複雑・ファジー小説
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- 魔法とか使えても予定は未定な青春です。《更新再開!》
- 日時: 2018/02/03 13:37
- 名前: いちよん。 (ID: fqNLaQl7)
彼女たちは、過ごす。
少ない青春の日々を。
不思議な力と共に。
一人ずつが、何かを抱える。過去を抱える。
そして、必死に運命に逆らう。
そんな彼女たちの青春の日々。
−−−−−−−−−−−
はじめまして。「いちよん。」といいます!
はじめての小説ではじめての投稿です。
皆様、お気付きでしょうか?
なんと!なんと!なんと!
参照数が500を突破いたしました!
これからもいちよん。めをよろしくお願いします!
更新もスッゴく遅いと思います。
素人中の素人でまだまだなのですが
どうかあたたかい目で見守ってもらえたら幸いです!
感想等々待ってます!
そして!コメントをくださった
四季 様
ありがとうございまーす!!!
−−−−−−−−−−−
番外編「百合乃宮の制服のお話」についてです。
何故この話を書いたかというと、その理由は単純明解!
さらっとハルカの魔法が分かるのって、なんかなぁー。とおもったからです!
時系列は、生徒会祭出場が決まる少し前くらいです。
まぁ、「へえー、そうだったのぉ」くらいでながしてください。
−−−−−−−−−−−
魔法とか〜。の魔法取り扱い説明書です。
新井ハルカ…全属性安定性魔力…全能神の魔法使い
セカンド…?
闇水悠季…水属性安定性魔力…水神の魔法使い
セカンド…?
心庭風華…木属性守護性魔力…森神の魔法使い
セカンド…?
火走スズ…火属性攻撃性魔力…火神の魔法使い
セカンド…?
火走ラン…火属性攻撃性魔力…火神の魔法使い
セカンド…?
風切疾風…風属性攻撃性魔力…風神の魔法使い
セカンド…?
登場人物が増える度に更新予定なので、ちょくちょく覗いてください。
- Re: 魔法とか使えても予定は未定な青春です。 ( No.14 )
- 日時: 2017/08/18 15:35
- 名前: いちよん。 (ID: cIlxy0g.)
そんな感じの悪い魔法使いは、ニヤニヤしていた。実際は自分も祭りには出場したくはないのだが、背に腹は代えられない。それもこれも、夏休みをエンジョイするためなのだ。
「おい、ハルカ。人殺しみたいなニヤニヤを止めろ。それにこの馬鹿共をどうにかしろ」
悠季に指摘されハッとした。
夏の課題がなくなるときいて、騒ぎまくっている三人をどうにかしなくては。
「えー、コホン。皆、未成年自治隊祭に出てくれる?」
「「「はーい、出ます!」」」
いつもはろくに喋りもしないスズさえも、元気に挨拶をしている。
「ハルカが出るのなら」
風華も快諾してくれた。
残りは一人。でもこの一人が難しいのだ。
ハルカがジーっと見つめていると、
「……。俺?出ないよ、そんな祭り」
やっぱりだ。いつもひねくれていて、一番めんどくさい男。
「だって去年のことお前等覚えてないの?あの?地獄のような、糞みたいな祭りを?」
「覚えています。覚えていますが、この祭りはテレビ中継だってされます。それによって、犯罪抑止にも繋がるのですよ?それでも出ない、と?」
「ああ出ない。あんなのただの魔力の無駄遣いだ。」
悠季がそういう理由も分かる。
なぜ皆がこれだけ祭りを避けているかというと、去年の祭り出場高校に問題があった。
去年までは、それぞれの県代表を決めるトーナメント戦のようなものがあったのだか、新しい試みとして、出場したい高校が実行委員会に応募して当選した高校が競い合うというものだった。
だが、それが悪かった。
出た高校の自治隊が最悪だったのだ。
- Re: 魔法とか使えても予定は未定な青春です。 ( No.15 )
- 日時: 2017/08/26 11:15
- 名前: いちよん。 (ID: fqNLaQl7)
今までは、地区予選や出場課題をクリアしてきた高校が出場してきた。しかし、去年は新たな試みとして、幅広い魔法と子供の祭りにしたいとのことで出場したい高校が、祭り実行委員会に応募し、当選すると出場権を手にできるとのことだった。
そして、毎年のように出場していた強豪私立高校や、期待されていた新人の生徒会長のいた高校等が全滅したのだ。
出場高校は私立高校が2校に対し、公立高校が13校。
私立高校には、優秀な魔法使いが多い。公立高校ではまだつくられていない「魔法科」が、あったりするからだ。
祭りには公立高校は多くても2校程しか出ていなかった。
しかし、公立高校が13校。
異例の事態に最初は驚いていたが、始めての祭り出場なのでワクワクしていた気持ちの方が勝った。
なのに、なのに、なのに。
やはり公立高校は弱く、これならそこら辺の犯罪者の方が強いと思った。
まるで、ライオンとネズミ。しかも「自分は強い」と勘違いしたネズミ共。
祭りに出場することが出来たという事実が、ネズミ共を思い上がらせた。
一回戦も、二回戦も、三回戦も。
皆々、自信満々で攻撃体制にはいる。無謀な作戦だ。結局は、私達に少しも近づけずにほんの5秒で終わるのに。
そんな具合で決勝まですいすい上がった。しかし、決勝戦は一番酷かった。
百合乃宮生徒会は戦闘するとき相手に、そして仲間に感謝する。礼儀を重んじる。
一回戦や二回戦の人達も、それはあった。しかし、決勝戦の奴等は私達が礼をしていると、それに何も返さずにこう言った。
「ハハッ!なにそれ、礼儀をどーにかしてるつもり?面白いね、君達。礼儀なんて勝負には関係ないんだよ〜?強い方が勝って、弱い方が負ける。そして君達が弱い方。……。じゃ、いくね!」
そう言って、まだ礼もすんでいない私達に攻撃を仕掛けてきた。
初めてだった。馬鹿にされたのは、初めてだった。礼を重んじる。これを馬鹿にされたのは私に。そして皆に本気を出させた。
礼を続ける私達の目の前に、相手チームがきた瞬間。私は顔を上げた。
結果は百合乃宮高等学校の優勝だった。
これが私達の祭りに出場したくない理由。
- Re: 魔法とか使えても予定は未定な青春です。 ( No.16 )
- 日時: 2017/09/02 09:56
- 名前: いちよん。 (ID: fqNLaQl7)
「あぁ!もうっ!嫌なこと思い出させないでよっ。何はともあれ、今年は絶対に出場します。誰が何を言おうと出ます。決まりっ!」
ハルカは無理矢理おしきった。
「出ない。絶対に出ない」
頑なに断る悠季。
「何でそんなに、出なくないの?出ようよ〜!」
遂にはランまで説得し始めた。
「もうっ!こうなったら奥の手だよ!」
「奥の手?」
何だろう?とその場の全員が首を傾げる。
ランは悠季の元にニヤニヤしながら歩み寄った。
「うふふ、−−−−−−−−なこと言っちゃうよ?本人とこの場の皆に」
「バッ!何でその事を、い、いやそんなことより……。チッ、分かったよ。出るよ。出ればいいんだろ!」
悠季は顔を真っ赤にし、急に慌て始めた。悠季がこんなに焦っているところを見たのは、その場の全員がはじめてで、ランは腹を抱え一人ゲラゲラ笑っていた。
「え?な、何をい、言われたの……?」
スズが可愛らしく首をこてん、と横に倒した。
なんとも可愛らしい仕草で、私もドキッとしてしまうほど。
「う、うるせー!ぜってー教えねー。特にお前には…」
最後の一文がよく聞こえなかった。
が、そんなことはどうでもいい。悠季が出てくれさえすれば。
「じゃあ決まりっ!百合乃宮高等学校は今年、未成年自治隊祭に出場します!」
ハルカは優勝するために。
「チッ、仕方がない」
悠季は脅しのために。
「楽しみましょうね」
風華はハルカのために。
「宿題が無いっ!」
疾風は宿題のために。
「楽しみだね、スズ!」
ランは楽しむために。
「う、うん!」
スズは全てのために。
こうして、ハルカ達の夏がはじまった。
- Re: 魔法とか使えても予定は未定な青春です。 ( No.17 )
- 日時: 2017/09/06 21:11
- 名前: いちよん。 (ID: fqNLaQl7)
「さぁ、皆!頑張ろう!」
私は意気揚々と言った。
しかし、私はまだ皆に言っていない秘密があった。
「おい、いつから大会は始まるんだよ」
「うっ、」
その質問は私の秘密に深く関わっているんだよぉ〜!!
心の中で絶叫しながら、同時に悠季へ感謝もしていた。きっかけをつくってくれたのだから当然だ(こういう時だけ都合が良い)。
「え〜と、明日……が開会式かなぁー」
「ハァ!?」
「嘘、ですよね?」
「嫌な予感はしていたんだ」
「え、ど、どうしよう」
「イェーイ!」
一人だけ呑気な人もいるが、放っておく。
「明日、開会式で次の日が一回戦だから」
「お前、何で言わなかったんだよ!」
「一週間前に言っていても、あまり変わらなかったでしょ!」
そんな屁理屈を理由に、私は言った。
明日言おう。明日言おう。と先伸ばしにしていた私が完全に悪いのだが、なかなか素直にはなれない。
これを機に、先伸ばしとはお別れしよう。
「今年は、勝負が一回戦は2対2なの。各生徒会で、ペアを3組つくって、各自3回戦って、審査員のポイント合計点を競う。審査方法はまだ公表されていないよ」
「今日ペアを決めるということですね」
「そういうこと。さぁ、決めようか」
「でも、俺達まだお互いの魔法をあまり理解していないんじゃないか?」
「でも、去年みたいな大会だとしたら作戦なんているのかなぁー?」
「安心して。今年はまたトーナメントになったから。……。あ、私達は去年の優勝校だから予選は出場しなくていいらしいよ」
「まぁ、とりあえず自己紹介しませんか?お互いの魔法を説明する機会は、そうありませんから。改めて自己紹介というのも、面白いじゃありませんか」
にこにこしながら風華が言った。
「そうね。じゃあ疾風から」
そうして私達の自己紹介ははじまった。
- Re: 魔法とか使えても予定は未定な青春です。 ( No.18 )
- 日時: 2017/09/09 16:37
- 名前: いちよん。 (ID: Cqmw6ffg)
「俺からかよっ!」
疾風が文句を言ってきた。
しょうがないじゃない。だって、私から見てすぐ右にあなたがいたんだから。
「はやく言ってよ〜!疾風!」
ラン。はやくペアを作りたいのね。
ランの催促を受けて、疾風は自己紹介を始めた。
「チッ、仕方ねーな。俺は、風切疾風。風属性の攻撃性魔力。『風神の魔法使い』だよ。知ってるだろ?お前等も」
基本的に、魔法使いのランクは上から
神、鬼、竜、何も無し。となる。
これは、魔法使いの基本中の基本。
「言ったでしょ?あくまでも確認だって」
「次はスズとラン。お願いします」
「え、えーと、あっと」
急に話しかけられ慌てているスズの隣で、ランがてきぱきと答えてくれる。
全く、妹に助けられてどうするのだ。
「私達の番だー!火走スズとランは、双子で同じ魔力です!火属性の攻撃性魔力で『炎神の魔法使い』だよ!」
「そ、そう、だね」
スズ、頑張れ!私は心の中でそう叫んだ。
「次は悠季だね!」
「分かってる。俺は、水属性の安定魔力で『水神の魔法使い』だ」
「なぁ、これ確認なんだろ?じゃあ、ちょっと質問いいか?」
「なんだ?」
「安定ってなんなんだ?」
「そんなことも知らなかったの?」
「じゃあ、お前知ってるのかよ?」
「知ってるも何も、私も一応『安定』よ!安定はね攻撃も守護もどちらも安定しているってことなの!」
攻撃は、文字のごとく攻撃に長けている。
守護も、文字のごとく守りに長けている。
安定は、どちらもバランスがいい。
これも魔法使いの基本中の基本。
それを知らずに活動していたとは、疾風の馬鹿さ加減にはあきれたのだった。