複雑・ファジー小説
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- 新戦国時代、歴史絵巻
- 日時: 2016/08/12 17:34
- 名前: はにわ (ID: lBubOowT)
ある日突然、歴史上の偉人たちが現代にタイムスリップ!
当然その中には戦国武将たちも含まれていて、時代は平成から戦国へとなる!!
戦国の世となった日本は、あっという間に武将に支配される。
やがてその戦いは世界をも巻き込んで………?
- Re: 新戦国時代、歴史絵巻 ( No.1 )
- 日時: 2016/08/12 17:45
- 名前: はにわ (ID: lBubOowT)
・霧島 駆
この話の主人公で現代人。剣道部所属の高校二年生。各大会でも輝かしい結果を残す神童。
祖母からは薙刀、祖父からは弓道を教わっており、武道に関しては高校生の中でもトップクラスであろう実力。ちなみに射撃も得意。現代が戦国時代となったときにそれらを伊達政宗に気に入られ、伊達政宗の部下となる。
・伊達 政宗
東北から関東を中心に戦う戦国武将。他の武将から市民を守るなどしているため、現代人からの人気は厚い。また、駆のことを気に入り部下にした。
某ゲームの様に六本の刀を使って戦う、六刀流を得意とする。部下のことを信頼しており、その関係は主従関係というより友達である。ちなみにイケメン。
- Re: 新戦国時代、歴史絵巻 ( No.2 )
- 日時: 2016/08/12 18:51
- 名前: はにわ (ID: lBubOowT)
「やあっ!!」
鋭い音が空を斬る。だがそこに、既に標的はいなかった。
「どこを見てるんだい、駆」
後ろから声がした。ゾクリとすると同時に、薙刀が自分に向かって振りきられるのがわかる。咄嗟に、薙刀の先端を声のした方に向ける。
キイン、と薙刀同士がぶつかる音がする。
「いい反射神経だね。だが、態勢が悪いねえ」
婆ちゃんが薙刀を下げて、突きの姿勢に入る。さっきの一撃を防ぐのに精一杯だったため、前のめりになる。
「せぇいっ!!!」
衝撃が自分の腹にやって来る。防具もしているし、ましてや相手は七十歳を過ぎた俺の婆ちゃんだ。全く、どこからこんな力が出るっていうんだ。
「はあっ、はあっ、なんで、こんな、威力の、突きが、その年で、できるんだよ」
「経験ってやつかのう」
婆ちゃんはにこやかな笑みを浮かべる。それはさっきまでの厳しい表情とは違って、優しかった。
「どれ、オリンピックの様子はどうだろうねぇ。金メダルは何枚取ったのかしら」
そう言いながら、婆ちゃんはテレビを付ける。俺も今日の競技は気になっていたから、テレビに目を向ける。
『緊急速報です。突如、全国に馬に乗って剣や銃を所持した集団が出現しました!他にも槍や弓など、危険な物を持っている人が大勢います!皆様、できる限り外出しないようにお願いします!!
どうやら映像が入ったようです!ご覧ください!』
映像を見た婆ちゃんの顔が曇るのがわかる。たちまち顔に皺が出るのがわかる。
「あの格好、あれは戦国時代のものだねえ。どこからともなく現れたんだと、気味が悪い」
婆ちゃんの言う通り、それはゲームで見る戦国時代の兵士そのものだった。
映像が切り替わる。
「あれは…貴族見たいな格好だな。いや、もしかしてあれは……」
その男が持つ扇子には、『平』と書かれてある。もしやあの、平清盛ではないか?
「外が騒がしいねえ。ちょっと表に出てみるとするか。駆、薙刀と木刀を用意しなさい」
戸惑いつつも、薙刀と木刀を手にとり、玄関に向かう。
ドアを開けると、そこには、刀を鞘に差した男が二人いた。
「どうする。味方の兵の行方は不明、おまけに今いる場所もわからんと来た。私は不安で仕方がありませんよ」
「俺に聞くんじゃねえよ、それより信長様だ、信長様の安全が一番だ」
「お取り込み中悪いが、ちょっといいかい?」
婆ちゃんは臆することせず、兵に向かって声をかけた。
「……なんです?私たちは今、非常に困っているのですが」
「あんたたちは誰だい?」
「は、見りゃわかんだろ。俺らは織田の兵士だ。それよりここはどけだ?」
「……2016年の東京だよ」
「は?おい婆さん、今は1562年…」
「いや、きっと正しい。周りを見ろ、そうでもないとこの発達した建物のことを説明できん」
きっと、タイムスリップってやなのだろう。それで全国で変な人たちが現れたのだ。
何かが動く気配がした。
ギィン!!
「む、やるな小僧。今のは完全に死角からの………むぐっ」
薙刀で抑えたまま、木刀を抜いて振りきる。
「喋ってる暇があるんなら剣を振ったらどうだ?俺はそこまで弱くねえ」
「な、なんだこのガキ!くそっ、よくも!!」
「行かせはしないよ、とっととお帰り」
婆ちゃんが薙刀を振り抜き、男の腹を打ち抜く。
………うん、すごく痛そう。まあ、防具ありでもあの痛みだったから当然だよな。
「二度と来るんじゃないよ小僧ども。ほら、とっとと帰りな」
さすがに怯えたのか、二人組はどこかに走り去っていった。
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