複雑・ファジー小説
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- 私の夏休み。
- 日時: 2016/03/26 11:11
- 名前: 詩歌 (ID: 7HladORa)
中学二年の夏休み。
それはおそらく人生の中で一番の出来事が起こった夏だった。
それは、最悪でもあり、最高でもあった。
*キャラ紹介
・瀬野 優花 (せの ゆうか)
主人公。中学二年。ポジティブ思考でよく笑う。実は泣き虫。
・篠原 涼 (しのはら りょう)
主人公の彼氏。中学二年で優花と同じクラス。物静かで何考えているのか分からないのが優花の悩み。
グダグダ作者ですが、精一杯頑張って書いていきますのでよろしくお願いします。
- Re: 私の夏休み。 ( No.1 )
- 日時: 2016/06/27 20:44
- 名前: 詩歌 (ID: 7HladORa)
「優花。」
「…何?」
「お母さん達海外旅行行ってくるね!!」
「はぁぁぁぁ!?」
中2になって最初の休み、夏休みに入った私は、初日に母親から驚愕の事実を告げられた。
「だってえ、優花海外行きたくないんでしょ?」
「い、行きたくないけど…」
そう、なんとなくなのだが私はあまり海外は好きじゃない。
「だからお母さん達で行ってきちゃおうと思って!」
「だからってさぁ…私夏休み中1人で過ごせって言うの?」
祖父母はすでにいない。それに私は料理があまり得意ではないのに(作れないことはないが)どうやって過ごせと言うのか。
「大丈夫よ!お母さんの知り合いの家に居候させてもらうように頼んであるの。」
「えぇ〜……」
両親の身勝手な理由で私は知らない人の家に行かなければならないのか。
「大丈夫よ。優花の知っている人の家だもの。」
「え?誰?」
「ほら。涼くんの家。」
「はぁぁぁぁぁ!?男子じゃん!!」
篠原涼。同じクラスで、仲のいい男子だ。…そして、彼氏。
- Re: 私の夏休み。 ( No.2 )
- 日時: 2016/06/27 20:42
- 名前: 詩歌 (ID: 7HladORa)
「だって〜お母さんとお父さん、もう一回でいいから、新婚旅行で行ったところに行きたいって思っててね?」
「…それは何回も聞いた…!」
「でも優花は海外行きたくないって言うじゃない?
それでさーちゃんに話してみたら、優花が良ければ家に泊めてやってもいいよ〜って。」
さーちゃんというのは、涼の母親のことで、本名は篠原 さや。
中学時代からの同級生らしく、何かと仲が良い。
「いや良くないから!」
「ね、一生のお願い。こんなこと今じゃないと出来ないんだよー。」
「いや出来るでしょ。」
「ふふ、まぁね。でも、お願い。」
その時の母親の顔は、普段楽観的なそれとは違い、今まで見てきた中で、何故だか印象的なもので。
それを見た私は、渋々頷いてしまったのだった。
そしてその日のうちに私が居候させて貰うための準備をし、ー母親達の旅行の準備は既に整っていたらしいー翌日の朝、親が空港へ行くついでに私は篠原涼の家へと送られたのだった。
ここまで来ては、もう後戻り出来ないのだという、今更ながら後悔の念が押し寄せてきた。
了承してしまった理由に、涼と一緒にいられるという、中学生らしい下心もあったのかもしれない。
いや、あったのだろう。
車を降り、荷物をトランクから下ろすと、既に母親はインターホンを押して涼の母と話していた。
ふと見たそのときの自分の母親の顔も、何か印象に残るものがあった。
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