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複雑・ファジー小説
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- 私は貴方と話せなくなった
- 日時: 2016/09/16 22:48
- 名前: ららら (ID: v8ApgZI3)
忘れ物を取りに行くために、教室へ戻った日のこと。
ドアを開けると、目の前に移っていたのはクラスメイトの可愛い女の子と楽しく話す君。
ふと、目を逸らして忘れ物を取りに机へ向かう。教室に重い空気が漂っている。
君は顔立ちも整っており、優しい性格だ。良く知っている。だから、ものすごく人気なのだ。
それに比べてとても普通でクラスの中でも地味な方な私。
一部の人は知っていただろうけど、実は私と君は付き合っていた。
今はもう、皆付き合っていたことを忘れているだろう。何故なら、もう一ヶ月ぐらい喋ってないからだ。
別れたのかと疑問に思う人もいるかもしれない。だが、別れてはいない。
理由は本当に自分の勝手な理由。
君と話せない。話せなくなった。
それに、君も飽きたのか私に話しかけなくなっていつしか避けるようになった。
君は私と目が合ってもすぐに話していた女の子の方に逸らし、会わなかったようなそういう空気を自然に造り出した。
教室を出る際に君の笑い声が聞こえた。
とても安心できる心地良い声が。
ずっと、隣にいたはずの声が。
「...今川君。」
そう小さく呟いた声も風によってすっとかき消された。
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