複雑・ファジー小説

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夢物語〈実際に見た夢
日時: 2016/11/12 00:25
名前: 春乃氣持 (ID: ./E8qlXb)

これはある日のことである。学校の廊下で

ある一人の女がしゃがみ込んでいるのがみ

えた。

何故こんな廊下の真ん中でしゃがみ込んで

いるのだろうと思った。なので私は様子を

見に行く事にした。

その女は黙々と何かを拾い拾いあげている

ことが分かった。何をしているのか気にな

ったので、邪魔しては悪いとも思ったが、

素直に何をしているのかと尋ねてみた。す

るとその女は急に話しかけたからなのか軽

く驚いた様子で顔をこちらの方へ上げた。

ここで私は初めてこの女の顔を確認できた。

その顔は非常に整っており、美人と呼ばれ

るモノと言うよりもどちらかと言えば可愛

らしいものであった。アイドルにでもなれ

るのではないかと、いやもしかしたらすで

になっているのかもしれないと、何故かそ

う思った。

女は私の問いに対してこう言った。

「何もないですよ。気にしないでください。」

私はその返答に対して大きな疑問を抱い

た。何もないですよとはまた分かりきった

嘘をつくものだ、今現在何かをしている

ものがいう台詞ではないと思った。明らか

に何かをしているのだというのに。それに

こんな廊下の真ん中でしゃがみ込んで何か

を拾い集めているとなると気にしないで

いろという方が無理である。

なので私は賭けにでてみた。私は同じ様

に、何をしているのだと聞いた。

するとその女は軽く俺の方へ顔を上げ、

考え軽く唸るような声を上げて口を開た。

「何者かが教材を廊下へばら撒いたので、今それを拾っているんです」

私の賭けは当たった。しかしどう反応

していいのやら複雑な心境になった。この

女性はいじめられているのかそれとも今初

めて行われた嫌がらせなのかとも考えたし。

手伝うべきか手伝わないべきかとも考え

た。勿論教材は一緒に拾い集めた、手伝う

べきかというのは犯人探しである。そうな

るともう1つ考えるべきはらこの女が犯人

を知りたいかどうかだ。

女は拾ってくれてありがとうございます

と笑顔で礼を言ってくれた。その笑顔は非

常に魅力的なもだった。こんな人がいじめ

られるはずがないだろうと思った。私は正

直に何故こんな状況になっているのかと尋

ねた。しかし女は顔が曇らせ思こう答えた。

「あまり私に関わらない方がいいです。その方があなたのためですし」

その言葉がどういう意味を示しているの

かわからなかったが、こう会話してくれている

あたり、この女自体に関わるというよ

りも、この教材をばら撒かれた事に興味を

持つなという事なのかもしれないと考え

た。

女とはあの後別れたが、私はどうしても

気になるのでバレないように遠くから様子

を見ていた。するとさっき拾い集めた教材

をある男子生徒に渡したのだ。そして女は

その男子生徒に向かって頭を下げ必死に謝

っていた。その状況に不信感を覚えた。

まずあの教材は女の物ではなかったこ

と、だとすると何故拾っていたのか。そし

て何故拾ってあげたのにも関わらずひたす

ら謝っているのか。考えるほど混乱してい

くのだ。


Re: 夢物語〈実際に見た夢 ( No.1 )
日時: 2016/11/12 00:57
名前: 春乃氣持 (ID: ./E8qlXb)

私は考える事をやめていた。関わるなと言われていたのだから関わる必要もなければ考える必要も無い。今はただ途方も無い長い廊下をを歩いていたのだ。
無心に歩いていると教室が見えてきたのだ。いたってシンプルなよくあるような普通の教室が見えてきた。窓は閉めきっていて中の様子は見えなかったが、何故か私はスルッといつも通りに、いつもこの教室を通っているかのように入っていった。
するとそこにはあの女がいた。女だけはなく他にもたくさんの人がいた。しかし、私はすぐに見つける事が出来た。それだけではなく、私が座るべき席と感じるものも不思議と見つける事ができた。
私はとりあえず座ることにした。位置は女が教室の真ん中とするとその斜め後ろだった。机も椅子もいたって普通の物で、プラスチック製じゃなく、木と金属でできている物だった。

「ごめんなさい」

反射的に声がする方に目線がいった。その先にはあの女がいた。

「私のせいで…ごめんなさい。私がいるから、貴方は悪く無いのに。私の責任なのに。ごめんなさいごめんなさい」

女は私に向けてなのかどうなのか、泣きながら、顔を手で覆いながら謝っていた。何に対し謝っているのか、何に責任を感じているのか全くわからなかった。ひとつ分かった事と言えば…。私は既に教室にいなかったという事だ。私が座るべき場所はそこになかったという事だ。

【完】


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