複雑・ファジー小説
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- 死にたがり屋の王子様
- 日時: 2017/02/18 16:28
- 名前: 村人C (ID: zRrBF4EL)
【Prologue】
人って、面倒くさい。
友情、恋、関係。
何もかも、捨ててしまえばいいのに。
そう思いながら、屋上へ行くと
「…」
カッターを手に持ち、
手首を出している男子がいた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【注意事項】
少し流血?表現があります。
誤字・脱字などがあります。
アドバイスなどくださるとうれしいです。
いろいろとよろしくお願いします。
- Re: 死にたがり屋の王子様 ( No.1 )
- 日時: 2017/06/19 22:50
- 名前: 村人C (ID: /fPzXfuw)
【第一章】第一話 王子様
高一になり、一ヵ月過ぎ、五月。
桜は散り、暑い日が続くようになってきた。
「ふぅ…」
黒沢柚葵は日誌を書いていた。
特にこれと言って書くことはなく、適当にササッと書く。
柚葵は親友、友達、先輩という人がいない。
いや、いないわけではないのだが、彼女は広く浅く、
人間関係を築いている。
一人で行動することもあれば、たまに誰かと行動することもある。
基本的には一人で行動している。
「屋上…」
彼女は教室の窓から屋上を見る。
当たり前のことだが、誰もいないだろう。
終わったら、早く行こう。
そう思いながら、彼女は職員室に日誌を届けに行った。
*
職員室を出た後、早歩きで廊下を歩く。
ここの学校の屋上は鍵が開いている。
しかし、これを知る者は数少ない。
だからといって、今のところ屋上で出会った人はいない。
なので、数少ないと言われてきているかもしれないが、
本当は私しか知らないんじゃないか?と思ってしまう。
まぁ、一人の空間があれば、私はそれでいい。
「…?」
珍しく、ドアが半開きだ。
誰かいるの?
好奇心には勝てず、ドアを開けた。
ガシャ
開けたと同時に風が勢いよくなびく。
驚いて目を少し瞑ってしまった。
手で顔を覆い隠し、隙間から向こうを見る。
そこには、男子生徒がいた。
しかも、柵の外側に。
風がやみ、覆い隠した手を外す。
「えっと…あの」
「…?」
その男子生徒は、まるで、
王子様みたいだった。
続く
- Re: 死にたがり屋の王子様 ( No.2 )
- 日時: 2017/06/19 23:54
- 名前: 村人C (ID: /fPzXfuw)
二話 金髪王子様(仮)
「…」
男子生徒は金髪だった。
ヤンキー…とはまた違い、異国の王子様みたいだった。
雰囲気が、オーラが、そんな感じだった。
まだそれで終わるならいい。
いいのだが…何故、柵の外側にいるのだ。
そして、何で右手にカッターを持っているのだ。
「あぁ…」
王子様(仮)は気が付いたように、笑顔になり、
「自殺、する予定だったんですよ」
と言った。
「じ…さつ…?」
「はいっ!」
「…」
何故、元気よく返事が出来るのだ。
訳が分からん…。
頭が痛い…。
「あ、もし事情聴取みたいなこと聞かれたら、
自殺するって言ってましたって言ってください。
それでは僕、そろそろ…」
「ま、待て待て待て!!」
私は男子生徒の腕を引っ張る。
「うわぁ!?な、何ですか!?」
「そのままそっくりお返しするよ!その驚き!!
とにかく、こっちへ来て。てか、来い」
「え…?分かりました…」
素直に柵の内側に戻ってきた。
どうやら、話は通じるようだ。
いや、ある意味失礼だが。
「何ですか?」
「何ですか?じゃなくて…」
ため息がこぼれそうになる。
そうえば昔も何か似てるようなことが…
「大丈夫?」
王子様(仮)の言葉で意識が戻る。
あぁ…忘れてた、コイツ。
「そのカッター、私に頂戴」
「え?」
「そのまま持ってたら、絶対、手首切るでしょ?
ほら、早く頂戴」
しかし、彼は一向に渡す気配がない。
「何で渡さなきゃいけないの?」
「何でって…さっきも言った通り…」
「無関係なのに?」
「っ…」
『無関係』
その言葉に引っかかる。
頭痛がさっきよりも酷い。
「あ、え、えっと…その…」
「…」
「僕、何か悪いこと言っちゃったね…。ご、ごめんね…」
痛い。
「大丈夫…?」
苦しい。
「君、えっと…」
駄目だ。
「げん、かい…」
その場で意識が途切れた。
続く
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