複雑・ファジー小説
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- 圧倒的身体能力はファンタジーを打ち破る。
- 日時: 2017/03/10 18:25
- 名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)
初めましての方は初めまして。また会った人はお久しぶりです。
オオミノガというものです。
作品が始まる前に幾つか了承していただきたい事がございます。
・作者は学生の為投稿ペースが不定期更新となっています。
・誤字脱字等の低クォリティ文章です。その為、作者も推敲しておりますが、それでも、誤字脱字があった時はお知らせ下さい。
・異世界転生物となっております。思いっきりチートが入っております。
・荒らしはおやめください。
上記4点をご了承の上、作品をお楽しみください。
- プロローグ【死】 ( No.1 )
- 日時: 2017/03/18 22:38
- 名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)
俺、望月 奏太は普通の高校生だ。そこそこ幸せに生きていた。だが今日、俺は死んだ。突然の事だった。走っていたら、発作を起こしそのままコロリだ。だが、身体は死んでも『魂』は生きていた。その証拠に俺は今ここにいるのだから。
「あの……ここ何処ですかね?」
白い顎髭を蓄えた金色の透き通った瞳を持った筋肉隆々の老人に話しかける。足を組み、余裕たっぷりに構えているその姿は『神様ですよー』なんて看板を首から下げていそうだった。
「ここか?ここは、審判の世界。死人に審判を下す世界だ」
「って、事は死んだんですね。俺」
「ああ、そうだ」
やっぱり、死んだのか。死んだ後自分はどうなるのだろう?輪廻転生の輪にまた戻るのか?それとも、天国に行く?はたまた地獄?だがそれも、死んだ自分にとっては無意味な考えだろう。
「これからお前を生き返らせる」
予想は、全て大外れ。願ったり叶ったりの一番嬉しい答えだった
老人は立ち上がり、此方へ近づいてくる。背筋がピシッと伸びており、恐らく身長は190を超えている。その威圧感は正に『神』と評する事ができる。
「しかし、元いた世界に生き返らせる事は不可能。だから代わりに魔物、魔法有りの世界。まあ、所謂『ファンタジー世界』に生き返らせてやる」
『神』と思しき老人は僕の頭に手を置き、こう言う。
「お前に『特典』を一つやろう。圧倒的魔力か?神器か?それとも万能を望むか?好きなものを選べ」
少し考え僕は、ゆっくりと言った。
「世界最強と打ち合える身体能力をくれ」
応えるかのように老人が放った光は僕を包み、僕は審判の世界から消えた。
- 一話【龍】 ( No.2 )
- 日時: 2017/03/21 11:47
- 名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)
閃光に思わずまぶたを閉じる。目を開けるとそこは物音の少ない広い森だった。格好は死んだ時と同じお気に入りの黒に白のラインが入った地味なジャージだ。唯一聞こえる音は、遥か上空から聞こえる耳をつんざくこれまで聞いたことのない音。音は何かの鳴き声のようだ。
大きくなる鳴き声に耳をふさぎながら、上を見ると火を噴き空を飛ぶ巨大トカゲ、まぁ世に言う龍がいた。
龍の大きさは、少なく見積もって5mといったところだ。真っ赤な鱗、とんでもなく鋭そうな爪、丸太のように太い尾を持ったリアルな怪物だ。
「もしかして、ジャンプしたら届いたりしないかなぁ」
ふと、本当にチートが発動しているかを試してみたくなった俺は地面を踏みしめジャンプ。大地が割れめくれ上り、森をめちゃくちゃにする。
想像以上に飛んだ。いや、飛び過ぎた。龍の目の前までまさか、簡単に到達するなんて思ってもみなかった。
龍は、蝿を叩き落とすように俺に向かって鋭利な鱗付きの赤い尾を振り下ろす。鈍器で殴られ、鋭利な刃物で刺されたような激痛が襲いそれと同時に骨が砕け、肉を断たれ____る事はなかった。ただ、物理法則に従い地面に叩きつけられる。派手な音を立て再び地面がめくれ上がる。
転生早々審判の間に送りかえされることになると一瞬覚悟したが、そんな心配必要なかった。
龍は、完全に俺の息の根を止めるため飛行機並みの速度で滑空し、俺を殺しにかかる。威圧感に身体が竦み、動くが鈍くなる。それでも、体を動かし放ったアッパーは龍の顎にヒット。肉を打った感触とバギィという鈍い音がした後龍は空へとぶっ飛ぶ。
- 第二話【瞬殺】 ( No.3 )
- 日時: 2017/03/21 11:49
- 名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)
アッパーでかちあげた龍は中々落ちてこず、数十秒程してから大きな鈍い音を立て地面に落ちる。拳が当たった部分の鱗は滅茶苦茶になり自分でもこんな事が出来たのかと驚くばかりだ______転生チートってすげぇ。
「あんた何者だ?」
突如首筋に冷たいものが突きつけられる。突きつけられたものは西洋の長剣____バスタードソード。後ろを少し見る。そこには、敵意を目に宿らせた自分と同じぐらいの年齢の青年がいた。
「屈強な飛龍を一撃で倒せるのは王国でもほんの一握りだ。帝国の差し金か?」
「…………」
「答えろ!!」
青年はイライラした様子で怒鳴る。俺はまだ黙る。青年が怖くて話せないってわけじゃない。怖いわけじゃない。
「なら、死ね。国のためだ」
理不尽過ぎる青年は思いっきりバスタードソードを首めがけ振る。目を閉じ、痛みと死を覚悟する。首に何か当たったと思ったと同時にポキンと何かが折れる音が聞こえる。何が折れたか確認する為に薄っすら目を開けると折れたバスタードソードの刃が見える_____転生チートってすげぇ。
「くっ、素手で戦うし……か?」
「グギャァァ!がぁあああああああああ!!!」
俺の背後から出現する先程よりはるかに大きい10mは優に超える明らかに怒っている龍。もうここまで来ると恐れを超え、もう笑いすら出て来るレベルだ。
「『親』飛龍が出てきやがった!」
「へっ?!『親』。じゃあさっきのあれは」
「まだ幼体だ!!」
ああ、なるほど子供を倒されて怒っていると……納得している場合ではない。もしかしたら、先程のように一撃で倒せるかもしれないが、これは無理だ。逆立ちしたって無理だ。
「よし、逃げるぞ!勝てる気がせん!」
隣の青年に声をかけ最高速度で逃げようとするが、その必要はすぐになくなった。
龍の口は赤く光り、周囲の温度が高くなる。世に言う『ブレス』の発射準備が完了し、打ち出されると言うタイミングで龍の左胸に大きな風穴が開く。龍は仰向けに倒れ、天を向いた口からブレスは打ち出され、少ししてから大爆発が起こる。
「いやぁ、いい素材が今日は大漁っす!」
龍の体の上には華奢な少女が立っていた。
- 第三話【王国最強級との邂逅】 ( No.4 )
- 日時: 2017/03/19 16:52
- 名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)
華奢な少女はレイピアを鞘に納め、龍の名刀のような犬歯を抜いた。少女は抜いた犬歯を腰のポーチに入れる。
「いやぁ、凄いっすねぇ。そこの子飛龍倒した君」
面白がった様子でこちらにゆっくり、ゆっくりと歩みを進める少女。
少女の格好は関節部、胸などの弱点部のみ鉄の鎧を着込みそれ以外はレザーアーマーを着ている。いわゆる超軽装だ。腰のポーチからは鱗や牙など生物の身体の一部が見えていた。
「なぜ、王国直属騎士がここに?!」
「いいじゃないっすか。散歩っすよ、散歩」
聞き慣れない王国直属騎士と言う単語にはてなマークが頭を過る。
「王国直属騎士って何だ?」
「王国最強の騎士達のことっす」
少女が笑顔で答える。どうりで化け物を一撃で………………これやばくね?帝国の差し金って勘違いされてるって事は、この少女にあの龍と同じように…………考えるのはやめよう。
「どうしたんすか?怯えて、取って食ったりしないっすよ……………帝国の差し金じゃなけりゃね」
「……………」
最後の言葉、凄味がこもっていた。自分と同年代くらいの少女に恐れをなし、チビってしまいそうだ。非常に情けないと自分でも恥ずかしくなる。
「……なんちゃって、嘘っすよ。帝国の差し金なら手の甲に古龍の紋様が付いてるっすから」
「た、確かに……」
「だから問い詰めるのは、そこまでにしろっす『上級騎士』君」
凄味が消え、年相応の雰囲気に少女が戻る。青年も少女の説得で、警戒をやっ解く。
「さぁ、帰るっすよ。私には、やるべき事が多くあるっす」
少女は俺からクルリと向きを変え、歩き出す。
- 第四話【メインヒロイン=龍殺し】 ( No.5 )
- 日時: 2017/03/26 09:41
- 名前: オオミノガ ◆RgF.6MREXo (ID: wSTnsyhj)
それからと言うもの特筆することなど何もなく、『王国』へと着いた。王国は高い壁に囲まれていて東西南北一つずつ門があるらしい。今、俺たちが立っているのは北門らしい。
少女が門の前に立つ重装備の男に何かを言うと門はギィと軋んだ音がして開門する。
「さぁ、到着っす。私、ここらでおいとまさせてもらうっす」
少女は足早に俺たちの目の前から去っていく。
「申し訳ありませんでした!」
「えっ?!」
青年は頭を深く下げ、謝罪を口にする。困惑のあまり俺は『え』とか『あ』とか繰り返していた。不甲斐ねえな俺。
「もし良ければ騎士団に加入していただけないでしょうか?おこがましいことだとは思っています」
「ああ、いいぜ」
これからの目処が大体立った。最初この青年と会った時不運だと思ったが、思わぬ所で幸運に転じた。塞翁が馬とはまさにこのことだ。
今から加入するために騎士認定試験を受ける。その間に青年が手続きを済ませておくらしい。
騎士認定試験の試験会場はだだっ広い公園の様な所だった。でも、非常に広い多分東京ドームよりも広い。
「ここが、試験会場です。それじゃあ僕は、手続きをしてきます」
「分かった」
「どいた、どいたぁ!」
「ちょ、おまっ!?」
走ってきた少女にタックルを喰らう。初めてこの世界で感じた痛みだった。数メートルぶっ飛び、青年にぶつかる。
「おっ、済まねえ。生きてっか?」
「生きてるぞ!」
少女は申し訳無さそうに手を差し伸べてきた。青年は彼女の顔を見て驚いた様子だった。
「どうした?」
「貴女は『龍狩り』ベオウルフじゃないですか?」
「おっ、結構名も知れてきたのか」
男勝りな少女は『龍殺し』らしい。どうりで、俺を吹っ飛ばした時痛みを感じた訳だ。
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