複雑・ファジー小説

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オテントサマは程遠い
日時: 2017/03/03 01:10
名前: あめっこ (ID: 2v9NroYJ)


『井の中の蛙』

ぼくらは生まれたときからこの世界しか知らない。
水滴が無限に落ちてくる息苦しいこの世界しか。

きっとぼくらのような人をこう呼ぶのだろう。

高い塔の上には、『オテントサマ』がいるらしい。
といってもこの街の人でそれを見たことがある人はいない。
昔からオテントサマは悪魔だって脅されながら育ってきたから、
誰もオテントサマに会いに行こうとはしないのだ。

だからオテントサマが本当はどんなやつなのか皆知らない。



☆あとがき☆
こんな感じですハイ
なんとなーくこんな世界観かなってわかるかもですが
つまりはそういうことです!!

雑談とか、これとは別の小説もきままーに書くかもです
ただし、浮上率はあまり保証できないです…ゴメンナサイ
あとあと、荒らしや重度の構って攻撃等は一切無視させてもらいます
ごめんちゃい

ということで宜しければ読んで気軽に声をかけてね!

Re: オテントサマは程遠い ( No.1 )
日時: 2017/03/03 01:41
名前: あめっこ (ID: 2v9NroYJ)


時は2017年。本日も異常なし、雨である。
この街で一番高い電波塔のてっぺんは雲に覆われて見えない。
ため息が出るほどいつも通りの朝である。
前言のようにため息をわざとらしくしたぼくは、
トーストをかじりながら今日の授業予定をみた。
「んと、今日は、……あー、実習か。」
たしか今日は学校全体でこの街一番長生きの人に話を聞きに行く授業だ。
その人は古くから人の命を食ってとると言われている悪魔、
オテントサマにあったことがあるそうなのだ。
今日はその話を聞きに行く。
集合場所は『カベ』の近くにある公園。

『カベ』とは、この街全てを囲む、その名の通りカベ、である。
なぜカベに囲まれているかといえば、この街以外の気候は決して人が
住めるものではないらしく、誤って人が外に出ないように、カベがあるらしい。
これもオテントサマと同じく、生まれたときから街にあったものだし、
物心ついたときにはいつのまにか理由も知っていた。

まあこの街で何不自由なく暮らしているんだからいいのだけれど。
具体的にはなんにも教えてくれないもんだから、
他が外にビクビクしてるなかぼくだけちょっと不信気味である。
そのせいでこの前学校に親をよばれて教育がどうだとか言われた。
この街はぼくから見たら大分頭がかたい。

今日も堅苦しい話を聞かされるんだと、そう、思っていた

Re: オテントサマは程遠い ( No.2 )
日時: 2017/03/03 22:19
名前: あめっこ (ID: 2v9NroYJ)




「いいか諸君。俺はもう102歳、この街一番の年寄りだ。今日君たちは先生達から、俺がオテントサマに会ったことがあるって紹介されたろ。ありゃあ嘘だ。」

老人の口から一番に出てきた言葉はソレだった。
もちろん聞いてた話がウソだったと言われたとき会場はざわついた。
先生の焦る姿が目に入る。

「もちろん、先生が嘘をついた訳じゃねえぞ。勘違いするな。俺は、若えモンに夢を預けるために諸君を呼んだんだ。俺にはもう時間がない。」

俺の話を聞いちゃくれねえか、諸君。

先生があたふたしているのが目に見える。
しかしぼくらは無意識に、彼の言葉に耳を傾けた。

俺はオテントサマをみたことはない。
でも、俺はお前らの知らないオテントサマを知ってるぞ。
俺の爺さんはな、オテントサマに会ったことがある。
俺が今諸君にしているように、俺の家系は先祖代々、
オテントサマの恐ろしさを伝える役目を担っている、らしい。
そこの詳しい理由はよく知らん。
もちろん爺さんもそれをやってた。そりゃもう熱心にな。
でもある日、俺が高校生になったときだ。
爺さんはこう言ったんだ。
「オテントサマは優しいさ。わしはずっとわかってた。なのにウソを教えてた」
そういう爺さんの目はとても疲れたものだったよ。
次の日、今日みたいな公演会を開いて爺さんは全てを話した。
オテントサマは悪魔じゃないと、必死に訴えたが誰も信じなかった。
その一週間後、爺さんは突然心臓発作で死んじまったのさ。

「俺はオテントサマは本当に悪魔なのか、それとも違うのか、
わからねえまま102年間ズルズル生きてきた。
わからないままで本当のように昔話を延々と語ってきたことを後悔している。
だから諸君らは見てもいない言葉を事実だという奴にはなるなよ。
気になるなら見に行けばいい。きっとあの塔の上に答えがあるさ。
俺にはその時間はないがな。」

Re: オテントサマは程遠い ( No.3 )
日時: 2017/03/03 22:28
名前: あめっこ (ID: 2v9NroYJ)

街一番の長生きおじいちゃん!
今回のお話で大分でしゃばっとるな!!
さてさて、主人公の影が薄いので主人公のことをチラッと紹介です!

雨先 晴矢(17)
いたって普通の高校生。
毎日不自由なく暮らしているが、
この街の大人の言葉に不信感を抱いている。
また、オテントサマの話もあまり信じていないし、
そもそもオテントサマなんていないと思っている。
今回のおじいちゃんの話を聞いて、この世界に疑問を抱くことになる。


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