複雑・ファジー小説
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- その声が届くまで
- 日時: 2016/10/18 10:22
- 名前: イヴ (ID: oDbL/LGF)
初めまして
此方の掲示板で小説を書くのは数年ぶりです。
名前も変え、新しくふと思いついた小説を書きたいと思いました。
学園ものの小説になります
学生時代、私は素晴らしい仲間に囲まれて楽しい学生生活を送れました。
二十歳を過ぎた今でも、彼らとは飲みに行ったりする仲です。
そんな私の思い出と、妄想をふんだんに使ったストーリーに、お付き合いいただけたら幸いです(笑)
よく誤字脱字が見られます。
ご愛嬌ってことで(笑)
登場人物紹介 >>1
プロローグ >>2
第一話 朝 >>3
- Re: その声が届くまで ( No.1 )
- 日時: 2016/10/18 09:41
- 名前: イヴ (ID: oDbL/LGF)
〜登場人物紹介〜
鴇田 愛梨(トキタ アイリ)
元気な女の子。日本人とアメリカ人のハーフで生まれながらの青
い瞳と金髪の為、嫌がらせを受けていた。
仲良しグループの良きリーダー的存在。
笹原 優樹菜(ササハラ ユキナ)
引っ込み思案の女の子。一人称が名前呼びの為、一部の女子に良
く思われていないが、本人には直す気がない。
仲良しグループの姫的存在。
杉坂 星哉(スギサカ セイヤ)
誰とでも仲良くなれる優しい男の子。来る者拒まずな性格の為、
良く勘違いされてしまい告白されることも多々あるとか…
仲良しグループのムードメーカー。
佐々木 翔平(ササキ ショウヘイ)
バスケ部所属の高身長男子。一見さわやかそうに見えて実はかな
りの女好き。でも本当は一途に恋をしているらしい。
仲良しグループのたらし。
高橋 亮(タカハシ リョウ)
グループの男子の中で一番背が低いことを気にしている。
いつも笑顔を絶やさず、なんでも前向きに捉えて行動する。
仲良しグループの末っ子的存在。
風間 誠一郎(カザマ セイイチロウ)
翔平より少し背が高く、何事にもまじめで仲間想いが誰よりも強
く、正義感にも溢れている。非の打ちどころがない。
仲良しグループの兄貴的存在。
風間 由良(カザマ ユラ)
誠一郎と二卵性双生児で生まれた妹。
性格はかなり男勝りで、校則違反のオンパレードの問題児だが、
仲間の事は大事に思っている。
仲良しグループの問題児。
登場キャラに至っては随時更新予定。
- Re: その声が届くまで ( No.2 )
- 日時: 2016/10/18 10:18
- 名前: イヴ (ID: oDbL/LGF)
〜プロローグ〜
私たちは寄せ集めの他人だったけど、確信していた
大人になっても
それぞれに子供が生まれても
おばあさん、おじいさんになっても
生涯仲良しグループでいられると。
ずっとずっと聞こえていた君の声が…
私の名前を呼ぶ、優しい君達の声が……
幻であったとしても…。
私は必ず皆に逢いに行く
君に逢いに行く
絶対戻ってくる。
だからお願い——
ずっと変わらず待ってて下さい。
- Re: その声が届くまで ( No.3 )
- 日時: 2016/10/18 10:21
- 名前: イヴ (ID: oDbL/LGF)
〜第一話 朝〜
その日は部屋のカーテンを開いた瞬間から、世界は暖かく、目も当てられない程に輝いていた。
高鳴る胸を抑えながら自身の背より少し高い窓を優しく開ける。
新しい制服に視線を向け、自然と口角が上がる。
窓の外に向き直り、期待に膨らんだ—小さな—胸に新鮮な空気を精一杯取り入れる。
「今日から高校生だ!」
軽快なステップで階段を降りて行く。
その様子は今にもピーターパンになって空へ飛び立ってしまうほど浮かれていた。
「姉ちゃん朝からうるさい」
新しい学生生活が始まる彼女とは対照的に、受験生になった年子の弟による心無い一言に現実に戻されてしまえば、あとは中学時代と変わらぬ朝の支度だった。
スーパーモデルの母親は相変わらず忙しそうで、入学式の今日も仕事が入っていた。
その証拠に、リビングの机の上にはメモ書きと共に高校生には少しばかり多めのお小遣いが無造作に置かれていた。
映画俳優の父も、今は海外に行ってしまっていて、最後に父親の顔を見たのはいつだったかすら覚えていなかった。
無造作に置かれたお金も、なかなか会えない父にももう慣れてはいたものの、やはり今日はどちらかに居て欲しかった様で、少し落ち込んだ気分になった。
「俺は静かで勉強しやすいよ、あと一年は帰ってきて欲しくないね」
そんな姉の心情を察したのか、参考書片手にパンを口に含みながら言う。
「別にわかってた事だからいいけどね、ってか物を口に含んだまま喋らないの!お行儀悪いでしょ!?」
指で口元を指して指摘する。
「…姉貴の方がよっぽど母親らしいや」
「え?何か言った?」
牛乳の入ったマグカップを口に当てながら放たれた弟の言葉は、姐の耳に届かず、聞き返されるも答えることなく学校へと足を運んでしまった。
時計を確認すると、針は7時15分を指していた。
「やばい!!入学式から遅刻は駄目だよ!!!」
母から頂いたお小遣いの一部だけをお財布にしまい、残りは封筒に入れてキッチンの上の棚にある調味料などが綺麗に並べられている一番奥にしっかりしまってから、彼女も家を後にした。
駅までの道のりを、自転車で向かう。
今なら野生のドブネズミに勝負を挑めるくらいの気持ちだった。
——実際にはお目にかかりたくはないが…。
駅に着くや否や、視野の端まで映り込む人。人。人。
通勤ラッシュと登校ラッシュが重なるこの時間は否が応でも人以外の物は目に映らなかった。
音楽を聴く人、携帯で連絡を取り合う人、駅員さんたちの案内放送、黄色い線の外に出ている人たちへの警告音。
その全てが
「高校生活スタートしたって感じがする!」
彼女の期待を更に高めてくれるのだった。
満員率120%のこの電車に無理やり押し込まれ、電車の揺れに身体を預けながら、高校までの数十分、静かに目を閉じた。
†続く†
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