複雑・ファジー小説

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メビウスの輪をなぞり
日時: 2017/04/03 19:13
名前: 少女みどり (ID: SkZASf/Y)


*人物紹介*

主人公: 江崎小夜子えざきさよこ
中学3年生。色白で黒髪ロングの美少女。大人しいが友達は少なからずいる。級友の英二に恋をしている。美への執着心が強い。

親友: 浦野慧 (うらのけい)
小夜子の親友で登校拒否中の同級生。美少年で人気者、友達も多かったが、なぜ突然彼が引き篭もるようになったかは謎。小夜子の良き理解者。

香和村英二かわむらえいじ
小夜子の片想い相手。活発で、学年の中心的人物。大きな目と赤っぽい猫毛で、一見軽率そうだが、人懐っこく爽やか。小夜子の想いには気づいていない。

友達: 坂本鞠さかもとまり
小夜子の友達。一風変わった性格のトラブルメーカー。電波少女で天才肌。そばかすと眠たげな目、高い位置のポニーテールが特徴。

複雑・ファジーですが、割と日常系でいこうと思っています!途中、シリアス、メンヘラ要素入るかもしれません。よろしくお願いします!

Re: メビウスの輪をなぞり ( No.1 )
日時: 2017/04/04 15:54
名前: 少女みどり (ID: SkZASf/Y)

ピピピピ、ピピピピ と携帯が鳴り、目を開ける。でも 体は起きていない。
3回目のピピピピ、また目を瞑る。何回鳴っただろうか、再び目が開いた時には自然と身体を起こせた。くぁっ と小さなあくびをしながら階段を降り、キッチンで食パンの袋をガサガサと探す。
パンをトースターにねじ込み、顔を洗い制服を着る。香ばしく甘い匂いが漂う。チン、と元気に飛び出てきたトーストにザリザリとバターを塗って、目を擦りながら一口。表面がカリッとして、ふんわりした内部にジュワッと濃厚なバターが溶け出てくる。
「舌が幸せだぁ。」
つい声に出し、うっとりしていたら、窓の外から女の子の声が聞こえた。高くて大きい声。声の主は、友達の坂本 鞠だった。
「急げよ!遅刻するぞ、田岡。」
「私は田岡じゃないよ、まりりん。あと今はまだ7時。集合より1時間早いよ。」
食べかけのパンを残し、歯を磨いて髪をとかす。白い肌と綺麗な髪は母譲りの自慢だ。
まりりんをちらりと見ると、散らかったリビングに塞ぎ込み、携帯ゲームでモンスターを狩っていた。
私は鏡を覗き込み、入念に化粧をする。出来るだけ可愛く、でも先生にバレないように…
「よし、行こっか!」まりりんに声をかける。「はにゃ。」気の抜けた返事を返し、彼女はゲームを閉じる。クエストは達成したようだ。
猛ダッシュで走り出したまりりんを軽く追いかける。あ、鍵かけ忘れた、洗面所の電気消したっけ、いつも通りだ。ポニーテールは校則を思いっきり破った頭のほぼてっぺん。おまけに可愛い猫が付いたゴム。靴下は左右違う柄、スカートの裾がめくり上がり イチゴ柄のパンツが見える。いつもの光景。

今日もまた、メビウスの輪のように平穏で、終わりの見えない1日が始まる。

Re: メビウスの輪をなぞり ( No.2 )
日時: 2017/04/05 13:45
名前: 少女みどり (ID: SkZASf/Y)

「guten Morgen!」
教室のドアが勢い余って壁にぶつかり、からから…と戻る。まりりんは両手を天高く掲げクラスメイトに挨拶をした。
「ここは日本‥「今日はドイツ語かな?鞠ちゃん。」
私の声を遮って喋ったのは、、くるくるとよく動く大きな猫目に にこっといつもの微笑んでいる口角、そしてちょっぴり癖っ毛の赤っぽい髪色‥
「よくわかったな、英一」
「英二だよ、毎朝言わせないで〜‥江崎さんも、グーテンモルゲン」
「英、二 くん、ぐー、あっ おはよう、」
ああぁああ!駄目だぁ〜!不意打ちだよ〜‥ちゃんとグーテンモルゲンって、返せばよかったなぁ。でも 言語は違えど、英二くんに挨拶された事実‥!


「今日はいい日だ!」
つい、昼休憩に叫んでしまった。はっと我にかえると、私のサンドイッチのパンをめくり トマトをつまんでいるまりりんが目に入った。おい、なんでトマトを持っているんだ坂本鞠。じっと私を凝視するまりりん。
「‥これ、いる?」つまんだ指をふわふわゆらす。
「うーん、もういらないかも。」彼女はにっと笑い、ポケットにトマトを仕舞って自分の弁当を食べ始めた。よくわからない。
「江崎、今日は警備員に会いに行くぞ。」オムライスをつつきながら喋る。
「‥あ、慧ちゃんとこね。いいよ。モンハン持ってこうか。」
午後の鐘が鳴り、休み時間が終わった。



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