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複雑・ファジー小説
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- 懐かしの未来都市
- 日時: 2017/05/16 12:08
- 名前: 神七 (ID: vyKJVQf5)
一体いつからだろうか?この妙な感覚を抱くようになったのは。確証なんてものはないし、ただの勘違いと言ってしまえばそれまでなのだが、それでも、少なくとも小学四年生の頃にはこの不思議な感覚に襲われていたのは間違いないと断言できる。
何でもないような、ふとした日常の中で思い出す。(正式に言えば思い出す、というのが一番近い表現で、それ以外に表現の仕様がない。思い出す、というのは少し語弊があるがここでは置いておく事にする)頭に浮かぶ景色はとてもきらびやかな物で、どこもかしこもが明るく光を放っている。
そこに居る自分は十八歳前後で、その景色は見慣れている様子だ。車に似たような乗り物が宙に浮いていて、辺り一面どこを見渡しても天高く聳え立つ巨大なビルが目に映った。
東京なんかとは比べ物にならないくらいに人がいるのにも関わらず、不快感は感じられず、人とぶつかるような事もない。
顔に靄がかかった少女が僕に向かって笑いかけながら手をさしのべてくる。未来的な風景とは裏腹に、その少女の服装は実に現代的だ。その少女は何かを言っていて、それは凄く大事な事なんだけど、その声が聞こえることはない。
ただ、いつも思うのは、僕が本来居るべきなのはここじゃなくて、あの頭の中に浮かんでくる未来的な都市ではないか?ということで、何故そう思うのかは分からない。ただ、今この時代に自分が存在しているということにどうしても違和感を覚えてしまうのだ。もっと簡単に言えば、戻らなくては!という感情が強く湧いてくるのだ。
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