複雑・ファジー小説
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- 初恋は虚しく終わる。
- 日時: 2016/10/03 21:36
- 名前: garba (ID: wjp6rH9y)
『ガァァァァァァァァァァン!!!』
「てめえ…なんつった?」
休み時間の教室が、男の叫び声により静まり返った。
「……あの、その、テ、テストの点数悪いのか、人のこと言うってことは、一馬くんはちゃんと出来…」
「ああ!?」
その男は理不尽で、自分勝手で、暴力でなんでも解決する。
「そういうことを言ってるんじゃねえよ…俺の言ったことを理解できないほど頭が狂っちまったか!?元からか!?大体よお…お前がこの学校、この場にいることで空気が汚れる…さっさと帰れ。」
「い…嫌だよ……大体、自分勝手過ぎ…」
『ドン!!』
男はまた、僕の言葉を遮るように机を叩いた。
「帰れっつたら…帰れ!!」
「グッ…!は…はなせ…」
「『離せ』?…そんなことを俺に言えるほどいつ偉くなったのかな?」
男は中指を立ててそう言った。
ーーーこの中学校、二年 三組には、僕を虐める、後藤 一馬という男がいた。
そいつのせいで、僕の人生はめちゃくちゃ。
自分に自信を失い、周りは見て見ぬ振り。挙句に一馬の味方をして、先生も対応しきれず放置状態。
僕の味方なんて…いない。
そう思っていた。
あの日、君が来るまでは。
「…んっ………涙…?」
僕は学校のことを思い出して、枕に涙の跡をつけたりする。
???「ねえ、なんで泣いてるの?」
「んっ…!?」
この家には、誰もいないはず。親は出張で僕一人しかいないはず。
それなのに、それなのに、優しい声が、耳元で聞こえた気がした。
「ん?……空耳かな…」
そう思って、ベットにぐちゃぐちゃに置いてある制服に手をかけた。
でも、その手は白く、温かい手に包まれた。
「ねえ…どうして泣いてるの?」
「っ!?だだだ…誰?!」
「覚えてないか…まあ、無理もないよね。」
そこにいた女は呆れた顔をして独り言を言っている。
「な…誰!?まず…鍵閉めたし、なんでこの家に見知らぬ人が…」
『パッ』
女は僕の口元に手を当てて、口元に人差し指を当てた。
「っ!///」
「そんな難しく考えずにさ。学校行かないと遅刻するよ?!」
「いや…それどころじゃ…」
この日から、何かが変わったのかな。
ふと、思い浮かんだ。
君は誰。
でも君は、僕を知っているかのように話を進める。
よく考えると、今日は。
転校生が来る日だった。