。

ーーまた死ねなかった。

まあいい。ゆっくり方法を考えよう。そういう風に気を取り直して俺は少年の頭にげんこつを下す。げんこつじゃあ済まないくらいの音が鳴る。あ、やべ、力の枷を嵌め忘れた。まあいままでツケだと思え。もうやんちゃは控えろよ。
そして、俺はその少年の精神を折った。

Re: 不老不死は、眠れない。 ( No.3 )
日時: 2016/03/29 13:43
名前: 波坂@携帯 (ID: DJvXcT4Z)

どうも伏見茨だ。
早速だが質問だ。
もし仮に、空から人が降って来たらどうなると思う?
答えは単純に、『下敷きになった人間が死ぬ』、もしくは『降ってきた人間が死ぬ』だ。
何故こんな話をしたのかと言うと、俺は只今絶賛下敷きになっているからだ。
上から美少女とはとても言い難い。というか少女ですらないおっさんが俺の頭に垂直落下のドロップキックを狙ったかの様に直撃させたのだ。そのまま俺達は共倒れ。つーか首が折れて外れた上に頭蓋骨にひびが入ったのが地味に痛い。ま、すぐに治るけどな。
つーかおっさん大丈夫か。おいしっかりしろ。俺は面倒な事がこの世で三番目に嫌いなんだ。因みに一番は理不尽。二番は生ごみだ。臭い。
と取りあえずこのスーパークレイジードロップキックを決めやがったおっさんは救急車を呼ぶことにした。俺は勿論走って逃走する。
いや、俺頭治ったし。完治したし。こんなの病院に見られたら面倒だ。
周りが急に走り出した俺に注目するが、俺は速やかに逃走をするためにそんなことは気にせずに走りつづけた。だから見ていなかった。ーーーー目前に突っ込んで来たトラックを。

ブレーキ音と破砕音が混じり合った狂気的な音が俺の耳を刺す。つーか俺めっちゃ飛んでね?今のは肋骨が数本折れ、背骨と腰の骨にひび。痛い痛い。止めて。俺のライフポイントはもうゼロだって。バーサーカーソウル使った某カードゲームのアニメの主人公でも止めるレベルだぞこれ。
壁面に激突する。がはっ!内蔵から出血した!そして……止めてぇ!俺にトラック突っ込んで来ちゃらめえ!
そんな俺の願いも虚しく壁面とトラックで俺が挟まれるという奇妙なサンドイッチが完成する。血はケチャップかな?
女性の甲高い悲鳴が周囲を駆け巡り人々の注目を集める。あの?ミスマダム?俺全然大丈夫だよ?死なないよ?不老不死だよ?ちょっと?皆さん写メを撮らないで。むしろさっきのおっさんの心配をしてあげて?俺今体治ってーーーー腹に穴空いてる……。
あまりのグロ系の気持ち悪さに俺は吐いてしまう。血を吐いたせいでグロい感じ三割増しになってる!何という悪循環!
ええい!こうなりゃやけくそだ!俺は顔を隠しながらトラックを持ち上げた。
そしてそのトラックを思い切りぶん投げる。hahaha!シズちゃんの気分だぜ!反動で俺の両手が粉々となり、腰と背骨が折れて愉快な音を響かせるが気にしてられない。俺は再び逃走を始めた。痛い!やっぱり気にしないとか無理!不老不死だって痛いものは痛い!
そしてこの時の事を俺は後悔している。だって俺…………この時の動画が動画サイトにアップされちまったもん……。

波坂「凄くグロいシーンなのに凄く軽い」

Re: 不老不死は、眠れない。 ( No.4 )
日時: 2016/04/08 20:05
名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)

 例の動画が投稿されて一週間が経った。
 そして、俺こと伏見茨は引きこもりとなっていた。
 いやさ、確かに今までほぼニートみたいな、つーかニート生活してたよ? だけどさ、しっかり働いたりしてたんだよ? なのに今では完全なニートだよ。チーター(不老不死)のニートでニーターだよ?キ○オウさんもびっくりだよ。
 そして俺がニーターになった理由、それは窓のカーテンを開けば分かる事だ。
 俺はカーテンを開けてーーーー安アパートに小バエの様に群がるマスコミどもに向けてうんざりしてため息をつく。
 本当に人がゴミの様だ。俺に気づいたマスコミどもがフラッシュと質問の機関銃で弾幕を張ってきたのでカーテンを閉め、テレビをつける。
 ニュースではお隣のおばちゃんがインタビューされていた。

「確かに、あの人ちょっと怖かったのよね」

 おいBBA、この前北海道土産の白い○人渡したときめっちゃ喜んでたよな? 今度お前の家のポストに生ゴミ詰め込んどいてやるからな、覚悟しとけよ。



 やばい、考えてみれば一週間も人が飲まず食わずとかまずくないか?
 いや、ため込んだ食料食ってるってマスコミは考えるだろうがそれが三ヶ月も続けば……うん、まずいな。
 とりあえず、いつか外出しないといけないらしい。
 全く、現代は面倒だな。本日二度目のため息を漏らしつつ俺は思う。
 カップ麺に熱湯を注ぎながらこう付け足す。

「……カップ麺は便利だけどな」


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