複雑・ファジー小説
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- 透明な超能力者
- 日時: 2017/06/13 20:03
- 名前: Azuma (ID: Aj4Ev7bA)
題名通り、超能力者の物語です。では、どうぞっ!
Chapter01『透明な超能力者』 >>001
- 透明な超能力者 Chapter01-01 ( No.1 )
- 日時: 2017/06/13 19:53
- 名前: Azuma (ID: Aj4Ev7bA)
Chapter01『透明な超能力者』
誰にだって、「秘密」はあると思う。
小さな秘密、大きな秘密、なんにせよ、家族にも親しい友人にも隠している「秘密」は、誰にだってあるはずだ。
僕も、その一人だ。
僕の名前は日月透(ひづき-とおる)。今年、都立虹ヶ丘学園高等学校に入学した。成績、運動神経はともに平均値。趣味や特技は無い。友達は少なくもなければ多くもない。いわゆる、僕はどこにでもいる「高校生」だろう。しかし、実際は違う。
僕には、ある力がある。世間ではこの力を「超能力」というのが一般的だろう。
僕は、念じるだけで触れずに物を動かすことができる超能力を持っている─────
念動力、サイコキネシスなど呼ばれ方は様々だが、その類のものであることに違いはない。
物心がついたときには、使えるようになっていた。最初は手の平サイズ。消しゴムやえんぴつから始まり、今では車ほどの大きさのものなら平気で動かすことができる。
しかし、この超能力の存在を知る者は、僕だけだ。母にも、父にも、妹にも、友人にも、誰にもこの超能力のことは言っていない。
それはなぜかって?
直感で言うべきではないと感じたのだ。もしこの超能力の存在が世間に知れ渡れば、おそらく、僕や僕の周りだけでなく、世界規模で「何か」が変わる気がするからだ。それはやがて、戦争につながる可能性もある。
………まぁ、考えるときりがないから、とにかく他者に知られないようにすることだけを心掛けている。
生まれて16年間、他の人に知られることはなかった。だから、この高校生活も誰にも知られずにエンジョイできると思っていた。そう、「誰にも知られることはない」ということを当たり前だと思っていた。
だが、ついに「その日」がやってきてしまった。
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