複雑・ファジー小説
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- 〜蜉蝣の夢〜
- 日時: 2016/12/04 16:34
- 名前: あざみ (ID: 4C1MnACG)
最近思いつきました!
あんまり専門じゃないし、
更新も不定期だけどどーぞよろしく!
コメントやアドバイスがあればどんどんください!
- Re: 〜輝きぬくもの〜 ( No.1 )
- 日時: 2016/12/04 14:52
- 名前: あざみ (ID: 4C1MnACG)
さて、どうしようか。
結論から言うとどうしようもない。
家で遊んでたら、楽器吹きたくなって、学校に取りに行って…
行って…?
そこからどうなった?
つい今、いっしょ遊んでいた咲綾は倒れているし、しかもなんか足に赤いのがついてるし。
横で親友以上恋人未満(咲綾の)の昂輝は、私にとって天敵?となる人となんか話してるし。
この状況でどうしろと?
- Re: 〜輝きぬくもの〜 ( No.2 )
- 日時: 2016/12/04 15:50
- 名前: あざみ (ID: 4C1MnACG)
「絢薇」
「なに?」
「そんな不機嫌そうな顔すんな」
あたりまえだろ。
「あのさ、今の状況分かってんかな?」
「絢薇が怒ってるとか?」
「…」
地震。
火災。
津波。
つぶれてる家。
真っ黒けになってる本らしきもの。
見渡す限り何かにえぐられたように平らになっている大地。
それにもう一つ。いや、二つ。
咲綾がいまだ昏睡状態ということ。
あれからもう二日。そろそろヤバい気がする。
足にガラスの破片が深めに刺さっていて、
とりあえず抜いて瓦礫をあさって出てきた消毒液を塗っておいた。
二つ目は“あいつ”がいること。
2年間できるだけ避けてきた。
むこうも避けていると思う。
それが今目の前にいるのだ。
「咲綾…」
ふと見ると昂輝は目覚めない咲綾を見ていた。
分かってるよ。
昂輝だってとても辛い。
そう考えると、少し申し訳なくなった。
お詫びにと咲綾の胸に手を当てみた。
「普通に息してるし、鼓動も乱れてないし。」
「そう…」
やっぱり心配なだろう。
私だって心配だ。
- Re: 〜蜉蝣の夢〜 ( No.3 )
- 日時: 2016/12/05 16:24
- 名前: あざみ (ID: 4C1MnACG)
それにしても後ろにいるこいつはいつまでついてくるつもりなのか
そっちの方が生存率高いのは分かるけどさ?
そんなこと考えても意味ないけどね。
「絢薇」
「なに?」
「なんか変じゃない?」
いや、こんな災害の後で何が変で何が変ではないのか??
「何が?」
「人…」
「確かにだいぶ少ないね」
あぁ、それね。
確かに人が少ない。
半日ぐらいたったが、そろそろ救助ヘリか何かが来ないのか。
それ以前に、なぜこんなに生存者が少ないのか。
考えてたら恐ろしくなってきた。
「違う、それじゃあない」
なに?
「俺が言いたいのはそのことじゃない」
顔が怖いんですけど?
「まぁいずれまた教えるわ。」
なにそれ
「うん、わかったよ」
昂輝の事だ、きっと教えてくれるだろう。
それにしてもこの違和感はなんだろう。
なにかこの状況では当たり前のことが欠けている気がする。
何だ? 何が違う?
考えろ。人が少なくなるとこんなものなのか?
それならとっくに気づいている。
もっと根本的な問題。
そんな思考は二年ぶりの声により乱された。
- Re: 〜蜉蝣の夢〜 ( No.4 )
- 日時: 2016/12/07 22:46
- 名前: あざみ (ID: 4C1MnACG)
「埋まってる」
あいつはなんか指していた。
「何が?」
昂輝が振り返って尋ねる。
何をいきなり言い出しているんだ、という顔だ。
「人が埋まっている。」
つまり掘るのを手伝ってほしいということか。
普通ならこいつの喋り方にブチ切れてるだろうが
その点で昂輝はスゴイ。
「絢薇、手伝って」
前言撤回
こっちに振りかけんな。
そういえば昂輝とこいつは初対面だったけ。
なら知らんだろう。
「なんで?」
とりあえずできるだけ冷たく返事を返しておく。
「俺、咲綾背負ってるから」
…
「わかったよ、手伝えばいいんだろ」
もうやけくそに答えておいた。
あいつが指したのは障子らしきものにしただった。
なんかに嵌っててなかなか抜けない。
「ごめん、昂輝。無理」
って言った矢先にあいつは軽々と障子をどかしやがった。
ムカつく
昔から変わらない。
「そういえば、あんたなんていう名前?」
昂輝が思い出したように聞く。
「海谷悠斗」
私が二年間避けてきたひと
- Re: 〜蜉蝣の夢〜 ( No.5 )
- 日時: 2016/12/08 20:37
- 名前: アザミ (ID: 4C1MnACG)
海谷悠斗
初めて隣の席になった。
第一印象は
“謎”
だった。
まず喋らんし、喋ったところで、神経を逆なでするような内容。
なんか落としただけでにらんでくる。
ちょっと失敗したら
「あほか」
と刃が飛んでくる
そのくせ成績は地味にいいし
運動神経もそこそこあるし、
と謎でしかなかった。
きっかけは校外学習という移住訓練。
男女でそれぞれ決め、それからグループごとにあみだくじ形式だった。
そして悠斗と同じ班になった。
「お前、おもろいな」
そのことから悠斗は変わった。
今まででは想像がつかないほどよくしゃべってくれるようになり、
下の名前で呼び合うほどの仲になった。
テストの点数を比べたり
罰ゲーム宿題の貸し借り
とても楽しかった。
しかしそれがあだとなった。
連日いちゃついているといわれ、
嫌がらせをされた。
ノートに落書きされたり、悠斗の前で、付き合ってるんでしょ、って言われ、違うって言えば、じゃあ告れってなる。
うんざりだった。
そこまで言われるくらいなら、もういっそ辞めてやる。
最後に交わした言葉はあきれるほど幼稚だった。
“大嫌い”
“もう知らない”
その日、もう忘れると決め、今まで2年間封じ込めてきた。
それが今となって鮮明によみがえってきた。
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