複雑・ファジー小説
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- ノアの失態
- 日時: 2016/05/10 22:12
- 名前: 良識 (ID: ct0d6aAp)
○ご挨拶
初めまして、ハンドルネーム「良識」というものです。
良識というのは特に深い意味はないので気にしないでオーケーです。
初めてこのサイトに投稿、もとい小説のようなものを書くのでいろいろ至らない点がございます。閲覧する際はそばに寛容な心か、それに準ずるものを準備しておくことを強くお勧めします。
もし、不快な点、よかった点がありましたら遠慮せずにコメントしてください
第1章
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ノアの箱船という話を皆さんはご存知だろうか?そう、かの有名な聖書の一節である。
曰く、神様は地上の人類の堕落ぶりに失望しました。
曰く、神様はそんな「失敗作」をこの世から消し去ってしまおうと考えて、史上最大の洪水を巻き起こしました。
しかし、信心深き敬虔なる老人ノアだけには洪水を起こすことを事前に伝え箱船を作らせました。そして、箱船に乗り込んだノアの家族、ノア本人、人間以外の動物たちを残して人類は地上から消えてしまいました。
神様はその後、もうこのようなことをしないという約束の印に空に虹をかけました。
ふと、俺の頭に浮かんできた話は、子供の頃に聞いた話だった。確かノアの箱船という話だったはずだ。
なんでまたこんな話を思い出したかはわからない。人間、体を動かすと脳みそが活性化するというから、そのせいかもしれない。でも、今日はブドウ糖をまともにとってないから頭が活性化してるはずもない。
もしかしたら、神様からの啓示かなんかかもしれない。誰だろう?キリストか?モハメッドか?それともシャカか?いずれにしても今度から家のドアに「神様お断り」のステッカーを張る必要がありそうだな…
なんて、くだらないことを考えながら俺は昼下がりの市場を歩いていた。
道の両脇に所狭しと並んだテントの露店が道なりにどこまでも続いている。
何かが焼ける香ばしい香り、ものを売る旅商人の威勢のいい掛け声、ほこりっぽく乾いた空気、怪しい雰囲気をまとった怪しい男、店主と客が喧嘩する声、どこのものだかわからない毒々しい色合いの果物達、学校帰りの学生達の談笑、おばさん達が騒ぐ音、またどこからか掛け声、その他目が回りそうになる音、音、音、色、香り、匂い、匂い、音音音音。
こんな世界中の感覚という感覚を集めたような空気の中、俺は今日も行きつけの飯屋に迷わず歩いていくのだった。
- Re: ノアの失態 ( No.1 )
- 日時: 2016/08/13 19:03
- 名前: 良識 (ID: ct0d6aAp)
「おお、川洲じゃあねぇか。あいも変わらず昼間から暇そうで何よりだぜ、人は汗水たらして働いてるってのによぅ」
と、軽薄な声が隣から聞こえたのは俺が丁度焼きそばを食べ終わると同時だった。
「全く、そんなゴツい図体してんだから建設現場かなんかに行きゃあいいのになぁ」
そんなことを言いながら声の主、峰ヶ崎は俺の横に座った。
チッ、やっと飯が終わって、これから町をブラブラしようと思ってたところなのに。招かれざる客とはまさにこのことだ…全く、間が悪い。
「俺はバイトとか、教会のこと手伝ってるからいいんだよ。お前に心配されるほど俺は落ちぶれちゃいねーから心配するな。じゃあな」
そう言ってさっさと飯代を払って逃げようとした。何が悲しくて午後の優雅なひと時を無駄にしなきゃならんのだ…
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