複雑・ファジー小説
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- 無個性な道化師
- 日時: 2016/12/08 23:27
- 名前: 儚 (ID: 5USzi7FD)
- 参照: http://okamonemone
「私はなんでも知ってるよ。」
いつかの夢で彼女は微笑んだ。
現実なのか、非現実なのか、判断できないような不思議な夢の中で。
鏡を見ているといえば分かりやすいかもしれない。
彼女と私は一心同体、決して切り離すことのできないものなんだという。
貴方は、私。
私は、貴方。
貴方の中のもう一人の私。
彼女を創り出したのは私自身だ。
無個性な私が、自分を守るために切り離した存在だ。
「ねえ、今日は何人に笑って見せたの?。」
いつかの夢の彼女は、今日もこうして、私に悪夢を見せる。
- Re: 無個性な道化師 ( No.1 )
- 日時: 2016/12/08 23:35
- 名前: 儚 (ID: 5USzi7FD)
- 参照: http://okamonemone
こんにちは、今回が初投稿になります。
使い方もよくわかってないし、文才もど底辺ですが、どうぞよろしくお願いします。
- Re: 無個性な道化師 ( No.2 )
- 日時: 2016/12/10 13:33
- 名前: 儚 (ID: 5USzi7FD)
家での私は絵に描いたようないい子。
学校での私は誰にも嫌われることのない生徒。
それが、私。
なんの個性もない道化師だ。
誰にでも合わせて、いい顔して、馬鹿みたいに取り繕って生きている。
それしかできないし、それでこそ“私”なんだ。
「本当のあなたとは随分かけ離れてるんだねぇ。それ、取り繕ってて虚しくならない?疲れない?始終誰かに合わせてて。」
いつも通りの夢。
足元にはきみが悪いほど透明な液体、そして色彩のない空間が何処までも続く。
彼女は、そんな夢の中で、毎日のように私を笑うのだ。
いつだって私の確信をつき、それを楽しんでいるかのように。
だって、実際彼女は私自身なんだから。
暗くて、無口で、泣き虫で、無能な実際の私と、本当に正反対の。
人気者を演じてる私と違い、本当の人気者なんだから。
「私だったら泣いて逃げ出すね。あなたも誰かに泣きつけば?ああ、そっか。いないんだっけ?あなたにとっての気を許せるような人間なんか。」
彼女の口元が意地悪くゆがんだ。
私は彼女からの言葉を跳ね除けるように、耳を塞いでうずくまる。
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