複雑・ファジー小説
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- 雲のかかる国
- 日時: 2016/12/01 17:19
- 名前: 春樹 (ID: rCT1hmto)
あの日
僕らの国に災いが降った。
大魔女が来た。
今も夢に出てくる悪夢の世界。
きっと・・きっと耐えられなかった。
君がいなければ。
- Re: 雲のかかる国 ( No.1 )
- 日時: 2016/12/04 01:35
- 名前: 春樹 (ID: rCT1hmto)
雨が降った日のことだった。
ここはアスラン国。ライオンが象徴の近衛団がある城の奥深くに
それはそれは美しい歌声を持った姫がいました。
「姫様、そろそろ後宮でお休みください」
家臣は眼鏡を少しくいっとあげて言うも
「もうちょっと」
「そう言ってもう30分ですよ」
「いいじゃない。この国では雨なんかめったに降らないんだから」
「はぁ、呆れますね。この姫様には」
「あら、呆れてくれていいのよめんどくさい臣下が一人減るわ」
「・・・」
「あっシエル」
「姫様」
「えーやっぱダメ」
「もちろんですよ。これからダンスとフランス語のbって姫様」
「へへーんいってきまーす」
ばさっ
「・・・っ‼えっちょ‼」
ボフン
「えへへいらっしゃいシエル」
「ミカド・・・重い」
「重いって失礼ね。一国の姫に向かって」
「じゃあ一国の姫様がなんで塔から飛び降りて来てんだ」
「ふふふっ楽しいわよ」
「とにかく降りろ」
「はいはい」
「じゃあ行くか」
「うん、もちろん持って来たわよ。予言の書物」
「ありがとう」
「そういえばイザナ殿下に止められなかったの」
「抜けて来た」
「また怒られるわよ」
「いいよ、あんなつまらない場所なんかより外の方がよっぽど綺麗だ」
「そういえば雨やんでるっ」
「あっ虹」
「えっあ虹だ、綺麗」
「なっ」
「ん」
「城の後宮にいちゃ見れない景色があるだろ」
「そだね」
「明日も晴れるといいな」
「だな」
雨が上がれば虹が出る。
美しい景色。新しい世界。
心を洗う人との電信。
そのどこかで少しずつ雲がかかり始めている。
『アスラン・・・ライオンか・・・』
- Re: 雲のかかる国 ( No.2 )
- 日時: 2016/12/04 16:07
- 名前: 春樹 (ID: rCT1hmto)
“王子は姫を守り。姫は紳士に守られる。”
「ねぇ、シエルー今日はアフカザフの街まで行きましょうよ」
「あそこはダメだ。惑いの森が近すぎる。危ない」
「じゃあリケルジならいいでしょー」
「リケルジといえばキキがいるな」
「はぁ、姫はキキじゃなくて粉雪姫でしょっ」
「どうでもいい」
「・・・イザナ王子の婚約者だから」
「違う、粉雪姫は妹とともに俺の国を滅ぼす気なんだ」
「そうかしら、私には少なからず本気の恋をしている目だったわよ」
「・・・そうだな」
「あっ待ってよー」
『少なからずとも本気の恋はしたくないわよ。
ミカド姫様 』
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