複雑・ファジー小説
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- 平行世界がとんでもないことになってる件。
- 日時: 2017/03/09 18:48
- 名前: さくら花火 (ID: hxRY1n6u)
少年は戦う。大切なものを守るために。
一人の高校生が平行世界で戦う、そんな話。異世界転生ではないけれど、それに近い。
初投稿です、どうかよろしくです。
- Re: 平行世界がとんでもないことになってる件。 ( No.1 )
- 日時: 2017/03/09 19:05
- 名前: さくら花火 (ID: hxRY1n6u)
設定♪
音庭 夏(おとば なつ)
本作の主人公の、男子高校生(高1)。やや中性的な見た目で身長は156cmとやや小柄。バドミントン部に所属していて、全国でもある程度勝ち進める強さ。一つ下の妹がいる。ちなみに若干シスコン入ってる。が、クラ思いスメイト(詩音)に片想い中。
小野 詩音(おの しのん)
本作のヒロイン。夏のクラスメイト夏のことが好きだが両思いだと気づいていない。剣道部のエースで、全国優勝の経験あり。かわいくて明るく、優しいと男子には人気がある。
音庭 優美(おとば ゆみ)
夏の妹、中3。夏とは違って極度のブラコン。どのくらいかというと、学校一のモテ男に告白されるも、こっぴどく振ったあげくその男の顔に紅葉を作るほど。陸上部所属で、県内トップの足の速さ。
- Re: 平行世界がとんでもないことになってる件。 ( No.2 )
- 日時: 2017/03/09 19:20
- 名前: さくら花火 (ID: hxRY1n6u)
唐突だが、みなさんは平行世界というものを知っているだろうか。僕の暮らす世界には、その平行世界が存在している。現実世界と平行世界は決して交わることはないと言われている。だが、先日インターネット上に投稿されたコメントが、それを覆すこととなる。
『明日の正午、現実世界と平行世界が交わる。現実世界には存在して。平行世界には存在しない人がいる。彼らは、現実世界と平行世界が交差する瞬間、現実世界から消え、平行世界で生活することになる。』
このコメントは瞬く間に拡散されていった。有り得ないと鼻で笑う者、明日には自分がこの世界から消えるのかと恐怖する者、まだ見ぬ平行世界に胸をときめかす者。実に様々な反応でインターネット上は埋め尽くされた。
そしてこのコメントは夕方のニュースでも報じられた。
『次のニュースです。平行世界に関係するコメントがインターネット上に載せられた事件ですが、政府はこれをイタズラと断定していて……』
「お兄ちゃんはどう思う、これ」
「ああ……行けるものなら言ってみたいな、平行世界」
「そうだね、もしかしたら私とお兄ちゃんがカップルになってるかも……」
「はいはい、そうだといいね」
僕の妹はいつもこんなんなのだ。嫌いではないし、むしろ好きなくらいだが、人目をもう少し気にしてほしい。
「んじゃ、部屋戻ってる。友達とゲームする約束だから」
「ええ〜!?早くない!?まだ7時だよ?」
「ごめんって。んじゃ、また明日ね。おやすみ」
「ん、おやすみ〜」
幸せだと思う。友達や家族に囲まれて、普通の暮らしをする日常。いつまでも続くと思っていた。だが、そう長くは続かなかった。
僕の日常は、あまりにも理不尽で、逆らい用のない方法で引き裂かれた。
- Re: 平行世界がとんでもないことになってる件。 ( No.3 )
- 日時: 2017/03/09 19:37
- 名前: さくら花火 (ID: hxRY1n6u)
運命の日と言ってもいい、翌日の朝。インターネット上の書き込みにあった日付、12時まで、残り2時間。
「あ〜、暇だ〜。散歩でも行ってこようか」
布団から抜け出し、パジャマから着替えて外へと繰り出す。随分と気持ちのいい天気だ。だが花粉症には気を付けなければならない。マスクは必須である。
お気に入りの音楽をかけながら、とことこと近くの公園を歩く。と、見慣れた後ろ姿を発見した。
「詩音!」
僕がかけた声に反応し、少女が振り向く。向日葵のような笑顔と共に、僕の名前を呼ぶ声が返ってくる。
彼女こそが僕が片想い中の相手、小野詩音である。その恋は成就しそうにないが。
「やっほう、夏。奇遇だね!何しにここに?」
「ただの散歩。そっちは?」
「んー、同じかな。なーんか退屈でさ。それよりさ、インターネットの書き込み、夏は信じる?」
「半々ってとこ。あったら面白いけど、少し怖いかな」
「だよねえ。こっちの世界から存在が消えるなんて、恐ろしいわホント」
二人で話しながら時間を過ごす。いつも通りのことだった。
ふと、視線を上に向けると、丁度時計が映った。もうすぐ12時というところだった。
「……もうすぐ、だね」
「うん…」
今胸の中にあるのは、不安。そして少しの期待。僕らの胸中を察したのかどうか、時計の秒針が一周し終えた。
刹那。
突如脳内に激痛が走った。程なくして全身に回り、たちまち僕は崩れ落ちた。
隣を見やると、詩音も同様だった。
「うっ…く、詩音、大丈、夫………?」
「大丈夫、あう、あぐうっ!」
二人して激痛に苦しむ様は、周囲にはどう映ったのだろうか。だがそれを確かめるより前に意識が無くなっていった。
そして意識が戻ると、そこは同じ公園だった。
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