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複雑・ファジー小説
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- 静か過ぎて五月蝿い
- 日時: 2017/09/02 13:16
- 名前: 花京院 京花 (ID: SkZASf/Y)
耳を塞いで、目を閉じて。いつでも1人になれるよ。
大好きな君の匂いは
見切り発車で始めます。フィクションだったりノンフィクションだったりな、作者の物語です。
- Re: 静か過ぎて五月蝿い ( No.1 )
- 日時: 2017/09/02 13:38
- 名前: 花京院 京花 (ID: SkZASf/Y)
夏の終わりの匂いは、ぬるく懐かしい。名残惜しそうにじわじわと首筋を攻める夕焼けは花京院 京花を苛立たせた。
白い脚を動かし、自分の影を踏みながら帰路についている途中だ。
夏の午後は、やるせない。課題をたくさん抱えたまま小旅行に出かけた時の気分のように、消すことのできない不安と倦怠感がつきまとっている。
今日も疲れた、今日も疲れた、なんて言って、毎日学校に通う。週末だって、嬉しいのは一瞬だけで、実際にごろごろと怠惰な生活をおくってみたら、あぁなんてつまらない、意味のない時間を過ごしたのだ、とひどく後悔する。
世界が全部、オレンジ色にこわく照っている。悪夢みたいな街。
どうしようもない、漠然とした焦りと恐怖が花京院 京花を襲った。
逃げたい、見つかりたくない。
しかし、そんな感情は家に着いたら消えてしまい、彼女はごく普通に、嘘でない本当の笑顔で家族と夕食を囲むのだった。
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