複雑・ファジー小説

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戌夜探偵事務所
日時: 2017/05/15 23:49
名前: 蒼祐 (ID: n3l0Ur7T)

プロローグ
思えば依頼が波のように舞い込んでくるようになったのは、つい最近のことだ。どれくらい依頼が入るようになったかというと、つい前まで新しく買ったA4サイズのファイルが気付いたら、学校から貰ったプリントでパンパンになっていた。そういう感じだ。
確かに依頼が入ってくるのは良いことだ。
だが、それだけこの町も平和ではなくなっていることなんだということに僕は、この先気付くことになる。




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どうも、蒼祐です。将来漫画家になろうと思っているものです。カキコを通して色々な方々のアドバイスを貰えれば幸いです。よろしくお願いします!
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探偵、戌夜 夜音丸

「い…ぬ?いぬやよねまる…であっているわよね?あなたの名前は」
僕の探偵事務所に来るお客さんの一言は、必ずこの出だしで始まる。まあ初めて見るのならそういう反応になるのは仕方ないのだ。お客さんの立場になれば、僕だってそうなるはずだ。
そしてそれに対して
「はい」
そう答える。僕の探偵としての1日は、この会話から始まる。
「今回は、どういったご依頼で?」
御婦人にそう聞き返すと、表情が少し曇った。その時点でただならぬ事件なのだということが予感される。
「最近、私の近所で、不可解なことが起きているのよ…。何かって言うと、これは、私がいつも通り早起きして、走りに行こうと思ってた時のことよ…」
御婦人は、そう言うと事件の内容を
淡々と話し始めた。
「私は、いつも通りのコースで走っていたのよ」

Re: 戌夜探偵事務所 ( No.1 )
日時: 2017/05/15 23:50
名前: 蒼祐 (ID: n3l0Ur7T)


私は、仕事と家事のことでいっぱいになっていたせいで、運動をしていないことに気づいた。
なので私は、毎日朝6時に起きて走る事にした。そしてその生活も1週間経った頃、事件は起きた。

「探偵さん。これは、本当の話よ。私の隣の家の壁に…靴が埋まりかけていたのよ!」

「…え?」
僕は、この状況がまったく理解できず、顔が歪んだ。
「え?ってなるでしょ!でもそこを何とかするのが探偵でしょ!」
「いや、分かっています。ただ状況が理解できないのでもう1度詳しく言ってくれませんか?靴が埋まっている場面の所を」
ひと息ついて間をおいた婦人は

「その家の扉の右には、窓があるの。四角い縦横60cmのね。その下から、埋まりかけの靴。かかとの方は埋まっていて、先っぽだけでてい
るの。」

さっきより話が少し読めてきたが、やはり現場に行かなければ、理解できない。
まさかその家のデザインでは?と一瞬思ったが、そんなユニークな家は中々見ないし、ご婦人もご近所だから毎日目にはいるわけだから、まずその可能性は、ないことが分かる。「わかりました。現場検証に行きましょう。」
「ありがとう。早速行きましょう」
僕の心は、不安と恐怖で入り混じっていた。
そして今、この怪事件の幕は切ったのだ。戌夜の不安をよそに、空は厚い雲にに覆われていった。

Re: 戌夜探偵事務所 ( No.2 )
日時: 2017/05/15 23:52
名前: 蒼祐 (ID: n3l0Ur7T)

第1章 『 異変』

1話「依頼人」

僕の探偵事務所から、まっすぐ歩くと大きな商店街がある。そこは、毎日のように人が溢れている。いったいなんで商店街にこんなにも人が集まるのか、行ったことのない僕は不思議に思う。だが今回は、嫌でも通らなければならない。何故なら依頼された場所がその先にあるからだ。
「この商店街、朝市が毎週日曜日にあってね、新鮮な魚や、作物、いっぱい売られてすごく便利なのよ!」
「そうなんですか」
答えてみるものの無論、興味はない。けど、朝市があるなら朝混むことが分かるだけどもう少しで昼なのに何故こんなに混んでいるのか。
商店街の中に入ると分かった。
「あら!今日のステージは、桜G7が来てるじゃない!ちょっと見させてちょうだい!」
「は…はい」
婦人は少しはしゃぎながら、アイドルのいる商店街の人混みの中に溶けていった。
桜G7は、確か、7人の女の子のグループで世界的に有名なアイドルだ。テレビをほとんど見ない僕が知っているくらい、有名だ。
だから今日は、いつも以上に商店街が混んでいたのか…。

興味がないので僕は、商店街の外で待っておくことにした。

「またせちゃったわねーごめんねぇー途中商店街の出口の方に向かっていくのが見えたから、最後まで観ずにきたわ」
「そうですか」
と、言いながら僕は、お気に入りの
茶色のトレンチコートについたホコリをはらう。
「あら、商店街に入る前は、雨降ってなかったのに、土砂降りじゃない!!」
言われてさっきまで商店街の方を向いていた体を180度回転させて、外を見ると、滝の様に雨が降っており打ち付けられる音は、まるでテレビのノイズ音の様だった。そしてこの音に気づかないくらい、商店街に音楽が響きわたっていることがわかった。僕は、折りたたみ傘を持っていたのであまり濡れなくて済む。婦人もいつの間にか傘を持っていた。
「多分こんなに降ってたらましになりそうにもないし、早く行きましょう。」
「そうね。この信号を渡ったらすぐよ。」
「わかりました」
商店街から出たところで、雨はより一層強さをまし、僕の傘は、ボトボトと音を奏でる。
そして空が一瞬眩い光を放ち、雷が、ビルの避雷針に、落ちた。

Re: 戌夜探偵事務所 ( No.3 )
日時: 2017/05/16 00:19
名前: 蒼祐 (ID: n3l0Ur7T)

第1章『異変』

2話「依頼人、?」

傘の奏でる音は、相変わらず終わることはなく、音はより一層強くなる一方である。
「あ、あそこよ。あのーーーーーーーが私の家よ」
音と声が重なり合いよく聞こえなかったがもうすぐ、婦人の家に着くのは確かだ。
「雨…強くなってきましたね」
「・・・・・」


【そうね】





「え?」




一瞬雨の音のせいか婦人の声がおかしく聞こえたような気がする。透き通ったガラスの器に、墨を入れたような、なんとも表現しにくいが、黒い声だった。
「あそこよ。私の家」
婦人の指を指す方向を見ると、一軒家の3階建で、洋式な家が見えた。周りには、赤色の花が植えてある。
婦人と共に家と前まで来ると、
「これよ」
隣の家をみる
「本当だ…。確かに埋まっていますね…。少し触ってみます。」

その靴は、黒色の運動靴で、見た目は年季がはいっていてそろそろ変えた方がよさげな感じだ。
僕は、トレンチコートにいつも入れている厚めのゴム手袋を取り出して手にはめる。
そしてその靴を引っ張ってみるのだが、案の定ビクともせず、完璧に埋まっている。埋めた形跡などない。
変な言い方だが

まるで壁の中に引きずられた後のように、埋まっていた。



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