複雑・ファジー小説

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dear
日時: 2017/06/18 10:00
名前: 抃 (ID: 3i70snR8)

愛してるよ、ずっと。

Re: dear ( No.1 )
日時: 2017/06/18 11:33
名前: 抃 (ID: 3i70snR8)

好宮藍。今年の春から黎西高校に入学すり。黎西と言えば県内で5本の指に入る公立の進学校。藍は安全圏内で楽々合格している。

既に1月に試験を受け、黎西からの合格通知が届いた藍は中学を卒業するまでの放課後は遊び呆けることにした。

同じく前期、推薦受験を終わらせた彼氏である三浜順太と、2人で放課後は会い服を買ったり、本屋に寄ったり勉強をしている。

「藍は本当にすげーよ、俺なんかバカ高校」

順太は県内でも有名なDQNやヤンキーが集まる、安川高校に単願し、入学が決まった。勉強するのがめんどくさい、実家の土木工事業を継ぐので将来には何ら問題ない。と言った理由らしい。

「高校なんて関係ないよ、どこ出ても一緒でしょ」
「まぁな」

順太は藍の手を握り、ファストフード店に入った。まだ寒い2月。順太の手はごつごつしてて手のひらが厚くて、硬かった。野球で豆が潰れたらしい。

「ねぇ順太」
「ん?」

ハンバーガーを頬張っていた順太が、藍に顔を上げる。

「高校入っても…一緒にいてくれる?」

自分重すぎ、気持ち悪い。言ったあとに後悔した、不意に出た言葉を飲み込むことはできない。

「当たり前でしょ。お前が浮気しなければな」
「私はしないよ、順太がモテるから…」

順太は1週間前にも女子に告白されていた。受験期に何やってんだか…順太はあっさりと断り、一見事は終わったようだが、藍が女子に睨まれる展開になってしまった。

あと2ヵ月、順太の学ラン姿を見れるのは。

「俺からも」
「…なに?」

順太が急に神妙な顔つきになる。いつもヘラヘラしてる彼が下を向いている。

「藍のこと、紹介したい、俺の、母ちゃんに」

顔を真っ赤にして頼んだジュースを飲み干した順太。テーブルに顔を突っ伏してしまった。

「いいよ」
「マジで?じゃあ、これから俺ん家来て」
「え?今から?」

「おう!」

順太は笑顔で頷き、また私の手を引き慌ただしく店内を出た。

Re: dear ( No.2 )
日時: 2017/06/18 11:58
名前: 抃 (ID: 3i70snR8)

「それが三浜くんとの初エッチ?」
「そーそー、今思えばただ部屋につれこみたいだけだったかもね」

7月に入った。黎西高校での生活には大分慣れた。クラスの大半が部活無所属だし、勉強以外はすることない。7:3の女:男の割合で、クラスは温厚に日々を過ごしている…と思う。

「高校なんて皆ヤってるでしょ、藍は何もおかしくない」

有沢祐衣子とクラスでは一緒にいるようになった。祐衣子はかなり頭が良く、書道に長ける必衰のお嬢様。利発的で言うこと成すこと過激な時が多々ある。

「藍ぐらい可愛いかったら、すぐ彼氏できる」

順太とはまだ別れていない。だけど1週間に1度LINEで言葉を交わすか否かという状態。私から話しかけないならずっと無言である。忙しいの一点張り。もう別れを決意しているし、今別れてもちょっと寂しい位。浮気してそうだし。

「いや、黎西で出来る気しない。狙うなら…他校」
「だよね!」

急に祐衣子の目が輝いた。クラス内で彼氏が出来ようものなら瞬く間に噂は広がる。めんどくさいので後免。

「あ、そういや」

祐衣子がLINEのトーク画面を私に見せてきた。クラスメイトの平埜くんから…、遊びのお誘い。

「なんか私と藍と平埜、立木から一緒に遊ばないかって」
「私は別にいいけど」

平埜遥生…明らかに育ちの良いクラスに1人はいるモテるオーラを醸し出す、割と静かな野郎。
立木怜也…ハーフのイケメン。東京から来たらしい、毒吐く。友だち多め。

クラス、学年内ではカースト的には上だし、中心はこいつら。入学してから間もなく絡み始めたし、放課後も遊んだ。だから気にせず遊び仲間として接している。お互い。

「藍って初見、めっちゃ優しい子かと思ったわ」
「高校入ってドライになったねって言われる」

そうだ、私は中学でのいい子を辞めた。

Re: dear ( No.3 )
日時: 2017/06/18 18:13
名前: 抃 (ID: 3i70snR8)

中学の時、私は「神対応」と呼ばれていた。クラスのどんな子にも優しい。学校では先生たちから何を言われても頼まれてもニコニコヘラヘラしながらこなしていた。まぁ親も先生も周りの友だちにも何も怖いことはないのは今も同じ。

「藍なんか大人っぽくなったね!」
「…そうかな?」

3年間同じクラスで仲の良かった大庭瑠美と街でばったり会った。瑠美は商業高校に進み、野球部のマネージャーになったらしい。

「クラスにイケメンいる?」
「うん、この人」

私は自分の携帯で撮った立木の写真を見せた。皆で皆でカラオケに行った際のもの。マイクを持って無邪気に笑う立木、修正なしでこのクオリティは凄い。

「え、めっちゃイケメンじゃん」
「かっこいいよね」
「三浜は?」
「順太よりかっこいい」

またまた〜と笑う瑠美の顔を見て、少しほっとした。ほぼ別れそうな状態にあることが悟られなくて良かった。

しばらくカフェで瑠美と近況報告し合い、別れた。瑠美のいる商業高校は中々個性的な制服だった。黎西は私服校だが、ブレザー、スカートの着用が暗黙の了解らしいのでだったら制服用意しろと思う。

グレーのブレザーに紺のタータンチェックのスカート、ネクタイ。黒いリュック。髪は前髪をシースルーバングにしロングヘアにした。

中学のときは、耳下のツインテールに膝下のスカートとという完全な田舎の小娘。高校からは嫌でも身なりに気を使わないといけない。化粧も殆どしてない。

色々考えるのが嫌になり、欠伸をしながら帰宅ラッシュの電車に飲み込まれていく。


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