複雑・ファジー小説

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幽霊討伐隊
日時: 2016/08/16 11:45
名前: リック (ID: HghQuPcm)
参照: https://twitter.com/Phoenix_Rick_

      第一章
      
      

      下等幽霊






 俺の名は菊太郎。どこにでもいる普通の大学生だ。別に将来の夢が決まっているわけでもないし、なにか熱中していることがあるわけでもない。ただ一日中なにもしないでいるよりかはなにかしてたほうがずっといい。そんなわけで俺は前から疑問に思ってたことを調べることにした。

 


 幽霊はいるのかいないのか?




 今現在サークル仲間の竜也と文一とともにとある心霊スポットに来ている。「幽霊討伐隊」なんてふざけたサークルを立ち上げたのは俺だしホコリとカビ臭い狭い部室でオカルトトークをしてるのも飽きた。そんなわけでついに俺たちはこのサークル初の外部活動に出ることにした。



 
 竜「こえーよこれお前洒落になんねーよ!」


 びびりつつもどこか楽しそうな雰囲気を出しているのが竜也。体育学部でスポーツは万能。長髪で長身、いわゆるイケメンだ。




 文「ただならぬ気配を感じますね。」


 眼鏡をくいっと上げながらこう言い放ったのは文一。理学部で頭脳明晰。また、メカマニアでもある。






 菊「大丈夫さ3人もいるんだし。」

 そう言いながら俺も内心びびっていた。それもそのはずで俺たちが訪れているのは地元はもちろん、全国でも有名なガチな心霊スポットだった。







 


幽霊討伐隊 ( No.1 )
日時: 2016/08/16 12:38
名前: リック (ID: HghQuPcm)
参照: https://twitter.com/Phoenix_Rick_



    〜数日前〜




 竜「黒影屋敷ー?はーん、いいじゃん、面白そうじゃん」


 文「そこは心霊スポットランキングでAランクに登録されている。ほんとにここへ行くんですか?」




 菊「どうせ行くんならある程度マジな所行ったほうが面白いってー!」









    黒影屋敷。



 数十年前までは立派な邸宅であったが所有者の一家が不慮の事故で全員亡くなっており、それ以来「黒い影がうろついてる」と付近の住民から噂されるようになり心霊スポットとなった。


 

 俺たちが通っている大学から車で1時間くらいの距離だったが、竜也が車で通学しているので車を貸してくれと頼むのに大した気遣いは必要なかった。



 菊「カメラと懐中電灯は持ってきたー?あと、虫除けスプレー。」


 文「一眼レフカメラにハイビジョンビデオカメラ、8000ルーメンの懐中電灯に予備のバッテリー、非常食はカロリーメイトです」



 竜「わくてかすんなー、幽霊もしもいたらどうすんのお前ら?w」








 竜也の運転する車でこのような談笑をしていたうちはまだよかった。
実際の現場に到着した俺たちはそのあまりの違和感に戸惑いを隠せなかった。



 邸宅全体に黒い霧のようなものがかかっているように見えた。
深夜なのも恐さに比例して雰囲気満点だった。





 菊「カメラ、ライトは準備OKかな?じゃ、中に入ろう」




 竜也は撮影係、文一は照明係、俺は探索係、それぞれを担当を分担して黒影屋敷の中に潜入した。






 人の手が入らず廃墟と化して数十年、屋敷は荒れに荒れ果てている。
所々ボロボロで木が腐ったようなものや、数十年前は現役だったであろう寝具や箪笥などの家具も見事に朽ち果てていた。






 竜「ごほ!すげーくせー。」


 文「落書きのようなものがあちこちにありますね。僕たちの他にもいろんな人がこの屋敷に入ってたみたいです。」





 ミシ、バキ、と唸るような足音を立てながら俺たちは屋敷の中を探索した。

 


   

幽霊討伐隊 ( No.2 )
日時: 2016/08/16 13:13
名前: リック (ID: HghQuPcm)
参照: https://twitter.com/Phoenix_Rick_



 竜「幽霊ちゃーん、いないのかなー、いたら出てきてくだちゃいまちー」





 カメラを回しながらなにか心霊現象を期待していた竜也だったが、すでにそれは俺たちのすぐそこへ忍び寄っていた。







 黒い影だった。それは丸みを帯びていて地面を這うように動いている。





 一瞬、それが竜也のカメラに写りこんだ。




 竜「うん?今なにか動いたような?」


 菊「竜也、なにか見つけた?」


 竜「わからん、なんか黒っぽいもんが動いた気がして。ちょっと文一、ライトをあそこらへんに当ててみてくれる?」


 文「はい。」





 竜也が指差す方に文一のライトをかざした瞬間、黒い影は姿を現した!




 頭が真っ白になる3人。それは段々俺たちに近づいてきて・・・






 黒い影「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」








 菊・竜・文「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」







 カメラとライトを放り投げ、俺たちは屋敷の外に一目散に駆け出した。黒い影がたしかに俺たちの前に現れ、わあーっと叫んできたのだ。





 竜「ハァハァ、い、今の見たか!?」

 
 菊「見たよ、はぁ、確かに黒い影だった」


 文「なにかの動物とは考えにくいです。あんなにはっきりと霊的物体をこの目で見るとは・・・!」





 心拍数が1分間に600回は鳴っているんじゃないかと思っていた俺たちは呼吸を整えて落ち着きを取り戻したあとある事実に気がついた。






 そう、カメラ等の機材を置いてきてしまったのである。







 竜「今の撮れてたらすごいぜ!どっかのTV局に持っていこうぜ!」



 菊「でもその為にはカメラとかを取りに戻らないと」



 文「機材を回収して、ここは一旦引き上げましょう」





 文一の意見に賛同しつつも俺たちはもう一度屋敷の中に戻ることを躊躇していた。



 それほどまでにさっきの心霊現象はインパクトが大きかったのだ。





 


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