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複雑・ファジー小説
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- 足跡
- 日時: 2016/06/25 23:49
- 名前: エンガワ ◆/y4.ea6MEU (ID: JD0cm25P)
目的地は何処だっけ?
ゴールは何処だっけ? ホームは何処だっけ?
行き着く先は? 帰り行く場所は?
ただ立っていた。
立っていたんだ。
明日も昨日もなかった。
追い風も向かい風も、力になんて出来なかった。
風に身をゆだね、空を飛ぶ翼など、最後まで手に入るはずもなかった。
風に身をあらがい、その元へと辿る地図なんて、最初からその手になかった。
その終わりの果てへ、その始まりの果てへ、飛び立つ幾つもの旅人を、隊列を、見送った。
時にその顔に手を振り、時にその背中越しに祈り。
瞳には幾つもの光が映され続けた。
だけど、それを映す自分の瞳が輝くことはなく。
やがて、景色は滲んでいった。
悔しかった。
走り行く足音が聞こえる。
笑い合う掛け声が聞こえる。
それらの音も、やがて消え、残響も酷く曖昧になった。
声は消え。
輪郭はかすれ。
真っ直ぐに目的地へと歩むことの出来ない自分だけを知った。
そもそも目的地など見つけられない自分だけを知った。
やがて、決めた。
決めたんだ。
とにかく歩むことを。
迷子になることを。
歩み続けるんだ。迷子になり続けるんだ。
この地面に立つ両足を、目的地そのものにしよう。
世界は広く。
道は分かれ。
ここが何処かなんてわからない。意味も光も、無いだろう。
でも、その両足がふれる接触面が、僅かな、でも自分の場所。
揺れ続け、惑い続ける目標地点。
これまでの足跡は随分と散らかっている。でも、愛おしい。照れくさくも、抱きしめてやりたい。
これからの足跡は何処へ向かうのだろう。明日の自分の頭をぽんと叩けるよう明後日に迷ってやれたら。
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