複雑・ファジー小説
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- 超人
- 日時: 2017/02/19 14:11
- 名前: 春 (ID: 6MjU9.jk)
この前まであんなにアイスクリームが早く溶けたというのに、今となっては、自分自信がアイスになってしまうんでは無いか?と思うぐらいに冷え込んだ朝だった。
この圧倒的な寒さに対してため息が漏れてしまうも、それを嘲笑い答えるかのように顔の周りが白い息で囲まれる。後少しで高校一年生が終わるという時期だ、風邪だけはひかぬよう防寒着とその下には何枚もの厚着を重ねていた。前を向いて歩いて居ると、自分の白い吐息が邪魔くさいので少し下を向いて歩いてた。誰かにぶつかってしまうのでは無いかと思ったが。
どすっ。
案の定だ。俺近くを通った誰かに肩がぶつかってしまった。俺は咄嗟に頭を上げ謝ろうとあたりを見渡した。
しかし、そこには誰もいなかった。通り過ぎたのかと思って後ろを見たが誰もいなかったのだ。
おかしいな。その時漏れた言葉だった。
- Re: 超人 ( No.1 )
- 日時: 2017/02/19 00:43
- 名前: 春 (ID: 6MjU9.jk)
1:突如
俺の家庭環境は決して悪い方ではなく、かといって別段恵まれているわけでもない。いえばここら辺で普通と言ったような生活をおくらせていただいている。
いやまて、普通といえどどのくらいを基準とするのかで変わるだろう。なんて奴もいるかもしれない。実はそんな事はどうでも良くて、「基準なんて人それぞれだ。」なんて言ってしまうと話はそこで終わる。
普通という定義は難しいもので、周りが当たり前とするならば、間違っていようがいまいがそれが「普通」になってしまうのだ。
正しいものが普通なのではなく。普通とされたものが何故か「正しい」のだとされる。そういう扱いになってしまう。これはなかなか生きにくいものだ。
俺は突然「当たり前」の道から外れる事になってしまった。
- Re: 超人 ( No.2 )
- 日時: 2017/02/19 14:14
- 名前: 春 (ID: 6MjU9.jk)
2
俺は高校から即座に家へ帰宅し、風呂へ入って学校の課題を終わらせ、後は暖房のよく効いたリビングで、スマートフォンとTVのリモコンを両手にソファでゴロゴロゴロゴロしていた。
父はいつも帰りが遅く、今日は母親が職場の人達と飲み会という事なので、ゆっくりと自分だけの時間を楽しむ事が出来るのだ。
夕食は机の上に千円とこれ使ってね。という置き手紙が置いてあったのでそれで済ませる事にした。というかそうしろという意味だろう。
うとうとしてきて、気づいたら時計の短い針は9時を指していた。ゴロゴロし始めてもう3時間が経っていた。
腹が減った事に気づいた俺は、コンビ二か何処かに行こうと、上着を自分の部屋から取り出し、千円札ををポケットに突っ込んだ。その時初めて気づいたのだ。
「いつの間にか黒い封筒が【入れられていた】」
俺の記憶にはこの封筒に見覚えはないし、そもそも上着のポケットには金、カイロ以外入れないのだ。
なら、何者かがポケット入れたに違いない…。
この上着は学校にも着て行っている。朝家を出る時にはこんなものは無かった。姉は一人暮らしをしている、論外。帰ってきたとき父親、母親はいない。なら…。
俺は考えることをやめた。見覚えも無いし、黒い封筒という事もあり不気味だった。取り敢えず一旦忘れて、コンビ二へ行く事にした。
何と無く俺はその封筒を持って行く事にした。
- Re: 超人 ( No.3 )
- 日時: 2017/06/20 23:04
- 名前: 春 (ID: 6MjU9.jk)
3
別段急ぐ必要もない。しかし、早足でコンビニへと向かう。理由は単純で、寒いからだ。 急がなくても十分以内にはそこへは着く。急いだとしても大層変わらないだろう。が、気持ちというのは大切だ。寒さから逃れようとする行動こそに意味がある。急ぎ足をしているのだと自分に言い聞かせる事に意義を見出す。これだけでも気が楽になる。寒さからくる苛立ちを和らげる事ができる。した気になるというものには、計り知れない力があると思う。しかし、そこは暗示としての力であり実際に自分への上手い結果は大きくは現れない。つまりは自己満足の世界なのだ。そんな些細な自己満足からくる安心感だけで人が生きていけるというには限界がある。ただ、今この瞬間だけという話なら別だろう。俺の急ぎ足は決して無駄にはならないのだ。
コンビニが見えてきた。横断歩道を渡って少し歩けばもうすぐだ。そんな気持ちと同時に誰かが何者かを呼ぶ声が横断歩道の向こう側のから聞こえた。
「君!!君だよ君!!」
呼ぶ声の方向には俺しかいない。俺は
声の主を見た事がない。俺を呼んでいるなら人違いではないか?
声の主はそのままこちら側へ渡ってきた。
「無視かい。酷いな、返事頼むよ!」
「あの、人違いでは。」
「人違い?そんなはずないよ〜。君、持ってるでしょ。」
そう言われてたが、何の事だか一瞬理解出来なかった。が、思い当たる節が一点あった。それは…。
「【封筒】だよ。」
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