複雑・ファジー小説

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ランカーズ!
日時: 2017/01/06 14:02
名前: Masa (ID: Bhcs08zv)

 この世界の、その全てが嫌いだった。空があること、海があること、大地があること、人が居ること・・・。なにもかもが、嫌いだったんだ。・・・それは、突如やってきた。

 「おはよう、諸君」

 都会のモニターには一人の人間が映し出されていた。顔だけは映らないように、そして声も変声期で判別出来なくされていた。その声はこう続けた。

 「まず、この表を見てもらおう・・・」

 モニターに映し出された表にはこう記されていた。

 一位 木村 雪臣 Yukiomi Kimura

 二位 伊井 系人 Keito Ii

 三位 結城 正一 Syo-iti Yuugi

 この様に人の名前と順位だけが、ずーっと、ずーっと、どこまでも続いている。

 「一位、木村・・・雪臣・・・?」

 何故、俺の名前が?一位・・・?この順位はなんだ?なんの順位だ?ていうか、なんだ・・・この状況・・・。

 「これは人間としての価値を示したものだ。諸君にはこれからとあるゲームに参加してもらう。クリア条件は単純!ゲーム終了時にランクのトップ十位以内に入っていることだ」

 人間の・・・価値。俺が、一位・・・?

 「うわぁああ!な、なんだコレ!!?だ、誰か!助けてくれえぇ!」

 叫び声の方に目をやると、一人の男の体が、下半身から上半身にかけて光の粒子のように細かく消えて、ついには体の全てが消えてしまった・・・。

 あ・・・俺、も・・・。あぁ、意識が、意識が・・・薄れる・・・。

Re: ランカーズ! ( No.1 )
日時: 2017/01/06 14:38
名前: Masa (ID: Bhcs08zv)

 「お、おい!なんか、皆消えてくぞ!!」

 「え、でも、俺達は消えてねぇぞ・・・?」

 「あ、みろよあれ!財布が落ちてらぁ!」

 「まじで!?めっちゃ運いいじゃねーか!消えなかったし、財布拾うし!もしかして、選ばれちゃった人間って感じ〜?ヒャハハ!!」

 「あー、木村雪臣って、さっきの一位ってやつ?」

 「って、ただの高校生じゃねぇかよ!これで人間の価値一位なら俺たちゃぁ神様じゃねー?」

 「っは、そりゃぁ言えてるぜっ!」





 











 「ぅ・・・うく、ここ、は・・・?」

 目が覚めた時、真っ先に目に入ってきたのは青色だった。眼前いっぱいにそれは広がっていて、次第に体の感覚が戻ってくる。

 どうやら俺は草の上に転がっているらしい。冷たすぎず、でも生ぬるくもない、心地の良い風が吹いている・・・。

 「やっと、目が覚めたようだな・・・」

 「・・・?」

 次に目に入ってきたのは、二人の人間だった。一人は青髪の青年で眼鏡を掛けていた。身長は百八十センチくらいだろうか、彼は自身を「山田太郎」と名乗った。

 「俺はー、えーと、マツケン!でいいや」

 で、いいや・・・って。

 「ていうか、ここはどこ?」

 「まずは名乗りたまえ」

 太郎に言われたのでとりあえず自分の名前を・・・、あぁ、駄目だ。少し落ち着いてきたぞ。

 要するに、ここは普通の場所じゃない。ヴァーチャル空間とか、脳が見ている幻、とか、そういった類の空間だ。ここに来る前、俺はモニターに映し出された表を確認し、自分が一位だったこと、そして周囲の人間が消えていく減少を目の当たりにして、そしてあのモニターの男の台詞を聞いて、確信した。

 —これから行われるのは、なんらかのゲームなんだ、と—

 だからこそ咄嗟に財布を放り出した。俺はぶっちゃけ、優良な生徒ではない。生徒手帳なんてものは普段から、持ち歩いてなどいなかった。そして、だからこそ、唯一身分を特定される可能性のある財布を放り出したのだ。

 つまり、俺が今最優先するべき行動は、偽名を語ること、だ。

 「あぁ、悪い悪い。ちょっと頭が混乱してて・・・。俺の名前は近江勇気だ」

 ちょっと、単調すぎたかな。臣→近江 雪→勇気、というのは・・・。

 「・・・勇気君か!これからよろしくね!」

 なんか、急に態度が変わったな、太郎。

 「まぁ、とりあえずよぉ、向こうに街みてぇなもんが見えるし、そっちに行ってみるか」

 マツケンが指差したほうには確かに街の様な物が見えた。太郎も納得したし、とりあえずは三人でそこに向かうことになった。

Re: ランカーズ! ( No.2 )
日時: 2017/01/07 15:17
名前: Masa (ID: Bhcs08zv)

 「お、見えてきたぜ!俺が一番乗りだっ!」

 随分と広い街だな・・・。特に、あの雲を突き刺すが如くの勢いで、天まで伸びている前面ガラス張りの塔・・・。あれだけがこの街の中でも異彩を放っている。

 「すごいなぁ・・・」

 太郎も呆然と、その塔を見つめていた。

 「あ、君たち」

 駆け寄ってきたのは女性だった。細く長い繊細そうな指、腰まで滑るように伸びた白髪、薄紅のドレス、ルビーの首輪・・・。なにかの登場キャラクターみたいだな、と、これが俺の第一印象だった。

 「これ、受け取って」

 「・・・これ、は・・・?」

 手渡されたカードには顔写真と、それからナンバー、そしてRTという欄が記載されていた。幸いなことに名前は記載されていない。もちろん、順位も。

 「このカードは、これから君たちがこのゲームをしていく上での身分証明になります。これがあればゲーム内ではいくらでもショッピングが楽しめます。それから、ゲーム内ではランカーズポイントと呼ばれるものがありまして、それもこのカードに蓄積されます。・・・」

 「ランカーズポイント?」

 太郎が繰り返した。女性は続ける。

 「ランカーズポイント、縮めてRPと呼ばれるそれは、ある一定の条件をクリアする事によって溜まっていきます。最初、ゲーム参加者は全員ゼロポイントからのスタートとなります。

RPを稼ぐ手段は大きく分けて三つ。あそこに巨大な塔が見えますでしょうか・・・?」

 あれは、さっきの天まで伸びる前面ガラス張りの・・・。

 「あれはスペースタワー、宇宙への階段と呼ばれています。あの塔ではRPの照会や、RPのトレードなど、RP関連の事であれば大体行えます。あの塔の屋上にはクエスト掲示板があります」

 あぁ、なるほど。

 「つまり、そのクエストをクリアすればいいんだな?」

 「まぁ、そんなところですね。クエストには当然難易度があります。難易度はアルファベットで表記され、ゼットからエーにゆくにつれて難易度は上昇していきます。最高ランクであるエーランククエストをクリアすれば大量のRPを稼ぐことができます」

 「二つ目はなんなんだ?」

 マツケンが疑問を投げかけた。そう、これが一つ目ならばあと二つ方法があるということだ。

 「えぇ、二つ目はプレイヤーの捕獲です」
 
 「プレイヤーの捕獲?」

 「はい。ここに来る前、不思議な表を見ませんでしたか?」

 あぁ、あれのことか・・・。

 「あの表はこのゲームに参加するプレイヤー、そしてそのプレイヤーの素質を表したものでした。一位である人はそれ程ゲームがうまいということですね。この世界ではゲームのうまさと人間の価値は比例します。事実、ランク一位のプレイヤーを捕獲した場合、その時に得られるRPはランクエークエスト以上なのです」

 「なるほど・・・」

 あぁ、少し、納得した。俺は昔プロゲーマーを目指していた。物心付いたときからゲームだけは何でも出来たんだ。

 練習したわけでもなくて、ただ、ゲームが好きで、他人よりもそれが出来ていただけだったんだ。

 なのに、それなのに・・・、俺はそれで全てを失った。

 
 少年、雪臣・・・。当時七歳。自己紹介時にゲームが得意だ、と言った事がキッカケで放課後に三人ほどの男子から遊びに誘われる。

 彼は、少年雪臣はすぐさま英雄になった。他の三人がクリアできなかったステージやどうしても倒せなかったライバルにボス、その全てを簡単に倒してしまった。

 彼はだんだんと勘違いを起こした。俺は、ゲームの主人公みたいに強くて、皆の憧れで、強いんだ!・・・と。

 ある日少年はゲームセンターに向かった。対面のプレイヤーと対戦するアクションゲームで、彼はそのプレイヤーに一撃もダメージを受けずに勝ってしまった。

 他の三人はいつものように騒ぎ立てる。

 「ユッキーすげー!」

 「さすがユッキー!」

 「ユキちゃん格好いい!!」

 いきなりだった。いきなりみぞおちに猛烈な激痛が走った。視界の端に黒い靄がかかって、突如吐き気に襲われた。目からは涙、全身から汗、口からはゲロ、しまいには失禁。英雄は三人の前で、対面のプレイヤーに殴られ、蹴られ、そしてタバコの火を押し付けられ、しまいには土下座を強いられた。

 「ったく、こっちはイラついてんのによぉ、テメェ、調子乗ってんじゃねぇゾクソガキィッ!!」

 「あ・・・ぅげえ・・は、っは、っは、ひゅー・・・ひゅー」

 ど、どうしよう・・・!?なに?これ・・・?痛いよ、苦しいよ、息が、出来ないよ・・・。気持ち悪い・・・誰か、助けて・・・!!

 「あ・・・あぁ・・・あああ」

 他の三人もあまりの恐怖に最初は動けずにいた。少年雪臣もそれは理解していた。だから、動けるようになれば三人は助け出してくれるものだと思い込んでいた。

 彼らは、すぐさま逃げ出した。少年雪臣を見捨てて、とにもかくにも、我が先と言わんばかりの勢いで、大声で泣きながら、喚き散らしながら、少年雪臣に背を向けた。

 もちろん男は逮捕された。少年雪臣は病院に搬送されたが、不幸にも一日休めば直る程度の怪我だった。これが数週間の入院なら、少年雪臣はまだ救われたであろう・・・。

 「おはよう・・・・・・」

 少年雪臣は、その翌日から、英雄ではなくなった。彼らは罪悪感から、あることないことを言いふらし、そして少年雪臣を責めた。

 「お前がアイツをちょうはつし挑発したんじゃないか!アイツ、よえーな、って!」

 なんのことか、さっぱり分からなかった。でも、少年雪臣には一つだけ分かる事があった。クラスの視線を浴びて、嫌でも気づかされた。

 もうこの世界に、英雄雪臣は居ない。英雄雪臣は死んでしまったのかもしれない。もしかしたら、生きて姿を眩ましているのかもしれない。もしかしたら、魔王その者になってしまったのかもしれない。彼がどうなったのか、それは、誰にもわからないのだ・・・。

 「つまり、トップランカーをぶっ潰せばいいんだな?」

 俺は、いつのまにか現実に戻ってきた。

 「まぁ、そういうことになりますね。最後の一つは・・・、あまりオススメはしませんね・・・」

 「オススメしない・・・?それってどういうことだよ!?」

 マツケンが食いついた。太郎もそれを言え、と言わんばかりに女性をにらみつける。女性は観念したのか、最後の一つを教える。

 「この世界には極悪人と呼ばれる人間が存在しています。まぁ、ゲーム内でのオリジナルキャラクターです。彼らのステータスはとてつもなく高いのです。まず、ふつうに挑んでも殺されます」

 「殺される・・・?」

 「はい。言い忘れましたが、この世界での死は、現実世界での死を意味します」

 な・・・?現実で、死・・・?

 「プレイヤーの中には捕獲する歳に命を狙ってくるものもいるでしょうね」

 薄々予想はしていたが・・・。

 「話を戻すが、その極悪人をひっ捕らえりゃぁいいんだな?」

 「いいえ。彼等を捕まえるだけではいけません。彼等を殺し、その首をスペースタワーの頂上へ捧げるのです。そうすることでRPの獲得となるのです」

 「確かに、ハイリスクハイリターンではあるが・・・」

 「はい。あまり、オススメ出来ません。しかも、その極悪人はプレイヤーに紛れているのです。彼等がプレイヤーか否か、見分ける必要もあるのです」

 「大変そうだなぁ・・・」

 マツケンは気楽そうに言うが、これは大変とか、そういうレベルの話ではない。このゲームは情報によるアドバンテージがかなり高い。情報・・・これがこのゲーム攻略の鍵だろう・・・。

 「それと最後に、悲しいお知らせをしなくてはなりません」

 まだ、なにかあるのか・・・。

 「ゲーム終了時、ランクのトップ10以下は全員、その場で死にます」

 ・・・・・・・・・!!?

 「ま、それくらいは想定内さ」

 太郎は本当に想定していたのだろう。あまりにも冷静すぎる。それほどに、ゲームに自信があるようだ。少し、カマをかけてみるか・・・。

 「その自信はどこから生じる?太郎。相当腕に自信があるようだが、個人的な評価では命がけのゲームでそうも冷静になれるとは思えない。お前は、客観的な評価、それによってより自信を持つに至った。違うか?」

 「回りくどいやつだ。つまり、俺がトップランカーであるか、否か、そう問いかけているのだろう?」

 「ま、そういうことだ」

 「客観的評価、つまり、あの表のことか。ふふ、いやぁ、なんたる奇遇かな。君もこの空間に来てからさほど焦りが見えないね。しかも、マツケンも僕も明らかな偽名。君は僕の「名を名乗れ」という問いにノータイムで近江勇気と名乗った。これは一見普通の名前だが、こういう場面ならば偽名と疑うべき」

 あぁ・・・やっば・・・。

 「さて、話を続けようか。君が名乗った偽名、ノータイムで名乗ったということはだ、君の周辺の人間である可能性は低いんだ。時間を掛けて偽名を考えれば考えるほど候補が多くなり、君の知り合いAとBを複合したような名前になる。そして、より普通の名前にしようと、名前を名乗るのに時間がかかる」

 例 知り合いA 山田一郎 知り合いB 田中太郎=偽名 山田太郎

 「しかし、君の場合はノータイムだった。これは君が偽名を必要とする場面での名乗り名を既に日常生活の中で既に決めていたか、もしくは、君の名前の派生・・・。ふふ、もし、君の名前の派生だったら、君の名前は、雪臣君・・・じゃないのかな・・・?」

 あぁ・・・なんだよコイツ、めっちゃすげえじゃん・・・。あぁ、忘れてたのに、こんな感覚。久しぶりだ。俺、コイツを・・・ぶっつぶしてえ!!

Re: ランカーズ! ( No.3 )
日時: 2017/01/07 15:54
名前: Masa (ID: Bhcs08zv)

 「んふふふふ、ふふ、あー、なんかダラダラと妄想吐き出してくだらねぇ、って言いたいところだけど、ま、正解だよ。俺が、雪臣だ」

 「え、ええええ!!?まじでか!!」

 「マツケン、君は気づいてなかったのか。ま、君は見るからに馬鹿そうだし」

 「なんだとてめーこのー!」

 「さて、と、斉藤君・・・」

 「!!!?」

 山田太郎、コイツの本名は斉藤純一、間違いない。

 「な、ぜそれを・・・?」
 
 「お前、推理ゲーヲタクだろ」

 「・・・(ギクッ!)」

 「世界大会じゃぁ顔は伏せられてたが、その低い声、その笑い方、んでもってそのあまりにも完璧すぎる推理の組み立てといい、お前今、自己紹介したようなもんだぜ。僕の名前は斉藤純一でーすってな」

 「まさか、お前・・・」

 「ふふ、そもそもお前の冷静さから見て相当なやり手なのは見て分かった。マツケンみたいにわざと明るく振舞って内に沸く恐怖を振り切ろうとするような、そんな平凡さが全く無かった」

 「な、俺を馬鹿にしてんのか!」

 「続けろ」

 「無視かよ・・・」

 「そしてお前が塔を眺めたとき、お前の眼鏡は伊達眼鏡じゃないと確信した。お前の眼鏡に移った塔が歪んでいたからな。こいつぁ俺の持論だが、眼鏡を掛けてるやつは、推理が得意だ!」

 「は、はぁ・・・」

「あとは簡単だ。お前にカマをかけて、お前がどういった類のゲームが得意かを導き出す。俺はゲームの世界大会、その動画の八割以上を記憶しているからな。それだけの情報があれば、お前の行った推理は自己紹介も同然、って算段だ」

 「なるほど・・・な。完璧にやられたよ」

 「いんや、これは名刺交換みたいなもんだ。俺はランク一位、お前は五位だろ?」

 「あぁ、そうだ」

 「あ、あのー・・・」

 「ん?」

 女性は話の骨を折って申し訳ないといいながらも俺たちの前に何かを作り出した。

 「魔法・・・?」

 「似て非なるものです」

 「君たち三人はこのゲーム内ではチームです。よって、裏切りは許されません。また、チーム内の誰かが死んだ場合、RPは問答無用で0になりますので」

 「チーム戦!?おらぁワクワクしてきたぜ!!山田、近江、がんばろうぜ!」
 
 コイツ正真正銘の馬鹿だ。チームだからおいそれと「んじゃ仲間だ」なんてなるわけねーだろ。

 「これはこのゲーム内の地図を表示できる道具、ホロキャスです。通話やメールも行えます。また、GPS機能もついていて、チームの居場所が分かるようになってます。そしてこれはロープにナイフにランプにまぁ、探検キットみたいなものです。クエスト攻略に必要なので一応持っておいてください。そしてこれが一番大切なアビリティ・メモリです」

 「アビリティメモリ?」

 「このアビリティメモリ、通称AMには個人で決めた能力を登録することが出来ます。能力は一度登録したら解除はできません。能力を決める際、いくつか条件があります。条件はホロキャスのヘルプから確認できますので。では、これで私のナビゲートは終了となります、ここから先は自由行動となりますので、どうかお気をつけて、検討をお祈りしております」

 「おう!ありがとな、ねーちゃん!!俺たち絶対に勝つぜ!」

 「この能力、相当大切な物らしい。慎重に、かつ三人でお互いの欠点を補えるような能力、そしてかつ、個人戦でも強力な、そんな能力が望ましいな」

 「まずは、ヘルプを見てみよう。話はそっからだ」

  —ヘルプ—

 能力、それはとても強力なものです。このゲームでは必要不可欠なので、かならず決めておきましょう。

 能力には必ずデメリットが存在しなければいけません。能力が強力な場合、デメリットは大きくなります。

 また、能力を使用する際には能力名をコールする必要があり、コールしなかった場合その能力は一時間使用できません。

 「なるほど、な・・・。能力は攻略の鍵、一度登録したら登録しなおせない、これは慎重に・・・」

 「俺は決めたぜ!!」

 「な!?ちょっと待て!」

 斉藤は大声で止めたが時既に遅し。

 「あーあ、ま、仕方ないか。斉藤、こいつの能力は?」

 「・・・超怪力。通常の五倍から二十倍までのパワーを出せる、がデメリットとして多大なる疲労感に倦怠感、筋肉痛・・・って、なんかこれ」

 意外とイイ!!

 「ふむぅ、攻撃要因、ってことは・・・俺は情報にまわろう」

 「了解。斉藤が情報要因、なら俺はヒーラーって所か。なんか地味だな」

 「俺の能力は操作網。三つまで条件を決める。たとえば、俺のほしい情報を持つ これが一つ目。 二つ目に 敵。 そして三つ目は知的生命体。と、この様に条件を三つつけたら完了。その条件を満たした物がどこに存在するか、このホロキャスの地図に表示される。範囲は直径30Kmまで。デメリットはその条件を満たす物が存在しなかった場合、翌日まで能力の使用が出来なくなる」

 「なるほど、かなりの情報を得られるというリターンに見合ったデメリットだな」

 「雪臣、お前はきめたか!?俺の怪力、それについてこれるような能力!!」

 「ん?まぁ俺は回復薬だな。単純に触れた箇所を通常を遥かに上回る速度で回復させることが出来る。デメリットは回復したい箇所に触れてなければならない。単純だろ?」

 「おぉ、分かりやすいな!しかも以外に便利!俺たち無敵じゃね!?」

 「無敵とはいえないが、バランスはいいだろう。それゆえに脳筋チームや情報を集めるだけ集めて逃走、そして他のチームに伝達、みたいな輩はちと厄介だな」

 「ま、とにかくゲームというからには俺は全力で行くぜ!斉藤もマツケンも、なるようにしかならないんだから、とにかく全力でいこうぜ!」

 「もちろんだ」

 「オウ!任せろや!うぅうー、パーーーーワーーーッッ!!!」

 こうして彼らはスタートラインに立った。これから彼らに訪れる数多くの困難や試練を彼らはまだ知らない・・・。

Re: ランカーズ! ( No.4 )
日時: 2017/01/07 16:49
名前: Masa (ID: Bhcs08zv)

 「能力、盗聴・・・解除!シェルヴェ、ルタン、奴等の追跡を開始する・・・。こんな序盤に、トップランカー二人に会えるなんてよっ!」

 「よし、俺に捕まりな!能力馬化馬力!巨大な馬になり、時速は最速で80Kmだ!」

 「そしてルタンちゃん、能力ハッツドー!ルタンちゃんに触れている物、今はシェルヴェとゴルーサを透明化する!コール!!透明トゥメイト!!」

 

 「・・・(今、なんか声聞こえたよなー。透明トゥメイトが透明化、これを使うのがルタン、んで馬化馬力がシェルヴェ、盗聴がゴルーサか。こいつら・・・)」

 「(馬鹿だろ)」

 「(馬鹿だろ)」

 「(アホだな)」

 三人の思想が、初めて大体一致した瞬間である。

 「はぁ、さっきから俺たちをつけている馬鹿共、出てきな。ぶっちゃけ、かくれても無駄だけどな・・・。コール!操作網発動!(条件1:透明化を持つ人間、条件2:盗聴を持つ人間、条件3:馬化馬力を持つ人間!)」

 「斉藤、やつらはどこだ!?」

 「オッケー発見!マツケン、その大岩、お前から見て右隣を猛進中!叩きのめしてやれ!!」

 「うっしゃぁ!いっくぜぇ!!十倍、右ストレエエエエーーーット!!」

 彼、マツケンの拳によって、大岩はその風圧で粉砕、彼等を仕留めようとした三人は地面にめり込み、だがその威力はまったく衰えを知らず、彼等三人を巻き添えに、クレーターを生み出した!!!

 ドゴオオオオオオオオオオオーーーーーーッッッ!!!!!!!!

 正直言って、瞬殺であった。彼の力、それが元々異常だったのだ。パンチングマシーンで600Kを裕にたたき出す彼が十倍、つまり重さにして6Tの拳が振り下ろされたのだ。無事なわけが無い。

 「うグ・・・ぁァ・・・化け物・・・めっ!」

 「ま、この俺様に挑んだのが間違いだったなっ!!」

 「さて、こいつらは捕獲するか」

 「まて斉藤。こいつらの能力は確実に役に立つ。特に透明化、今回はお前がいなかったら見逃していた・・・」

 「なるほど、な・・・。だが裏切られる可能性も・・・」

 「まぁまぁ、そうあせるなよ。さっきヘルプを見たときにみつけたんだ。ある項目を」

 「オイ、ある項目ってなんだ?」

 マツケンの問いに俺は答えた。

 「同盟、だよ」

 —ヘルプ—

 同盟について

 チーム同士手を組むことを同盟といいます。例として、Aチームに強い能力を持つ物がいて、その能力を貸してもらいたいと思った場合、チーム同士で同盟を組むことによりチームを三人から六人に増やせます。コレを繰り返すことにより強大な組織の確立も可能です。
また、この同盟を行う場合、リーダーを決めなくてはなりません。同盟→加入するor取り込むのいずれかを選択します。チームAが取り込む側の場合、チームBは加入するを選択肢、ホロキャスをお互いに向けます。
ピコン!と音が鳴ったら同盟は完了です


 「とまぁこんな具合だ。お前ら、加入する以外に道はないぞ」

 「うぅ、わーったよ。ルタン、シェルヴェ、こいつらに加入するぞ。文句はねーな!?」

 「まぁゴルーサのいうことならルタンちゃんは何でも聞くよん」

 「俺も異議なし」

 「よっしゃ、決まり!これでチームは斉藤、マツケン、ゴルーサ、シェルヴェ、ルタンの六人だ!このままもっとチームを集めれば・・・」

 「我々が勝ちやすくなる」

 斉藤は不敵な笑みを浮かべ、メガネをクイッとした。キザ野郎め。

 こうして彼らに仲間が増えた・・・・・・・・のか・・・?


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