複雑・ファジー小説

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Lost Silver【オリキャラ募集中】
日時: 2016/04/24 15:27
名前: 燈月リン (ID: 7XOfSzGy)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode=view&no=575

あの時の母は、随分いつもと姿が違っていた。
手足には動きにくそうな枷。服は背中が丸見えとなった生地の薄いワンピース。普段露出を嫌う母ではあり得ない格好だった。
不安になった私が「何処にいくの?」と聞くと、儚げに微笑み「貴族様の所へ」と短く答えた母。
まだ幼かった私には、彼女の言った“貴族様”が何を指しているのかさえ分からなかった。
______私はあの日以来、母の姿を見ていない。




はじめまして、燈月リンです。
上の参照の部分を押せば、オリキャラ応募が出来ます。
興味がある方は是非行ってみてください!

Re: 一話 Silver ( No.1 )
日時: 2016/05/01 11:05
名前: 燈月リン (ID: Xgilb50Q)

「____イ。ルイッ!」
「......ん?」
「ん?じゃねぇよ。寝過ぎだ」

そう呆れた感じで言った彼は、まだ完全にハッキリとしていない私の頭をバシッと結構強めに叩いた。まさか叩かれるとは予想もしていなかったので、思わず「わっ」という間抜けな声が出る。お蔭でだんだんと意識が戻ってきたが、叩かれた部分がジンジンと痛んだ。私はそこを片手で擦りながら、相手を思いっきり睨んでやった。

「...ちょっと湧、寝起きの人にそれはキツいよ」
「知るかってーの」

んなもん起きねー奴が悪い、と続けて言うこの彼は、伊吹湧牙。実は私と彼は幼い頃からの繋がりで、世に言う幼馴染みという奴。焦げ茶色の髪に綺麗な緋色の瞳を持つ湧は、顔は良いクセに口が悪い。本当、もったいない位に。
昔はまだマシだったのになーなんて思っていると、湧は手に持っている懐中時計を見て小さく呟いた。

「...時間だ。さっさと準備しろ」
「うん」
「ニ分でな」
「えっ」

そんな無茶な、と言う前に湧は私の部屋から出ていってしまった。つまり、私の準備時間はもう始まっているという事。
私は急いで室内用の服を脱ぎ、外出用の洋服に着替えた。黒いネクタイと短パンに白のTシャツという、とてもシンプルなコーディネート。更に指先が無い黒の手袋を嵌めた。
そして______ナイフの形をした、五つのSilverをベルトに差し込む。
Silverとは、人間を体内に取り込む事で永遠の命を保つ“不死者”を唯一葬る事が出来る、御守り兼私の武器。命の次に大切な物だ。そして“不死者”とは___と説明したい所だが、今は時間が無い。
私はSilverに欠陥が無いか最終チェックをした後、湧の後を追うように急いで部屋を出た。


「___どう?間に合った?」
「残念、ギリアウト」
「いやいやいや、滑り込みセーフでだったしょ」

その夫婦漫才のような会話に、ロビーに集まっていたメンバーの大半がクスクスと小さく笑う。それに気づいた私が周りを見ると、今回の作戦に参加する全員が揃っていた。どうやら、私が一番最後だったらしい。ここでやっと、湧が私を急かした理由が分かった。


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