複雑・ファジー小説

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Secret Garden -魔女と呼ばれた少女の物語2-
日時: 2017/02/02 10:54
名前: 姫凛 (ID: 16oSxNwZ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=16274&p=1




***


皆さま こんにちは 姫凛と申します。

これは私が今執筆中の「シークレットガーデン〜秘密の箱庭」のスピンオフ作品だった
「シークレットガーデン -魔女と呼ばれた少女の物語」をリメイク(テコ入れ)したものです。

※URLは本編のリンクです。
前作の方は「シリーズまとめ」スレの方にURLあります。
よければそちらの方もどうぞ♪

***

-魔女と呼ばれた少女の物語2-目次

第一階層:微笑ましい一家団欒>>
第ニ階層:村人からの容赦のないイジメ
第三階層:想いのすれ違いからの夫婦喧嘩
第四階層:母は出て行き捨てられた父と娘
第五階層:意味深な親子二人で小旅行
第六階層:愛する両親から捨てられた魔女
第七階層:禁忌の術 人体錬成
最下層:父から娘へ時を超えた想い

***

prologue 魔女 ( No.1 )
日時: 2017/02/02 11:02
名前: 姫凛 (ID: 16oSxNwZ)










この魔女めっ!!


アンタなんか生まなければよかった!


お前がいたから!


魔女めー




私は魔女


みんなからそう呼ばれた


災いを呼ぶ魔女


みんな私を嫌った


パパとママも私を嫌いになった


二人は私を捨てた / 私は捨てられた



どうして…?


なんで…


みんな私を嫌うの?


私は何もしてない


ただ生きているだけなのに…


嗚呼…


そうか。


わかった / わかりたくなかった


生きている事 そのものが罪なんだ


私は悪い子だから


私は災いを呼ぶ魔女だから


みんなと一緒に生きること



それが自体が


私の最大の罪なんだ







だから私は——

 
           死なないといけないんだ——











これは独りの少女の封じた過去。

主人公ルシアは闇病——のちにデスピル病と呼ばれる病に侵された

少女 シレーナを救うために

彼女の心、記憶が創り出した世界 

プリンセシナを冒険し感じた想い

そして本編では書かれなかったシレーナ側の想いを書いた物語である——

















すべては過去に起きた出来事の再現。

所詮は虚像。

今更何をしたところで何もしなかったところで何も変わらない。

現実は未来は何も変わらないのだ。

それでも彼はもがく。

複雑に絡み合い確実に魂をえぐり 心を奪い去ろうとする闇を払いぬけ。

もがき続ける。

そこに想像もつかぬような苦しみがあったとしても。


絶望があったとしても。


彼は決して闇に負けずもかき続け。


前へと進む。


少し立ち止まってしまっても 決して止まらない。


たとえ後ろを振り返ってしまっても 彼の歩みを止められない。


何故ならもがき続ければいつかは。


明るい希望に満ちた未来が待っていると。


ただひたすら健気に信じ続けているからだ。


闇はすべてを飲み込み奪い絶望へ追い込み沈める——


光はすべてを包み込み与え希望へ道をつなぎ微笑む——


闇と光。人のあり方で次第で世界は変わる。


彼はいったい彼女にとって希望だったのだろうか。

それとも絶望だったのだろうか。


いまその答えが明らかになる——

第一階層:微笑ましい一家団欒 ( No.2 )
日時: 2017/02/03 10:23
名前: 姫凛 (ID: 13XN7dsw)





【第一階層】



(プリンセシナ第一階層。ここに一人の少年と謎の生命体が入り込んだ)

「ここは……」

「森のようですね」

シレーナを助ける為に、心が創り出した迷宮と呼ばれるプリンセシナってところに来たはいいけど……目の前に広がっているのは、森。

木、木ばかり。

僕が住んでいる村の隣にある町。通称隣町。

…の南にある森。通称南の森。

…みたいに木々が青々していて春の陽気で小鳥たちが楽しそうにさえずっている。

…でも違う。明らかに。この森からは生命力を感じられない。

鳴き声は聞こえるのに…姿は見えない。

獣臭がするのに動物の姿が一切見えない。

……不思議な森だなぁ。

「人の心が創りだした迷宮って言っていたから、すごい迷路みたいな物だと思ってたよ」

「迷宮と一括りに申しましても、プリンセシナは人の記憶を元に創りだした物。
 十人十色。人それぞれで皆違うのですよ」

「へぇ……」

と言った後にパピコさんは追加で、特に大切な思い出の場所や色濃く印象に残っている場所なんかも、プリンセシナの舞台として現れやすいと教えてくれた。

じゃあこの南の森に似てるようで全然似ていない

この不思議な森もシレーナにとってはなにか意味深い場所だったのかな?

『お父さん。お母さん。見てみてっ!粘土でパンダの置物を作ってみたの』

「あれは……」

しばらく森の中を歩いていると一軒の家を発見した。

家の前ではヨナくらいの女の子…八歳くらいかな?

…と仲好さそうなご夫婦がみんな仲良く日光浴をしていた。

女の子は可愛らしいパンダの子供かな? の小さな置物を持って嬉しそうにお父さんに駆け寄っていってる。

『おお、シレーナ! すごいじゃないか!』

「えっ!? シレーナ!」

「しっ! お静かに。気づかれてしまいます」

思わず声にだしてしまってパピコさんに注意されてしまった。

シレーナ。たしかにあの女の子のお父さんはそう呼んだ。

ここはシレーナの心の中。

だからシレーナがいるのは当然なんだよね? これはシレーナの記憶の一部ってことでいいのかな?

『本当にすごいわ、シレーナ。今日は特別にあなたの好きなものを作ってあげましょう♪』

『本当!?やった!』

『『ふふふふ』』

『わーい! わーい! 
 ワタシもっともっと勉強して、いろんな事出来るようになってお父さんとお母さんを、もっとも〜と喜ばせてあげるんだからっ!』

『まぁ!』

『ほぉそれはそれは楽しみだな』

『ふふんだっ!』


(女の子は嬉しそうに辺りをクルクル走り回ってはしゃぐ。
 その姿を見て両親も微笑ましく見守っている。
 女の子はクルクル回りながら次の案を練る。)


[嬉しいな〜。嬉しいな〜。お父さんとお母さんに褒められて嬉しいな。
 次はなに作って驚かせようかな〜。
 んー。……あっそうだ!お花で冠作ってあげようっと!]


楽しそうに話しているシレーナたち親子を見て僕は小声で

「昔のシレーナってちょっとお転婆だったんだ」

「おや? 今は違うんですか?」

「うん。今はどちらかと言うと物静かであまり感情を表に出さないんだ…」

「へー。少女も一皮むけて大人になったと言うことでしょうか」

「うーん…そうゆう事はよくわからないな」

「ま、ご主人様可愛い♪」

「………」

でも…本当に大人になったからって、性格が真逆に変わったりするのかな。
他にもなにか重大な事があって、変わらず得ざる負えないかったとか……。いや、さすがに考えすぎかな。


(少年は首を横に振ると改めて家族を見る。あながちその考えは間違ってはいないというのに…。)


『お父さん。ワタシちょっと近くの川に行ってくるね』

『はい。ここには魔物がいないからって、安心し過ぎずに気を付けて行ってくるんだよ。いいね?』

『はーい』


(女の子は元気に手を振って近くの川へとダッシュで行く。
 その表情は楽しい事を考えているのか少しニヤけていたようだ)


[あの川には確か綺麗なお花がたーくさん咲いてたんだよねっ。
やっぱりお水が綺麗だからなのかな?お魚さんもいーぱいっ泳いでいるし。
ま、なんでもいいや!綺麗なお花が沢山咲いていれば♪]



「おや? 移動するみたいですね。ついていきますか?」

「うん。魔物はいないって言ってたけど、あのくらいの女の子にとっては魔物以外も十分に危険だしね」

「ご主人様ったらお優しい。ますます好きになっちゃいますぅ」

「あはは……どうも…」

やっぱりご主人様って呼ばれるの慣れないな…。

(少年たちは女の子にばれぬようこっそり後をついてゆく。
 その選択は吉とでたようだ)


『うわーきれー』


[今日もたっくさんのお魚さんたちが泳いでる。
いいなー私も泳ぎたいなー。着替えのお洋服がないから、だめだけど。
生まれ変わるなら、人魚さんがいいな。だって可愛いもんっ!]


川につくと大きな滝があって水は透き通っていて下が透けて見える。

…でもこんなに綺麗なのに魚が一匹も泳いでいない。どうしてだろう。

あっそういえば、僕の家の近くにある小さな川もここくらいに透き通るように綺麗な水だったな。

ヨナもあの川で水遊びするの大好きだったな…。


ヨナ。僕の可愛い妹でたった一人の大切な家族。 紅き鎧の騎士にさらわれてしまって今は離れ離れ。

絶対に助けるからね、少しだけ待っててねっヨナ!

Re: Secret Garden -魔女と呼ばれた少女の物語2- ( No.3 )
日時: 2017/09/02 11:28
名前: 姫凛 (ID: 5r6pEwjY)

2017夏☆小説カキコ小説大会【複雑・ファジー小説部門】で本編の【シークレットガーデン~小さな箱庭~】が【銅賞】を頂きました。
投票してくださった皆様、本当にありがとうございました<(_ _)>


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